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Findy Team+に追加されたSPACEを計測できるチームサーベイ機能が良かった

2024/09/10に公開

はじめに

こんにちは。PharmaXでエンジニアリングマネージャーをしている古家(@enzerubank)です。

弊社では開発生産性の改善のためにFindy Team+を活用しているのですが、先日チームサーベイ機能という新機能がリリースされました。
チームサーベイ機能をリリースしました!

このチームサーベイ機能はMicrosoftやGitHub等によるリサーチで提唱されたSPACEフレームワークに沿って、チームの開発者体験を可視化し、生産性向上に向けた取り組みを推進できる機能です。

開発生産性の指標としてはFour Keysが有名ですが、これはあくまでDevOpsの指標であり、リリース速度や障害の発生状況を把握することしかできません。

生産性をより広く捉え、働いている人がモチベーション高く働けているかどうかを測る方法が欲しかったので、今回のチームサーベイ機能のリリースはとても嬉しいものでした。

さっそくチームで取り入れてみたので、今回はそのレポート記事を書いていきます。

Findy Team+の概要

Findy Team+は、エンジニア組織における開発生産性を可視化・向上するためのプロダクトです。

開発生産性の評価は現状FourKeys指標が中心となっていますが、サイクルタイム分析やレビュー分析といった機能と合わせて使うことで、開発リードタイム内のボトルネックを特定し、改善していくことが容易にできます。

また他社データとの比較機能が便利です。数値の左側のバッジの色は自分たちのレベルを表しており、チームの生産性が全体で見ると、どれくらいのレベルなのかを知るための良い参考になります
(FourKeysのバッチはGoogleのDORAが出しているDevOps Reportの数値のベンチマークが設定されているらしく、DORAのメトリクスに変更があれば、それに合わせて変更となるようです)

今現在では、開発組織内でのパフォーマンス向上のみ対象とした機能提供になっていますが、
今後は開発者体験向上や開発プロセス全体のパフォーマンス改善に役立つプロダクトへ進化していくようです。楽しみですね。

チームサーベイ機能で出来ること

まず前提としてチームサーベイ機能はまだβ版なので、途中で機能変更があったり今後提供が中止になる可能性はあります。執筆現在(2024年9月9日)時点での情報で出来ることについて書きます。

SPACEフレームワークに沿った設問のアンケートを送ることができる

各要素ごとに用意された3つの設問への回答を求めるアンケートを送ることが可能です。
質問に対しては5段階評価(1〜5)で回答します。全部で15問なので回答自体は数分で終わります。

アンケートを定期的に送信する設定ができる

1週間毎・2週間毎・3週間毎・1ヶ月毎に各設定から周期を選んで送信することができます。
回答結果は回答期限日が過ぎるまでは閲覧することができないようになっています。

各スコアの変化を可視化してボトルネックを特定できる

前述の15問のスコアの変化を点数で可視化してボトルネックを特定し、改善していくことが可能です。
今まで何となく課題があるな〜と感じていたポイントが定量化されるのは助かりますね。

導入してみてどうだったか

結論、とても良かったです。特にPdMに開発チームの状況を伝えるのに有用でした。プロダクトの方向性を考えるメンバーと開発チームとのコミュニケーションの取り方にまだ課題があるよねということがわかるスコア結果だったので、ちゃんと一緒に改善していこうという共通認識を取ることができました。

特に弱い部分がわかったので、EMとしてもチームの改善方針を考える際の参考になっています。

一方で定量数値を改善することに気を取られすぎて本来の目的を見失わないようには気をつけています。
開発チームとしては仮説検証を高速で回してユーザーに素早く価値を届けられるようにしていくのが目指す姿であり、そのために良いパフォーマンスを出せるチームでありたいと思っています。

良いパフォーマンスを出せるチームになれているかの健全性を測る指標として開発生産性指標は有用で、今回のサーベイ機能のおかげでFourKeysだけではなくSPACEフレームワークが追加されたことで、より解像度を高めるためのデータが増えました。

チーム全体としては開発チームの目指す姿のために日々全力を尽くしてもらい、チームの健全性を測る指標についてはEMが目を光らせ、良くない兆候があれば、改善を進められるように動いていくという使い方が良いかなと思います。

チームサーベイ機能で改善してほしいと思った所

今回使ってみて改善して欲しいなと感じた点は以下の通り。特に最後のメトリクスの話は自分たちでは気づけない問題点に気づける機会が増えるので、今後アップデートされるとより便利になりそうです。

  • 一度配信したサーベイを途中でキャンセルすることができない
  • 配信タイミングが1週間・2週間・3週間・1ヶ月しか選ぶことができない
  • 全員が回答完了していても回答期限日が過ぎないと結果を見ることができない
  • 配信対象アカウントはGithubアカウントとは別でFindyに登録しないといけないことがわかりにくい
  • SPACEフレームワークの各項目で何を評価するのかの説明とそのためのメトリクスの例を増やして欲しい。その中から特に見たいメトリクスを選べると嬉しい。

まとめ

以下が今回の記事のまとめです。SPACEフレームワークの計測を検討しているエンジニア・EMの方に少しでも参考になれば幸いです。チームのパフォーマンスを最大化できるような環境づくりを今日も頑張っていきましょう〜

  • チームサーベイ機能はMicrosoftやGitHub等によるリサーチで提唱されたSPACEフレームワークに沿ってチームの開発者体験を可視化し、生産性向上に向けた取り組みを推進できる機能
  • Findy Team+は現状は開発組織内でのパフォーマンス向上のみ対象とした機能提供になっているが、今後は開発者体験向上や開発プロセス全体のパフォーマンス改善に役立つプロダクトへ進化していきそう
  • 開発チームの状況を把握するデータが増えたので、PdMとのコミュニケーションに使えたり、EMとしてチーム改善の方針を考える際の参考になる
  • 目先の定量指標の改善に目が行き過ぎないようにチーム全体としては開発チームの目指す姿のために日々全力を尽くしてもらい、チームの健全性を測る指標についてはEMが目を光らせる運用が良い
  • チームサーベイ機能はまだβ版なので今後の進化に期待
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