ひとりで“AIチーム”を動かす:Cursor2.0 × Composer1 実装ガイド(後編)
この記事は前編「AIは“1人チーム”から“複数AIチーム”へ」の続きです。
本編では Cursor2.0 × Composer1 を使った実際の開発フローを紹介します。
前編:
はじめに
前編では、AI開発が
AI助手 → AIチームを指揮する時代
へ変わった話をしました。
後編では、実際の開発で使える
- プロンプトテンプレ
- 並列エージェント構成
- git worktree 運用例
- テスト & 検証フロー
を具体的にまとめています。
そのままワークフローにできます。
開発フロー全体像
AIチーム運用の基本はこれ👇
仕様設計 → 並列実装 → 比較 → 合成 → テスト → マージ
イメージは 監督+複数AIエンジニア。
プロジェクト構成例
最初にディレクトリを分けると衝突しない。
git init
# 仕様 & docs
mkdir -p docs/specs
mkdir -p docs/reviews
# worktree でブランチを分けて実装
git branch feat/login
git worktree add ../feat-login-a -b feat/login/a
git worktree add ../feat-login-b -b feat/login/b
AI側に別々の作業空間を与えるのがポイント。
エージェント構成テンプレ
✅ 新機能開発の例
| 役割 | 説明 |
|---|---|
| Planner | API仕様/型/責務設計 |
| Builder A | 王道実装 |
| Builder B | 代替設計/軽量化 |
| Verifier | 型/仕様/テストチェック |
仕様化プロンプト(Planner)
あなたはプロダクト設計AIです。
### Goal
ログイン機能を実装(Next.js / Supabase)
### Output
- 仕様.md
- API設計(入出力・型)
- UI振る舞い
- エッジケース
- テスト観点
### Rules
- 曖昧にしない
- Next.js App Router前提
- セキュリティ(CSRF, XSS, RLS)考慮
実装プロンプト(Builder)
あなたは実装AIです。
以下の仕様に従い実装してください。
- フォルダ: src/app/login
- 必須: server actions
- UI: ローディング / エラー表示対応
- 出力: diff パッチ形式
docs/specs/login.md を参照し、
不足部分があれば補ってください。
検証プロンプト(Verifier)
あなたはレビューAIです。
以下をレビューし、指摘を出してください。
- 仕様逸脱
- 型の不整合
- セキュリティ
- ステート管理
- ユーザビリティ
- E2Eテスト追加案
### 必ず出力:
- Issueリスト
- 改善提案
- テストケース
実装の比較と合成
実装が2案出たら統合する。
合成プロンプト例
あなたは統合AIです。
以下2案の長所を組み合わせ、1つの最適実装にしてください。
- A の構造とエラーハンドリング
- B の軽量ロジックと最適化
- テストは両方のカバレッジを統合
出力:
- 統合コード diff
- 改善概要
- 追加テスト
E2E テスト例(Playwright)
test("email login", async ({ page }) => {
await page.goto("/login");
await page.getByTestId("email").fill("test@user.com");
await page.getByTestId("password").fill("password123");
await page.getByTestId("submit").click();
await page.waitForURL("/dashboard");
expect(await page.textContent("h1")).toContain("Welcome");
});
判断とマージ
・仕様に沿うか?
・テスト全緑?
・セキュリティOK?
満たしたらマージ。
git checkout feat/login
git merge --squash feat/login/a
git commit -m "feat: login with AI collaborative build"
実際にやってみた感想
**“自分ひとりなのにチーム感”**が本当に強い。
| 項目 | 体感 |
|---|---|
| 速度 | 爆速(体感2〜5倍) |
| 品質 | 仕様寄りになり穴が減る |
| メンタル | レビュー負担激減、楽しい |
| 向いてる領域 | Webアプリ/ツール/CRUD/PoC |
まとめ
・AIを「実装役」→「チームメンバー」に変える
・人間は設計・判断・品質保証
・worktreeで並列開発が安定
・プロンプトは役割分担が鍵
おわりに
AIはもう
“ひとりでプロダクトを作る時代の相棒” です。
次のステップとして👇
実プロジェクトで試す
テスト駆動との併用
スクラム×AIチーム の研究
をおすすめします。
感想や質問はぜひコメントでどうぞ!
Discussion
はじめまして。
当方でも、Cursor 2.0のMulti Modelの良い使い方を模索中なのですが、
こちらの記事の内容について、実際にCursor 2.0の画面でのオペレーションも併せて紹介していただけると大変助かるなと思いました。
事前にシステムプロンプト込みでモデルをチョイスする感じでもなく、困惑中です。。
コメントありがとうございます!
そして同じくCursor 2.0のMulti Model開拓中ということで…仲間ですね!
おっしゃる通り、現状はUI上で「このエージェントはComposer、この子はClaude…」みたいに
事前にガチっと役割セットする感じではなくて、役割をプロンプト側で定義して指揮する運用が中心ですよね。
そこ、僕も最初かなり戸惑いました。
ご提案いただいたCursor画面での操作例や流れについてですが、
まだ自分の環境で画像キャプチャ等は行っていないので、
いずれ実際の操作手順付きの記事に起こしますね💪
こういう新しい開発体験は、みんなで使い方育てていくフェーズだと思うので、
もし良ければまた気づきや良い方法あればぜひ教えてください!