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【LLM】心配性なAI開発初心者がClaude Code CLIを使うまでと今後

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はじめに

対象

  • 何から始めたらいいか分からないので、誰かのムーブを参考にしたい人向け。
  • 石橋を叩きながら三歩進んで二歩下がるITエンジニア向け。

記事の趣旨

最近話題のChatGPTやClaude Code、正直今も困ってないけど凄そうだ。しかし心配性で、腰が重くて、守銭奴のように財布の紐が固くて、何かと言い訳をしつつ、まだ触ってないという方は多いのではないかと思います。私も少し前までそうでした。

何なら今でも20日やそこら触っただけのぺいぺいです。とはいえ、

  • 触るまでに何をしたのか。
  • 触ってみてどうだったのか。
  • 今後どうしていくつもりなのか。

この辺りの経験や感想を共有することくらいはできるかなと思った次第です。その上で勧誘のための糸口にしたり、参考にする手前の「そういう感じなんだ、へぇ」くらいのものとして見ていただけると幸いです。

時系列順まとめ

まずは触ってみる

以前よりChatGPTやGeminiなども含め、無料で触れる範囲で色々触ってはいました。その上でどこまでできるのか・できないのか、何となく感覚で掴むこともしていました。書籍や記事を読むにしても、サブスクを検討するにしても、まず現場や製品を知らないと話にならないので。

今だったらGemini CLIの無料枠を使ってみても良かったかなとも思うのですが。当時、「岡山で散歩するなら?」の質問をした後に、クリアするまで毎回「岡山にお住まいなんですね」が枕詞になって返ってくる症状が発症したこともあり、開発を任せるのはちょっと…と思ってました。

Claude Codeはローカル環境で動かすにはサブスク契約しないといけないので、ClaudeはWebブラウザから使えるチャット機能なども使ってみたのですが、無料の範囲だと限界があります。

今なら3,000円で1ヶ月間触れるものもありますし、先述の無料枠なども活用できるので。TwitterやZennで「今イケてるサービスはこれだ!」というサブスクを契約してみるのがいいんでないかと。ただ現代版パケ死にはお気を付けて。

雑多な情報をインプットする

Twitterで流れてくる噂や、Zennのトレンド記事などを片っ端から読むということをしていました。なんとなく便利そうだなとか。こういうことが得意・苦手だとか。治安やセキュリティ面ではどうなんだろうとか。あくまで真偽不明の情報として、ですが。

正しい知識は持ち合わせていないが、最初から公式ドキュメントや技術書を読んでも分かる気がしない。何よりモチベという意味で続かない。全体的なイメージを掴むだけならこっちのが早い。なのでそういう未検収の脳内フォルダに放り込む感じですね。

一度に全てを理解しようとせずに、雰囲気だけつまみ食いするような感じ。もし後で必要そうならブクマなりストックなりしておけば良いのです。

的確な情報を仕入れる

まずここで問題が発生します。どの書籍を読んだらいいか分からない。単にLLM関連の書籍を調べると、LLMを使う人向けではなく、LLMを作る人向けの書籍が出てくる。しかし私はまだそのような境地に達してはいない。

あと常に最新なので図書館に頼れない。下手をすると1冊4,000円とか平気でする、ひょっとしたら消費期限が短い書籍を、そうそう何冊も買ってられない訳です。もっと初心者向きの書籍があるやもしれませんが、『LLMのプロンプトエンジニアリング』を読んで一旦の解決をみます。

https://www.oreilly.co.jp/books/9784814401130/

一応、お魚本も読んでみましたが、私にはまだ早かったような気がします。むしろ数学が分からなくてあれこれ調べていたときに、偶然遭遇したYouTubeのチャンネルがとてもためになったので、こちらをおすすめしたく、リンクを貼っておきます。

https://www.oreilly.co.jp/books/9784873118369/

https://www.youtube.com/@3Blue1BrownJapan

微積分やベクトルの話が出てくるので、それ以前の高校数学で躓いてるよ!って方は、検索すればいくらでも視覚的に掴める動画が出てくるので、まずはその辺漁った方がいいかもです。いい時代になったものです。

ここまできてやっと公式ドキュメントを読みます。特にContext周りの話は押さえておいた方がいいんでないかと思いました。まだ細かいところが理解できてません。

https://docs.anthropic.com/en/docs/build-with-claude/context-windows

環境構築する

雑多な情報を仕入れているときに、AIが破壊の呪文を唱えるというのが話題になりました。他にも機密データへのアクセスなど、人間が仕出かすであろうヤベーことは大抵やらかすよ、というのが通説というか事実だったんですね。

https://x.com/mugisus/status/1940127947962396815

permissionsの設定についても調べたのですが、抜け漏れやセッション中の一時的な許可まで含めると、そこまで自分を信用できなかったので、色々調べて悩んだ末にVagrant+VirtualBoxで隔離環境を作りました。

https://github.com/noranuko13/claudebox

ここまでしてからやっと有料でサブスクを契約して、VM内で初期設定しました。「今貼ってるこの文字列はAPIのじゃないよね?サブスクだよね?」という不安を抱えつつ、何度も確認しつつ。

簡単なサイトを作ってもらってみる

当時の気分ではJetBrains IDEのプラグインが作りたかったのですが、今までの情報収集や学習で得た条件的に以下。

  • 自分が確実に正誤判定できる、難易度低めのもの。
  • LLMが普遍的なデータとして得ることができているもの。

となってくると、簡単な静的サイトを作ってもらうのが手っ取り早そうだと目論みました。

  • 個人事業公式・ポートフォリオ的なサイト。
  • 単価計算サイト(時間単価・週あたりの日数などから月・年単価を計算)。

この2つを作ってもらいました。ここで書くと記事がとんでもない長さになってしまうので、詳細はまた別の機会に書くとして。

思った以上に活用できるな、と思ったのが正直なところです。少なくともただ画面を量産するためだけに呼ばれる人員や、プロトタイプ…いわゆる皮だけを作るような方、あるいは今までコーダーと呼ばれていたような方々は淘汰されていくのではないかと。

プルリクエストのレビューを行えるレベルのITエンジニアだけで仕事が完結しそうなんですよね。ちょっと方向性が違ったらやり直ししてもらえば良いですし、人間よりも早くて余計なしがらみもない上、遥かに安いコストでそれが実現されるのですから。

使い方に関してはまだ迷っている部分も多いので、日々勉強していけたらいいなと考えています。

文章を書くのを手伝ってもらう

ChatGPTには何度か依頼したことがあった作業、Claude Codeではどの程度書けるか試してみました。正直、Claude Codeの方が指示を守ってくれますし、見た目上遜色ない程度には真似してくれるので、SEO記事レベルを量産するならありかもしれません。

個人的に期待するのは、Twitterにつぶやいたことや作文メモをヒアリングして深堀りし、ある程度の文章に落とし込むものですが、その域には至ってないように思います。

この作文メモの質に左右されるというか。あくまで書かれている順番通りに組み立ててしまうようで、見出しや書く順番までこちらで事細かに設計するとなると、もはや自分で書いたほうが早いと。論理的な構造の文章を書けるか、というとLLMの仕組上そもそも無理な気もします。

適切な絵文字を選択してもらったり、深堀りのためのヒアリングをしてもらうなど、間接的に補助してもらうのはありだと思います。

今後どう付き合っていくか

適材適所で随時アサインする

Webアプリを作る人目線で、プロトタイプ作成が非常にいい感じでした。LLMのTemperatureの違いがかえって揺らぎを生むので、何度か同条件で試行を繰り返してもらい、いくつかの案を出してもらうこともできます。

また既に見本となる実装が存在する状態での画面量産、あるいは決まり切った実装になる画面では最初から丸投げでもよいと思いました。書籍にもこの方法は書いてありましたが、見本があれば大抵はその通りにやってもらえるのでありがたいです。

一方で使わないものを実装しがちなところがあります。今回React.jsだったのですが、OSSのUIライブラリ辺りの影響でしょうか。どうにも直ぐに沢山のVariantを作りたがるんですよね。デッドコードや不要な複雑性は避けたいのですが、これ系はどう指示しても上手く改善できず。

なので開発工程の必要なフェーズで、人月で雇えばいいかなという感じでいこうかと。主に要件定義と実装の後半、あとは試験フェーズのバグ修正などでしょうか。AI関連のニュースは都度追って、その時々でまともに動くサービスをサブスクするのが良さそうです。

AIに頼り切らない開発を心がける

今回、タイミングの問題か障害が多かったです。特に529 Overloadedが多く、使いたいときに使えないという状況が何回か発生しました。企業なら業務時間帯は決まっていて融通も効きにくいので、他サービスの利用なども考えていく必要がありそうですね。

529 - overloaded_error: AnthropicのAPIが一時的に過負荷状態です。
エラー - Anthropic

またClaude Codeの性能低下問題が深刻化して、一時的なバージョンダウンが推奨されたり、Codexへの移行が散見された件は記憶に新しいです。経費申請の動きが遅い企業だと対応が難しそうですね。

これらの件を踏まえると、完全に業務の一部を預けるのは時期尚早かなと思います。

任せたら不味いところは自分でやる

共通処理やセキュリティ周りなど、大事なところはまだ任せない方がいいと考えています。実際、セキュリティ的に問題のあるコードを書くことは、LLMを使っている以上あり得る話です。何より自分が分かっていないと、もしものときに動けません。

また画像の出どころやライセンスも気になりました。ポートフォリオの作成にあたり、GitHubやTwitterのアイコンSVGをしれっと持ってきていたのですが、どこから持ってきたか分からないので、公式のガイドラインを見て差し替えたりなどしてました。

作成したサイト自体がパクリでないかも、結局のところ探して確かめる他ないように思いますが。Bootstrapのようにある程度似てくるもの以外は、どう担保したらいいんでしょう。人間でもたまたま類似してしまうことはありますが、これがLLMのときにややこしい問題にならないか。

いずれにせよ最終的な責任を負うのは自分なので、ケツを拭くことができるというのは前提で。自分が理解している作業の一部を委譲した上で、検収ができる程度の能力は持っていないと、安全に取り扱えないということにはなりますか。

おわりに

もしもLLMを使う側の初心者向けにおすすめの良書がありましたら、コメントにて補足いただけますと幸いです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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