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Peripleoを試す

2024/12/13に公開

概要

「Peripleo」を使う方法を調べましたので、備忘録です。「Peripleo」は以下のように説明されています。

Peripleo is a browser-based tool for the mapping of things related to place.

https://github.com/britishlibrary/peripleo

今回は以下の記事で紹介した「れきちず」と組み合わせて、使用する方法について紹介します。

https://zenn.dev/nakamura196/articles/f64c9a0b3dc608

成果物

以下のURLでお試しいただけます。

https://nakamura196.github.io/peripleo/

リポジトリは以下です。

https://github.com/nakamura196/peripleo

本ブログでは、以下の『東京帝國大學本部構内及農學部建物鳥瞰圖』(東京大学農学生命科学図書館所蔵)をサンプルデータとして使用します。

https://iiif.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/repo/s/agriculture/document/187cc82d-11e6-9912-9dd4-b4cca9b10970

背景

以下の会議に参加し、「Peripleo」について教えていただきました。「Peripleo」を開発してくださっている関係者の皆様、会議を開催してくださった皆様、また使用方法を教えてくださったGethin Rees氏に感謝いたします。

http://codh.rois.ac.jp/conference/linked-pasts-10/

基本的な使い方

以下に記載があります。

https://github.com/britishlibrary/peripleo?tab=readme-ov-file#installation-guide

今回は、『東京帝國大學本部構内及農學部建物鳥瞰圖』のデータを利用するにあたり、カスタマイズした点について紹介します。

データの準備

以下のようなスプレッドシートを用意します。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1ZZJZL0K4cBOc0EgMHNV9NQ56C_fcZm0eceBg_OPmxe4/edit?usp=sharing

灰色のセルは不要な列です。

データの準備ができたら、CSV形式でダウンロードします。

JSON形式への変換

Locolligoというツールを用いて、CSVのデータをJSON形式のデータに変換します。

https://github.com/docuracy/Locolligo

まず、以下にアクセスします。

https://docuracy.github.io/Locolligo/

CSVファイルをアップロード後、「Assign CSV Columns」を押すと、以下が表示されます。

予約語をCSVのヘッダーに使用しておくと、手動でマッピングする必要がないようでした。うまくマッピングされなかった場合には、手動で設定します。

なお、予約語は以下で確認できました。

https://github.com/docuracy/Locolligo/blob/main/js/data-converter.js

js/data-converter.js
function assign(){
	$('#assign').removeClass('throb');
	var assignmentOptions = [
		['(ignore)'],
		['@id','identifier|uuid|id|@id'],
		['properties.title','title|name|label'],
		['properties.%%%'],
		['geometry.coordinates','coordinates|coords|OSGB'],
		['geometry.coordinates[0]','longitude|long|lng|easting|westing|X'],
		['geometry.coordinates[1]','latitude|lat|northing|southing|Y'],
		['names[0].toponym','toponym'],
		['links[0].type'],
		['links[0].identifier'],
		['depictions[0].@id'],
		['depictions[0].title'],
		['descriptions[0].@id'],
		['descriptions[0].value'],
		['types[0].identifier'],
		['types[0].label'],
		['{custom}']
	];

結果をダウンロードすると、featuresに以下のようなアイテムが格納されたデータを取得できます。

{
            "@id": "https://uv-v4.netlify.app/#?manifest=https://nakamura196.github.io/portal_pro/usage/agriculture/manifest.json&xywh=11126.0%2C8124.0%2C1000%2C1000",
            "type": "Feature",
            "properties": {
                "title": "医学部 第二号館"
            },
            "geometry": {
                "type": "Point",
                "coordinates": [
                    139.7622949,
                    35.7109037
                ]
            },
            "depictions": [
                {
                    "@id": "https://iiif.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/iiif/2/agriculture_re%2Fnou_tatemonochokanzu%2F0002.tif/11126.0,8124.0,1000,1000/600,/0/default.jpg",
                    "title": "東京大学農学生命科学研究科・農学部 / Graduate School of Agricultural and Life Sciences/Faculty of Agriculture, The University of Tokyo"
                }
            ],
            "types": [
                {
                    "label": "医学部"
                }
            ],
            "links": [
                {
                    "identifier": "https://en.wikipedia.org/wiki/Graduate_School_of_Medicine_and_Faculty_of_Medicine,_University_of_Tokyo"
                }
            ]
        },

ビューアの起動

git clone https://github.com/britishlibrary/peripleo.git
cd peripleo
python -m http.server

そして、以下にアクセスすると、デフォルトの表示内容を確認できます。

http://localhost:8000/docs/

ローカルで実行される場合で、gitpython -m http.serverがうまく動かなかった場合は、インターネット上にある他の記事などを参考にしてください。

ビューアの設定変更

データの更新

まず、先ほどダウンロードしたJSONの内容をコピーして、以下のファイルを上書きします。

docs/data/VisitPlus-UK.lp.json

ブラウザをリロードの上、東京のほうに移動すると、以下のように、独自のデータが表示されていることを確認できます。

設定の更新

ビューアの設定は以下にあります。

docs/peripleo.config.json

以下のように変更します。

{
  "initial_bounds": [
    139.7573,
    35.7076,
    139.7673,
    35.7176
  ],
  "map_style": "https://mierune.github.io/rekichizu-style/styles/street/style.json",
  "data": [
    {
      "name": "東京帝國大學本部構内及農學部建物鳥瞰圖",
      "format": "LINKED_PLACES",
      "src": "./data/VisitPlus-UK.lp.json",
      "attribution": "東京大学農学生命科学研究科・農学部 / Graduate School of Agricultural and Life Sciences/Faculty of Agriculture, The University of Tokyo"
    }
  ],
...
}

まず、initial_boundsを東京大学周辺に変更します。

また、map_styleを「れきちず」に変更します。

さらに、attributionも変更します。

この結果、以下のように、「れきちず」上に独自データが表示されます。

機能紹介

depictions[0].@idを設定したことにより、サムネイル画像が表示されます。リンク先は、identifierに設定した値が使用されます。

拡大表示すると、depictions[0].titleに設定した文字列が表示されます。

また、links[0].identifierに設定したdbpediaへのリンクに基づき、Related Web Resourcesが表示されます。

さらに、types[0].labelの値に基づき、絞り込み検索が可能です。

まとめ

不正確・不十分な説明もあるかもしれませんが、参考になりましたら幸いです。

Linked Places Format (LPF) に準拠することで、このようなアプリが使えるようになり、大変便利だと思いました。

https://github.com/LinkedPasts/linked-places-format/blob/master/README.md

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