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実務1年未満のエンジニア転職

2023/04/22に公開

概要

以前、未経験からエンジニア転職という記事を書きました。
上記リンクの記事にも記載していますが、私は実務未経験からテックキャンプというプログラミングスクールに通い、エンジニア転職を果たしました。しかし、いろいろな理由から実務1年未満、実際は実務半年程度で転職活動を行い、次の会社に入社することに決めました。この記事では、私がなぜこんなに早く転職しようと思ったか、実務経験が1年未満のエンジニアが転職するためにどのように行動したか、次の転職先を選ぶ際にどういうことを意識したか等を記載していこうと思います。

この記事を読む対象者

  • これから未経験でエンジニア転職しようとしている人
  • 未経験からエンジニア転職はできたが、現在の職場や環境に何かしらの不満がある人

上記のような人に参考になるように記事を書いていきたいです!

なぜ実務経験1年未満で転職しようと思ったか

未経験からエンジニア転職した当初は、こんなに早く転職するつもりは全くありませんでした。しかし、今回の転職を決意した一番大きな理由はエンジニアとしての市場価値を高める実務経験を積みづらく、スキルとしても成長しにくい環境だと感じたからです。この職場に2,3年働いた後に自分は一人前のエンジニアとして認められるかが非常に不安になる環境でした。それ以外にも色々とストレスが溜まりやすい職場だったので、数ヶ月で自分以外の辞めていく社員も多数いるような環境でした。

実務経験とは何か

エンジニアとして転職するときに給料を上げたり、行きたい会社に入るために実務経験は必須なものです。まだ私も経験が浅いため、実務経験とはどういうものなのかわかっていない部分もありますが、少なくとも未経験時代よりかはわかるようになったかなと思っています。

実務経験とは、一言で簡単に言えば、「ある程度しっかりとした開発体制の整ったIT企業で、一般的な開発フローを踏んで開発すること」だと私は思います。
ただコードを書ける、アプリを作れますというだけでは実務経験とは言えないように私は感じます。
エンジニアが働く上で必要となる様々なスキルが、実務経験という一言に集約されているように思います。

辞めることにした現在の会社は自社開発企業でエンジニアの数も少なく、過去在籍していた経験のあるエンジニアもどんどん辞めていったことにより、ほとんどが私と同じくらいの歴の未経験エンジニアでした。そして、昔からしっかりとした開発体制が取られず、以下のような状況でした。

  • 仕様書や設計書が存在せず、現在のメンバー誰も仕様がわからない機能も多く存在する上、システムが複雑化している
  • テストコードが存在せず、コードを修正した後のテストは手動→その結果考慮していない箇所でエラーが生じる
  • 既存サービスのシステムのアップデートが長年行われず、色々と不具合が出る場合もある
  • 未経験など経験の浅いメンバーが書いたコードに対してもコードレビューが存在せず、その後のリファクタリングも為されない
  • IT関連の知識のある管理者が存在せず、管理者に未経験エンジニアが振り回され続ける

上記項目の逆の体制が仕上がっていれば、ある程度は開発体制としても整っていて、実務経験というものも身につきやすいのかなと思いました。

しっかりとした開発体制がないのなら、自分で体制を整えればいいという考えもあるかもしれませんが、正直この状況では、未経験の私が1人でどうにかできる範囲を優に超えていると思いました。なるべく早く、自分のエンジニアとしての市場価値を高めて、その上で自分がやりたい・楽しいと思える仕事を選択したり、会社に何があっても家族を守れるような力をつけたいと思う私にとっては早く転職するしかない!と思いました。

なぜ1年未満という早さで転職しようと思ったか

実務経験1年は積んでから、転職したほうが良いという話を聞いたこともあったので、1年は働こうかと思った時期もありました。しかし、知り合いのエンジニアに話を聞くと、1年働いても1年未満でも自分は実務経験として不足していることになるので、ポテンシャル寄りの採用してもらうしかない。つまり、1年働いても転職できる企業にそこまで変わりがないのなら、早いタイミングで実務経験を積める会社に転職した方が、早く自分のスキルや市場価値を高めていけると思いました。

実際に、今回転職するときの面接でも、しっかりと実務経験があるかの深掘りをされた企業については受かっていない企業がほとんどです。そんな中自分のこれまでの勉強姿勢やポテンシャルを評価して、内定を出していただいた企業には非常に感謝しています。

前回の転職時に勘違いしていたこと

前回の転職でも、エンジニアとして、しっかりとした経験が積めるところに入社したいと思っていました。その時に経験の積めない会社として考えていたのは、テストコードを書かされ続けたり、エンジニアじゃなくてもできるような雑用ばかりをやらされるといった会社です。現在の会社は自社サービスの上流から下流までしっかりと開発に携わることができるということで選びましたが、ただ開発に携われれば実務経験が積めるということではなかったなと今は思っています。加えて、思った以上に開発以外の雑用もたくさんありました笑。

転職するためのアピールポイント

私の今回の転職では、ポテンシャルを見て採用してもらったとは思いますが、それでも会社に選んでもらうためにアピールする要素を増やす必要はあります。私が、エンジニアとしてどのように自分のスキルや勉強意欲をアピールしたかについて記載していきます。

技術ブログ

今書いているZennでの記事がまさにそれです。今回は技術的な記事ではありませんが、これまで週1ペースで約3ヶ月ほど記事を書き続けました。技術ブログを見たといってくれた面接官もいますし、定期的なアウトプットをしているということを評価して、書類選考を通してくれた企業もあるのではないかなと思っています。

【週1投稿について】
面接官の評価としては、週1で必ずしも投稿しなくても、ある程度定期的に投稿していれば、評価は変わらないだろうなとは思いました。自分として週1投稿するという決まりを課して、それを習慣化できたことは良かったかと思います。

【記事の質について】
もちろん良い記事、深く考えた記事を投稿した方が評価は上がるかと思います。しかし、実務経験が一番大事だから、どれだけいい記事を書いたところで入れる企業はそこまでは変わらないという話を知人のエンジニアに聞いて、その通りだろうなと思いました。なので、「いい記事書けないから、ブログ書かない」と考えるよりかは、簡単な記事でも一回書いてみて、それを定期的に続けてみるというのがいいかと思います!

アプリを作成して公開

やはり自分でアプリを作って公開するというのは、実際にこんなアプリを作れるということを相手に知ってもらう一番の近道だと思います。自分はポートフォリオアニメリスト検索アプリ電卓アプリなど簡単なものですが、作成して公開しました(テックキャンプ時代のRailsアプリはHeroku無料枠終了により公開できなくなりました)。VercelとNext.jsを用いて無料で公開できているので、本当にVercelには感謝したいと思います。

【ポートフォリオって必要?】
結論なくてもいいかと思います。何かしら公開できるアプリはあった方がいいかとは思いますが、私が作った自分を紹介するようなポートフォリオサイトではなく、普通のECサイトとかでもいいのかなと思います。しっかりとした実務経験について話ができるのであれば、転職する際に公開アプリすらなくても大丈夫だと思います。要は実務経験でアピールできるポイントが少ないから、アプリを作ってるって感じです。
自分は職務経歴書以外に自分の技術力などをわかりやすく伝えるサイトが欲しいと思ってポートフォリオサイトを作成しましたし、今後も使っていけるサイトとして都度改善していきたいと思っています。

【アプリ作成時に意識したこと】
過去に自分が使ったことのない技術やサービスにも積極的に挑戦しながらアプリを作ることを心がけました。
Next.js、TypeScript、MUI、microCMS、SendGrid等いろんなものに触れてみて、その上で自分の想像したアプリを実現するためにいろんな課題やエラーを乗り越えることができたというのは、確実に自分の力になっていると感じます。エンジニアは常に新しい技術をキャッチアップしていく必要があると思うので、そういった要素をアピールすることにも役立ったのではないかと思います。
あとは自分が作りたいと思ったアプリを作るようにしました。やっぱり仕事が終わって家で作るなら、作りたいと思えるアプリじゃないとなかなかモチベーション続きませんよね。

今回の転職先を選ぶときに考えたこと

次の転職先は少なくともしっかりと実務経験を積めて、自分の市場価値を高めて行ける可能性が高い企業を選ぼうと思いました。面接をしていても、エンジニアファーストな考えがあり、各エンジニアのキャリアプランをしっかりと実現してくれようとしてくれる企業は本当にいい会社だと思いました!

【自社?受託?SES?】
転職先としては受託やSESをメインに考えていました。自社開発企業でもしっかりとした開発体制のある会社もたくさんあるかと思いましたが、実際に自分の求める実務経験を積めるのかは入ってみないとわからない博打の部分もあると現在の会社で感じてしまいました(有名な企業だと安心かとは思うのですが)。受託やSESは自社エンジニアが技術力を持っていないと案件を獲得できない→つまり稼げないと思うので、ビジネスモデル的にエンジニアファーストな考えを持っていたり、優秀なエンジニアに残ってもらえるような制度が充実しているように感じました。いろいろな案件を通して様々な技術・言語を学べて、自分の市場価値を高めやすいというポイントも自分には合っていると思いました!

【どんな受託、SESが良いか】
とはいえ、ブラックで経験も積みにくい受託・SES企業も存在すると思います。自分なりに、特に以下2点で良い受託・SES企業かどうかを判断しました。

  1. プライム案件が多いか
  2. 営業が案件獲得の際にエンジニアを考慮してくれているか

1つ目のプライム案件について、IT業界でブラックな会社が多いと言われる理由でもある多重下請け構造では、下層に行けば行くほど、利益も少なく立場の弱い会社になってしまいます。上位となるプライム案件を多く抱える会社の方が、当然技術力としても高いと思いますし、顧客に対してより対等な議論を交わすことができるのではないかと思います。プライム案件が多い方がブラックでない可能性が高いという話はエージェントなどからも聞いたことがあります。

2つ目の営業について、まず営業がエンジニアのことを何も考えず、利益優先で案件を取ってこようとすると、当然エンジニアはきついです。納期が厳しかったり、エンジニアの能力に見合わない高難易度の案件だったり、各エンジニアが描くキャリアプランを実現できないような案件しか持ってこない等といったことが発生する可能性があります。その結果、辞めていくエンジニアも多くなるでしょう。営業とエンジニアがしっかり連携が取れ、エンジニアが描くキャリアプランを実現するということを考えて営業してくれる企業は、エンジニアにとっていい会社であると言えると思います!今回転職活動で面接をしてみて、エンジニアファーストな営業をしてくれる会社も多いと思いましたし、皆さんも面接時にどのような営業をしているかを聞いてみるのは会社選びの参考になるかと思います。

【経験のあるエンジニアが在籍しているか】
やはり経験のあるエンジニアと共に仕事をした方が、自分の成長率も高いと思いました。また、経験のあるエンジニアが在籍しているということは、エンジニアが満足して働ける環境が作りあげられているという証拠にもなるかと思います。SESの場合はどの企業・職場にアサインされるかで、メンバーも変わるので難しいところですが、それでも経験のあるエンジニアが会社に残っているということは、派遣先への不満があった際に営業がサポートしてくれたり、案件を変えてくれたりという配慮をしてくれていそうです。私はそのあたり実際にどうなのかを面接時に確認した上で、それが本当なのかを判断する証拠として、経験あるエンジニアがいたり、離職率の低さというものを考慮していました。

最後に

私がエンジニアとして最初に入社した会社は、エンジニアとして市場価値を上げにくい企業であるとは思いますが、未経験の私を採用していただき、そのおかげでエンジニアとしての基礎的な力はある程度身につけることができたため、感謝しています。不満もありましたが、この会社に入社すると決めたのも自分自身なので、入ったことに後悔はありません。

私が実務1年未満で転職したのは、自分が成長できない理由や市場価値を上げられない理由を会社の環境のせいにしたくなかったということもあります。その環境も自分で選んだものだし、その環境に不満があるのなら、環境を変える努力をすればいいと思いました。

環境を言い訳にせずに、より自分のスキルや市場価値を高めつつ、次の会社や社会に貢献できるように、今後も精一杯頑張っていきたいと思っています。

私もまだまだ経験の浅いひよっこです。
未経験や経験の浅い人で、今後のキャリアが不安な人もいるかと思いますが、是非一歩踏み出して、共に頑張っていきましょう!

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