PIVOT Androidアプリの6ヶ月での開発におけるアクションの振り返りと機能開発履歴
こんにちは。ビジネス映像メディア「PIVOT」で、Android エンジニアをしている さきさん です。
前回の入社エントリからの新しい備忘録記事です。
背景(開発における優先度の決め方とマインドセット)
PIVOT初のAndroid専任エンジニアとしてジョインしたこともあり、入社当初は「iOSとの機能差」「新機能開発の要請」など、さまざまな課題と要望が同時に存在していました。
もちろん、すべてを一度に解決することはできないため、毎スプリント(PIVOTでは1スプリント=1週間)ごとに優先度を自分なりに整理し、着実に消化していく方針をとっていました。
振り返ると、おおよそ以下のようなバランスで進めていたと思います。
攻め:90%
守り:10%
攻めのマインド
まず取り組んだのは、iOSとの機能劣後の解消です。
これを放置すると、Androidユーザーの体験機会がそのまま損なわれてしまいます。
その一方で、iOS / Android / Web 共通で新規機能の開発要望も並行して発生するため、「既存機能のキャッチアップ」と「新機能の実装・改善」をバランスよく進める必要がありました。
短いスプリントサイクル(1week/1スプリント)の恩恵もあり、素早く判断・実行を繰り返せるリズムが生まれ、日々の改善を継続的に進めることができました。
守りのマインド
どれだけ新機能を追加しても、コード品質や安定性が低い状態では、施策の効果を正しく測れず、ユーザー体験も長続きしません。
そのため、新機能開発の中でも クラッシュ率の定点観測 や UX体験の改善の選定 を行い、1回のリリースにつき、最低でも1つは課題を解消するよう意識していました。
「小さな改善の積み重ねが、大きな改善につながる」──その考えは今も変わっていません。
また、自分自身もPIVOTのAndroidアプリの一ユーザーのひとりなので、日々アプリを使っている中で感じたUX面の違和感や改善点は都度チケット化し、継続的に改善を行っていました。
こうした「小さな守り」を支えてくれたのが、チーム全体で進めているAI活用の取り組みです。
この点については、プロダクトチームのAI活用事例として、別の記事で詳しく紹介する予定です。
Androidアプリ
2025/02時点 | 2025/10現在 | |
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Androidアプリの更新履歴
2025/03 ~ 2025/04
視聴機能・UI整備・安定化を中心に基盤強化
- ホーム画面のiOS追従と機能強化
- コンテンツの拡充と視聴済みのステータス連携
- コンテンツの拡充と視聴済みのステータス連携
- デイリーアクション
- デイリーでミッションを達成することでマイルが取得可能になりました
- デイリーでミッションを達成することでマイルが取得可能になりました
- Kotlin2系サポート
2025/05 ~ 2025/06
音声/記事対応や連続再生など、大型機能を順次導入
- プレイヤーのコントローラー改善
- 画質設定や倍速設定が拡充
- 画質設定や倍速設定が拡充
- 連続視聴機能
- 動画・音声・記事モード切替機能
- 音声 / 動画 / 記事でのユーザーのライフスタイルにあった視聴が可能になりました
音声 | 動画 | 記事 |
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- レーティング
2025/07 ~ 2025/08
基盤のスタビリティ向上とアプリ内回遊のUX改善
- ザッピング機能
- アプリ内でPicture-in-Pictureをサポートしたことで、動画を視聴しながらアプリ内回遊ができるようになりました
- アプリ内でPicture-in-Pictureをサポートしたことで、動画を視聴しながらアプリ内回遊ができるようになりました
- 番組フォロー
- 記事のモーダル表示対応
- 内部のレガシーコードの大幅改善によるクラッシュフリー率の底上げ
- アクセシビリティの改善
2025/09 ~ 2025/10
タブレットやChromecastなどの新たな視聴体験をサポート
- タブレット対応
- ChromeCastサポート
- 関連タグ
- コメント機能
- Connect RPC導入
- Buf Technologies が開発した、Protocol Buffers(Protobuf)ベースの RPC フレームワーク/ライブラリ群。既存のProtobufによるデータスキーマの基盤を、新たにgRPC互換の基盤へ拡張。今後の開発速度向上を図る次世代型の基盤です。
その他
JetpackComposeの推進とレイアウト改善
2025/02時点
Compose: 約 53.7%
XML: 約 43.9%
ハイブリッド: 約 2.4%
2025/10現在(2025年度でXML完全撤廃予定)
Compose: 約 86.2%
XML: 約 10.3%
ハイブリッド: 約 3.4%
ストアのレビューとランキングの向上
2025/03時点
レビュー: ⭐️ 2.3(💦)
ランキング圏外
2025/10現在
レビュー: ⭐️ 4.6
ニュース&雑誌 無料ランキング 7位
レガシーコードの撤去により、クラッシュフリー率の改善
2025/03時点
クラッシュフリー率: 約 96.89%
2025/10現在
クラッシュフリー率: 99.9%越え🎉
まとめ
この6ヶ月間で取り組んできたAndroid改善の歩みを、簡単にまとめました。
PIVOTのプロダクトチームは少数ながらも、開発スタイルやチーム文化を常に進化させながら、高品質なプロダクトを最速で届けることを目指しています。
今後は、開発環境やチーム運営の工夫についても、改めて記事として発信していく予定です。

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