CDMP試験(Certified Data Management Professional -Associate)に合格した話
はじめに
ぺんぎん(@jitepengin)です。
先日、CDMP試験(Certified Data Management Professional -Associate)を受験してきました。
あまり馴染みのない試験かつ日本語での情報が少ない試験となりますので、ざっくりと紹介したいと思います。
CDMP(Certified Data Management Professional)とは
CDMP (Certified Data Management Professional) は、DAMA Internationalが提供する国際資格で、データマネジメントの知識体系であるDMBOK(Data Management Body of Knowledge)に基づいています。
試験はデータマネジメント全般を幅広くカバーしており、トピックは以下の通りです。
また、DAMAより各トピックごとの出題比率も公開されており、そちらを参考に対策を行うことが可能です。
ちなみに私は出題比率を無視して網羅的に勉強しました。
- Data Management Process(2%)
- Big Data(2%)
- Data Architecture(6%)
- Document and Content Management(6%)
- Data Ethics(2%)
- Data Governance(11%)
- Data Integration and Interoperability(6%)
- Master and Reference Data Management(10%)
- Data Modelling and Design(11%)
- Data Quality(11%)
- Data Security(6%)
- Data Storage and Operations(6%)
- Data Warehousing & Business Intelligence(10%)
- Metadata Management(11%)
CDMP認定レベルと要件
試験レベルは大きく3段階あります。
まずは必須試験のData Management Fundamentalsを受験し、所定の合格基準を満たすことが求められます。
最低限の60%以上の正答率を獲得するとAssociateとして認定されます。
上位のPractitionerはFundamentalsで70%以上の正答率を獲得したうえで専門科目試験を2つ受験する必要があります。
さらに上位のMasterはFundamentalsで80%以上の正答率を獲得したうえで専門科目試験を2つ受験し、そちらでも80%以上の正答率を獲得、さらにCVの提出と審査が必要になります。
認定レベル | 業界経験の目安(任意) | 試験内容・合格基準 |
---|---|---|
Associate | 約6ヶ月~5年 | Data Management Fundamentals試験にて正答率60%以上 |
Practitioner | 約2年~10年 | Fundamentals試験で正答率70%以上、加えて専門科目試験2つを正答率70%以上で合格 |
Master | 最低10年(必須) | Fundamentals試験で正答率80%以上、専門科目2つでそれぞれ正答率80%以上。さらに、CV提出による審査が必要 |
受験について
受験申込方法
CDMPの公式サイトからData Management Fundamentals examを選択します。
受験料はUSD$311なのでまあまあ高いですね…
注意事項としては英語が母国語ではないのでESLバージョンを選択することです。
そうすることで、通常90分の試験時間が20分追加となり、110分となります。
監視ソフト
CDMPはHonorlockというオンライン試験監督ツールを使ってテストが行われます。
こちらを事前にchromeの拡張として設定しておく必要があります。
ちなみにHonorlockによる試験は24時間365日いつでも受験できるようで、わたしも思い立ったタイミングで受験しました。
試験の際にいくつかのチェックが行われます。
- 顔認証:開始時に顔の画像を撮影
- ID認証:開始時に政府発行のIDを撮影
- 部屋チェック:部屋を360度動画で撮影する
わたしは、ID認証でパスポートを使おうと考えていましたが、引っ越しの際にどこかにしまい込んでしまい、日本語表記の免許証で対応しました。
その際、免許証だとID認証が通らなかったため、チャットからHonorlockのサポートに問い合わせて認証してもらいました。
だいたいこんな感じの事をチャットした気がします。(チャットのうえ、免許証のみで通りました。)
My primary ID is my Japanese driver’s license. Please note that it is written in Japanese, but I also have my company ID card and a credit card showing my name in English.
また、試験中は常にデスクトップの共有と撮影が行われます。
不審な動きがあればすぐにアラートが発火しますので注意してください。
わたしは途中マウス操作を誤ってドラッグ&ドロップ的な動きとなってしまいアラートが発火しました。
オープンブック形式
本試験はオープンブック形式となり、下記のうち1冊のみ持ち込みが許可されます。
- DMBoK2(紙の書籍、電子書籍いずれか)
- ノートなどのメモ
わたしはDMBoK2の紙書籍を持ち込みました。
翻訳ソフト
公式サイトのQAにはGoogle翻訳が活用できるような記載がありますが、2025年8月時点では下記のようにGoogle翻訳を使うことができません。
代替案としてはchrome拡張に追加できる翻訳ツールの使用(右クリックを使わないもの)が可能です。
わたしはこちらの方の記事を参考に、Simple Translateを使用しました。
どのツールを使用するにしても事前にサポートに使用可否を確認することが必要となります。
ちなみに、翻訳ツールを使用しても微妙なニュアンスが分かりづらかったり、精度がいまいちだったりするので英文を読んだ方が早い部分があります。
PMPやAWS認定でもそういった部分で結局英文を確認するということが多々あったので海外試験を受ける際には気を付けたほうがいいのかもしれません。
勉強方法
DMBOKを通読(3回ほど)
まずはすべての基本であるDMBOKを読みました。
1周目は流し読みで概要をつかむ。2周目はより理解しながら読む。3周目は後述の練習問題で理解できなかった部分を読むという流れで理解を深めました。
練習問題
CDMPの受験料には練習問題がセットになっています。
200問のストックのうち40問がランダムで出題されます。
よく言われるようにこれをとにかくこなして理解できなかった部分をDMBOKを読んで理解するということが正攻法だと思います。
ちなみに練習問題からの類似問題はほぼ出題されないと思っていただいた方がいいと思います!
隙あらば問題を解いていたので試行回数がかなり多いですが、100%の正答率が取れたら受験で良いと思います。
途中飽きたので横道にそれる
途中で飽きたので横道にそれて以下のような書籍を読みました。
データ系の本なので受験の参考になったと思います。
-
AWSではじめる実践データマネジメント
https://gihyo.jp/book/2025/978-4-297-14913-0 -
The Data Warehouse Toolkit: The Definitive Guide to Dimensional Modeling
https://learning.oreilly.com/library/view/the-data-warehouse/9781118530801/ -
Fundamentals of Metadata Management
https://www.oreilly.com/library/view/fundamentals-of-metadata/9781098162818 -
Delta Lake: The Definitive Guide
https://www.oreilly.com/library/view/delta-lake-the/9781098151935/ -
データプラットフォーム技術バイブル
https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=147013
各書籍の感想はこちらの記事にまとめてあります。
勉強時間
横道にそれた時間は除いて、勉強時間は3か月で30時間程度でした。
期間中はCDMPだけがっつりと対策したわけではなく、AWSの個人的な検証をしたり、技術書を読んだりしながら、マイペースで勉強を進めました。
受験結果と所感
試験当日は前述したようなID認証のトラブルがあったものの、無事合格することができました。
今回受験することで、クラウドや開発経験と体系的な「データマネジメント」の知識が結びついたのが大きな収穫となりました。
プロジェクト内でもよく使う用語である「メタデータ管理」や「マスタデータマネジメント」といったものを深く理解することができました。
おわりに
今回はCDMPの受験について紹介しました。
CDMPはデータマネジメントについて体系的に理解することができるので、データに関わる仕事をする際に受験していて損はしないと思います。
また、情報処理技術者試験でもデータマネジメントに関する区分が新設されるというニュースもありました。
社会の流れとしても、データ活用を進めるためには「分析」だけでなく、その前提となる「データ品質」や「ガバナンス」の重要性が広く認識され始めています。
今回のCDMP受験を通じて、自分自身も「データ基盤をどう設計し、どうデータをマネジメントしていくか」という視点をより強く意識するようになりました。
今後は実務の中でこれらを活かしつつ、クライアントと一体となってベストなデータマネジメントを導入できるように取り組んでいければと思います。
今回の記事が、CDMPの受験を検討している方の参考になれば幸いです。
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