分厚い技術書を読もう
「分厚い本 = 難しい」ではない
何らかのトピックについてちょっと知りたい時に分厚い本に手が伸びない気持ちは分かります。
しかし、実は分厚い本というのは必ずしも難しいものではありません。
内容を理解するという観点では、かえって読みやすいことが多いのです。
- 大切なことを繰り返し伝えてくれる
- 話を飛ばさずに順を追って丁寧に説明してくれる
- 具体例や図を交えて理解しやすい形で提供してくれる
同じ内容を少ないページ数で語ろうとすると、どうしても説明を端折る必要が出てきます。その結果「なんで? 話が飛躍してない?」と疑問に思うこともあるでしょう。
紙面の制約が少ない分厚い本であれば、あなたがそれに同意できるかどうかはさておき、変な省略はされないことが比較的期待できます。
説明が冗長だと思ったら飛ばし読みや拾い読みすればいいのです。
深く学ぶためにはボリュームは必要
ページ数の少ない入門的な書籍は、どうしても直接的な「こうすればできます」みたいな情報に偏りがちです。
ですが、Getting StartedやAPIリファレンスは公式サイトでいいし、コードを読めばいい。大抵の問題はそれで解決できるでしょう。それ以外でも断片的な情報はネットに転がっている時代です。
書籍として出版しようとすると時間もかかるし、その間にサンプルコードなんかは動かなくなる可能性も十分にあります。英語書籍の翻訳ともなれば年単位で情報が古くなることもよくあります。
私は現代の書籍には速報性ではなく網羅性や思想、背景となる歴史などの体系的な知識が求められると考えています。
そうした情報をインターネットから仕入れることは不可能ではありませんが、それが体系的に一箇所にまとまっていることはまずありません。
信頼性の高い出版社の書籍というのは、そうした作業を繰り返して作られています。その信頼性と体系化された情報こそが現代における技術書の価値でしょう。
でも、お高いんでしょう?
もしかしたら、これが分厚い本に手が出ない一番の理由かもしれません。
ある程度の厚みのある本だと、だいたい一冊5,000円から9,000円ぐらいでしょうか。確かにちょっとした興味で手を出すにはハードルが高いかもしれません。
経費申請するにしても心理的なハードルはそれなりにあるでしょう。どうすればいいのか…
そこでO'Reilly Online Learningです。素直に契約すると年間で$499、今だと76,000円ぐらいで確かに身構える金額ですが、例年9月と11〜12月にかけて$299になるセールをやっています。Free Trialを申し込んでおけばメールで案内が来るはずです。
今年もやるかは分かりませんが、期待はしていいんじゃないでしょうか。あるいは、ACM会員になってオプションで申し込むという手もあります。
サブスクで読み放題であれば、普段はためらうお値段の書籍を拾い読みしても何の問題もありません。気軽にいろんな本を行ったり来たりしながら知識を得ることが可能です。
洋書がメインですが日本語書籍もたくさんあるし、O'Reilly以外の書籍もたくさん並んでいます。翻訳済みの書籍であれば英語版と日本語版を行き来しながら読むのもおすすめです。そのあたりは以前にこんな記事を書いています。
繰り返しになりますが、体系的な知識を得るためのソースとしての書籍の価値は今も高いし、様々な技術が多岐にわたる今こそその価値は高いと言えるかもしれません。
サブスクに加入しないとしても分厚い書籍は投資効果の高いものだと考えます。尻込みせずに積極的に手にとっていきましょう。
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