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ShopifyでFAQ(よくある質問)を実装する方法を考察

2024/08/17に公開

はじめに

今回は、Shopify で FAQ(よくある質問)を実装する方法について考察していきます。

HTML・CSS で FAQ(よくある質問)を作成する方法や、Liquid を用いて FAQ(よくある質問)を作成する方法について考察していきます。

それでは、頑張っていきましょう。

Shopify でよくある質問(FAQ)を実装する定義

まずは、Shopify でよくある質問(FAQ)を実装する定義についてです。

ShopifyでのFAQ(Frequently Asked Questions、よくある質問)とは、顧客がストアで商品を購入する際に生じる疑問や質問に対して、あらかじめ回答を提供するセクションを指します。FAQセクションは、顧客が抱える一般的な疑問に対する標準的な回答を集約することで、顧客の利便性を高め、購買プロセスを円滑に進めるための重要な要素です。

それでは次に、Shopify でよくある質問(FAQ)を実装するメリット・デメリットについて考えていきましょう。

ShopifyでFAQ(よくある質問)を実装するメリット

まずは、Shopify で FAQ(よくある質問)実装するメリットについてまとめていきます。

メリットが無いと、FAQ(よくある質問)の実装を考察する必要がありませんからね。

ShopifyストアにFAQ(よくある質問)セクションを実装することは、顧客体験の向上や運営効率の改善において多くのメリットをもたらします。FAQは、顧客が抱える疑問や質問に対して、迅速かつ効果的に回答を提供するための重要なツールです。以下に、ShopifyでFAQを実装する主なメリットについて詳しく解説します。

1. 顧客サポートの効率化

FAQセクションを設置することで、顧客がよく抱く質問に対する標準的な回答を事前に提供することができます。これにより、顧客が疑問を解決するためにサポートチームに問い合わせる必要がなくなり、カスタマーサポートの負担を軽減できます。結果として、サポートスタッフはより複雑な問題に集中できるようになり、全体のサポート効率が向上します。

2. 顧客満足度の向上

顧客が疑問や不安を感じた際に、FAQを通じて即座に回答を得ることができれば、顧客満足度が大幅に向上します。FAQは24時間いつでもアクセス可能であり、顧客は自分のペースで問題を解決することができます。このように、FAQは顧客にとってストレスの少ない購買体験を提供するための重要な要素となります。

3. コンバージョン率の向上

FAQセクションは、購買を迷っている顧客が抱える疑問を解決することで、購入決定を促進する役割を果たします。特に、返品ポリシーや支払い方法、配送に関する質問に対する明確な回答は、顧客が安心して購入に進むための重要な要因となります。これにより、ストアのコンバージョン率が向上する可能性があります。

4. サイトのSEO向上

FAQセクションは、SEO(検索エンジン最適化)においてもメリットをもたらします。FAQページには顧客が検索する可能性の高いキーワードが含まれることが多いため、検索エンジンの結果に表示されやすくなります。また、FAQセクションが充実していることで、検索エンジンからの流入が増え、新規顧客の獲得にもつながります。

5. ブランドの信頼性向上

FAQセクションがしっかりと整備されていることで、ストアやブランドに対する信頼感が高まります。顧客は、質問に対して迅速かつ正確に回答が得られると感じることで、そのブランドに対する安心感や信頼感を持つようになります。このように、FAQはブランドのプロフェッショナリズムを示す一つの手段としても機能します。

6. 業務のスケーラビリティ向上

FAQセクションを活用することで、顧客が自己解決できる範囲が広がり、問い合わせ対応にかかるリソースを削減できます。これにより、ストアが成長して顧客数が増加した場合でも、効率的に対応できる体制を整えることが可能です。スケーラビリティを確保することで、成長期のストア運営がスムーズになります。

7. 顧客の教育とエンゲージメントの強化

FAQセクションは、顧客に対して商品やサービスについての知識を提供し、エンゲージメントを強化するための教育ツールとしても機能します。例えば、製品の使用方法やメンテナンスに関する情報をFAQに含めることで、顧客が商品を最大限に活用できるようサポートします。これにより、顧客の満足度が高まり、リピート購入の可能性が高まります。

ここまでで、Shopify で FAQ(よくある質問)を実装するメリットについてまとめました。

次に、Shopify で FAQ(よくある質問)を実装するデメリットについてまとめていきます。

ShopifyでFAQ(よくある質問)を実装するデメリット

それではここから、Shopify で FAQ(よくある質問)を実装するデメリットについて解説していきます。

ShopifyストアにFAQ(よくある質問)セクションを実装することは、顧客体験の向上やサポート業務の効率化に多くのメリットをもたらしますが、同時にいくつかのデメリットや課題も存在します。これらのデメリットを理解し、適切に対策を講じることで、FAQセクションの運用を成功させることが可能です。以下に、ShopifyでFAQを実装する際の主なデメリットについて詳しく解説します。

1. 定期的な更新とメンテナンスの負担

FAQセクションは、顧客の質問や商品情報の変化に応じて定期的に更新する必要があります。新しい製品やサービスが追加されるたびにFAQを更新しなければならず、これを怠ると古い情報が残ったままになり、顧客に誤解を与えるリスクがあります。また、頻繁な更新が必要な場合、管理コストや運用負担が増大する可能性があります。

2. 顧客が必要な情報を見つけられない可能性

FAQセクションが充実しすぎると、情報量が多くなりすぎて顧客が自分に必要な情報を見つけにくくなることがあります。特に、FAQが無秩序に並んでいる場合や、検索機能が不十分な場合、顧客は探している情報にたどり着けず、結果的にサポートへの問い合わせが増加する可能性があります。

3. コンテンツの質が低いと逆効果になる

FAQセクションの内容が不十分であったり、曖昧な回答が多い場合、顧客にとって役立つ情報を提供できず、逆に不満を生む可能性があります。FAQの質が低いと、顧客はストア全体の信頼性に疑問を持ち、他の信頼できるソースを探すか、最悪の場合は他の競合ストアに移ってしまう可能性があります。

4. サポート依存の低下と個別対応の不足

FAQセクションが充実していると、顧客がサポートに問い合わせる機会が減る可能性がありますが、それが逆に問題になることもあります。特に複雑な問題や個別のケースでは、FAQでは対応しきれない場合があり、その結果として顧客が十分なサポートを受けられないと感じることがあります。これにより、個別対応が不足し、顧客体験の質が低下するリスクがあります。

5. SEO上のリスク

FAQセクションはSEOにプラスの効果をもたらすことが多いですが、内容が重複していたり、低品質なコンテンツが含まれていたりすると、逆にSEOの評価を下げるリスクがあります。また、キーワードを過度に詰め込んだり、不自然なコンテンツを作成すると、検索エンジンからの評価が低下し、結果としてオーガニックトラフィックが減少する可能性があります。

6. 顧客対応の一貫性の喪失

FAQセクションが最新でない場合、他のチャネル(例えば、カスタマーサポートやチャットボット)で提供される情報と矛盾が生じることがあります。この一貫性の欠如は、顧客の混乱を招き、信頼感を損なう結果となる可能性があります。特に、複数のサポートチャネルを運用している場合、全ての情報が一致するように管理することが重要です。

7. 一度設定すると変更が難しい場合がある

FAQの構造や内容は、一度設定すると大幅に変更するのが難しい場合があります。特に、FAQセクションが大規模であったり、カスタマイズが多岐にわたる場合、後からの修正や再構築には時間とコストがかかる可能性があります。また、頻繁に変更を加えると、顧客が慣れたインターフェースに混乱を感じるリスクもあります。

それでは次に、Shopify で FAQ(よくある質問)を実装する方法について考察していきます。

Shopify で FAQ(よくある質問)を実装する方法

それでは、Shopify で FAQ(よくある質問)を実装する方法について考察していきましょう。

以下の HTML・CSS のコードになります。

<div class='faq-accordion-border'>
  <input class='faq-input' type='checkbox' id='faq-example-id'>
  <label for='faq-example-id' class='label-for-faq'>
    <div class='question-container'>
      <p class='question-style'><span>Q.&nbsp;</span>What is your return policy?</p>

      <div class='icon-container'>
        <svg
          class='faq-icon-rotate-45 icon-custom'
          width='24'
          height='24'
          viewBox='0 0 24 24'
          fill='none'
          xmlns='http://www.w3.org/2000/svg'
        >
          <path
            d="M12 4C11.4477 4 11 4.44772 11 5V11H5C4.44772 11 4 11.4477 4 12C4 12.5523 4.44772 13 5 13H11V19C11 19.5523 11.4477 20 12 20C12.5523 20 13 19.5523 13 19V13H19C19.5523 13 20 12.5523 20 12C20 11.4477 19.5523 11 19 11H13V5C13 4.44772 12.5523 4 12 4Z"
            fill="#000000"
          />
        </svg>
      </div>
    </div>
  </label>
  <div class='answer-container'>
    <p class='answer-style'><span>A.&nbsp;</span>We accept returns within 30 days of purchase.</p>
  </div>
</div>

<style>
  /* input 要素 */
  .faq-input {
    display: none !important;
  }

  /* アイコンの回転処理 */
  .faq-input:checked ~ label div svg.faq-icon-rotate-45 {
    transform: rotate(45deg);
  }
  .faq-input:checked ~ label div svg.faq-icon-rotateX-180 {
    transform: rotateX(180deg);
  }
  .faq-input:checked ~ label div svg.faq-icon-rotate-180 {
    transform: rotate(-180deg);
  }
  .plus {
    opacity: 100;
    position: absolute;
  }
  .faq-input:checked ~ label div svg.plus {
    opacity: 0;
  }
  .minus {
    opacity: 0;
    position: absolute;
  }
  .faq-input:checked ~ label div svg.minus {
    opacity: 100;
  }
  .faq-input:checked ~ div p {
    max-height: 100vh;
    padding-bottom: 16px;
    padding-top: 16px;
    opacity: 100%;
    overflow: auto;
  }
  /* ここまでアイコンの回転処理 */

  /* ボーダー ON / OFF */
  .faq-accordion-border {
    border-bottom: 1px solid #888888;
  }

  /* Question */
  .label-for-faq {
    position: relative;
    display: block;
    width: 100%;
    cursor: pointer;
    background-color: #ffffff;
    padding-top: 8px;
    padding-bottom: 8px;
    padding-left: 10px;
    padding-right: 10px;
  }

  /* Question Text + アイコンのコンテナ */
  .question-container {
    display: flex;
    align-items: center;
  }

  /* アイコンのコンテナ */
  .icon-container {
    position: absolute;
    width: 24px;
    height: 24px;
    right: 10px;
  }

  /* アイコンに使用する */
  .icon-custom {
    transform: translate(0, 0);
    transition: all 0.3s linear;
  }

  /* 質問文スタイル */
  .question-style {
    padding-right: 30px;
    display: flex;
    font-size: 16px;
    font-weight: 700;
    color: #000000;
    line-height: 1.5;
    letter-spacing: 0.1em;
  }

  @media (max-width: 768px) {
    .question-style {
      font-size: 16px;
    }
  }

  /* 回答 */
  .answer-container {
    margin: 0;
    padding: 0;
    overflow: hidden;
    background-color: #ffffff;
  }

  /* 回答文のスタイル */
  .answer-style {
    display: flex;
    max-height: 0;
    margin: 0;
    opacity: 0;
    overflow: hidden;
    transition: all 300ms linear;
    font-size: 16px;
    font-weight: 700;
    color: #000000;
    line-height: 1.5;
    letter-spacing: 0.1em;
    padding-right: 1rem;
    padding-left: 10px;
    padding-right: 10px;
  }

  @media (max-width: 768px) {
    .answer-style {
      font-size: 16px;
    }
  }
</style>

上記で、FAQ(よくある質問)のアコーディオンを実装することができます。

以下の画像のようになりました。

それでは、上記のアコーディオンのコードについて細かく解説していきます。

アコーディオンのコードについての解説

まず、アコーディオン形式のFAQを構成するHTMLとCSSの全体像を確認しましょう。この構造には、FAQの質問と回答を隠したり表示したりする機能が含まれています。

HTML構造の解説

まずは、HTML の構造の解説からです。

<div class='faq-accordion-border'>
  <input class='faq-input' type='checkbox' id='faq-example-id'>
  <label for='faq-example-id' class='label-for-faq'>
    <div class='question-container'>
      <p class='question-style'><span>Q.&nbsp;</span>What is your return policy?</p>

      <div class='icon-container'>
        <svg
          class='faq-icon-rotate-45 icon-custom'
          width='24'
          height='24'
          viewBox='0 0 24 24'
          fill='none'
          xmlns='http://www.w3.org/2000/svg'
        >
          <path
            d="M12 4C11.4477 4 11 4.44772 11 5V11H5C4.44772 11 4 11.4477 4 12C4 12.5523 4.44772 13 5 13H11V19C11 19.5523 11.4477 20 12 20C12.5523 20 13 19.5523 13 19V13H19C19.5523 13 20 12.5523 20 12C20 11.4477 19.5523 11 19 11H13V5C13 4.44772 12.5523 4 12 4Z"
            fill="#000000"
          />
        </svg>
      </div>
    </div>
  </label>
  <div class='answer-container'>
    <p class='answer-style'><span>A.&nbsp;</span>We accept returns within 30 days of purchase.</p>
  </div>
</div>

.faq-accordion-border: FAQの各項目を囲むコンテナです。border-bottomを使用して、項目同士を視覚的に分けるためのボーダーが追加されています。

.faq-input: type="checkbox" の隠し要素です。チェックボックスの状態に応じてFAQの質問が展開・折りたたまれます。id属性とlabelのfor属性を関連付けることで、クリック時にこのチェックボックスがトグルされます。

.label-for-faq: label タグは、inputと関連付けられており、クリックすることでチェックボックスをトグルします。これにより、質問部分をクリックすると対応する回答が表示されます。

.question-container: 質問テキストとアイコンを一緒に表示するためのコンテナです。display: flex; を使用して要素を横並びに配置します。

.question-style: 質問テキストのスタイルを設定します。Q.というプレフィックスを使い、質問であることを強調します。

これで、アコーディオンのコードの HTML 要素構造の解説は終了です。

次に、特徴的な CSS 要素について解説していきます。

特徴的な CSS 要素の解説

それでは、特徴的な CSS 要素の解説を行っていきます。

以下が隠しチェックボックスに対する CSS です。

.faq-input {
  display: none !important;
}

このクラスは、隠しチェックボックス(input要素)に適用されます。display: none !important; を指定することで、チェックボックスが画面に表示されないようにしていますが、実際の機能としてはlabelタグを介してチェックボックスがクリックされ、FAQの質問が展開・折りたたみされる仕組みです。

この隠しチェックボックスを作成することで、アコーディオンがクリックされたかどうかを DOM 要素で管理することができます。

以下が、アイコンの回転処理の CSS です。

.faq-input:checked ~ label div svg.faq-icon-rotate-45 {
  transform: rotate(45deg);
}
.faq-input:checked ~ label div svg.faq-icon-rotateX-180 {
  transform: rotateX(180deg);
}
.faq-input:checked ~ label div svg.faq-icon-rotate-180 {
  transform: rotate(-180deg);
}

これらのスタイルは、チェックボックスがチェックされたとき(つまり質問が展開されたとき)にアイコンを回転させるアニメーションを実現します。具体的には、45度、X軸に対して180度、もしくは-180度の回転が適用されます。この効果により、ユーザーが質問をクリックした際にアイコンが視覚的に変化し、展開されたことを示します。

以下のように、アイコンが回転しています。

以下が、FAQ(よくある質問)のマイナスとプラスの切り替えに利用される部分です。

.plus {
  opacity: 100;
  position: absolute;
}
.faq-input:checked ~ label div svg.plus {
  opacity: 0;
}
.minus {
  opacity: 0;
  position: absolute;
}
.faq-input:checked ~ label div svg.minus {
  opacity: 100;
}

このクラスは、FAQ項目の下部にボーダーを追加するために使用されます。border-bottom を指定することで、各質問が視覚的に区切られ、すっきりとしたデザインになります。ボーダーの色や太さは、ストアのデザインに合わせて調整可能です。

ここまでで、特徴的な CSS 要素の解説は終了です。

後は、先ほどの HTML・CSS を Liquid に書き直して、What is your return policy?We accept returns within 30 days of purchase.の部分を Liquid のスキーマから取得する形にすれば、FAQ(よくある質問)の作成は完了です。

しかし、非エンジニアの方には難しいかと思いますので、念のため Shopify アプリを使って FAQ(よくある質問)を実装する方法を紹介していきます。

Shopify アプリを使って FAQ(よくある質問)を実装する方法

それでは、Shopify アプリを使って FAQ(よくある質問)を実装する方法を紹介していきます。

今回紹介するのは、シンプル Q&A|どこでも FAQというアプリです。

以下の記事を参考にしています。

https://unreact.jp/blog/shopify-app-faq

https://zenn.dev/natsume_katu/articles/9ca165b59dc901

https://qiita.com/eijiSaito/items/fa4d6484740106f1ab93

https://unblog.unreact.jp/blog/bhk-t9zl1x5

https://unreact.jp/blog/shopify-faq-app

https://unreact.jp/shopify-apps/sa-021-ur-faq-app/guide

以下が、Shopify 公式のアプリストアです。

https://apps.shopify.com/sa-021-ur-faq-app?locale=ja

それでは、こちらのアプリについて紹介していきます。

シンプル Q&A|どこでも FAQ の機能について

シンプル Q&A|どこでも FAQは、Shopify ストアに FAQ(よくある質問)を挿入できるアプリです。

先ほどコーディングで実装したようなアコーディオン形式の FAQ(よくある質問)をShopifyストアに追加できます。

トップページ、コレクションページ、お問い合わせページ等、Shopifyストアのどこにでも FAQ(
よくある質問)を追加できます。

こちらは、恐らく Shopify の App block を用いて実装されています。

Shopify の App block については、以下のドキュメントを参照してください。

https://shopify.dev/docs/storefronts/themes/architecture/blocks/app-blocks

また、ノーコードで見た目を細かくカスタマイズできます。

安価で使いやすいFAQ(よくある質問)アプリなので、コーディングで実装するのが難しい場合には、選択肢の一つに入ってくるかと思います。

https://apps.shopify.com/sa-021-ur-faq-app?locale=ja

最後に

今回は、コーディングで FAQ(よくある質問)を実装する方法と、Shopify アプリを用いて FAQ(よくある質問)を実装する方法の二つを解説しました。

お疲れさまでした。

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