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Azureの各種Diskの整理と性能を測ってみた

2024/03/08に公開

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24年3月末にStandard SSDのスループットが100MB/sに引き上げられました。
最新の測定結果はこちらのページを確認してください。
以下は、前回の情報をそのまま残しています。

Premium SSD v2の登場

23年の7月にPremium SSD v2が東日本リージョンでもGAされました。
使えるDsikサービスの種類が増えてきたため、情報を整理しつつ、実際に性能を測ってみたいと思います。

Diskサービスの整理

まずは、各種Diskサービスの情報を整理します。

Standard HDD と Standard SSDの比較

Standard HDD Standard SSD
ディスクサイズ(GiB) 128 128
最大IOPS 500 500
最大IOPS(バースト) - 600
最大スループット(MB/s) 60 60
最大スループット(バースト)(MB/s) - 150
料金 $5.89(※1) $9.6(※1)

※1 別途トランザクション数による料金が発生

Standard HDD、Standard SSDの差は、バーストが使えるかどうか、という点です。
Standard SSDは、追加料金なしの「クレジットベースのバースト」のみ使用できます。
なお、クレジットベースのバーストは最大30分利用できます。
バーストの部分がどの程度差が出るかが気になるところです。

Premium SSD と Premium SSD v2の比較

Premium SSD Premium SSD v2 Premium SSD v2
ディスクサイズ(GiB) 128 128 128
最大IOPS 3,500(バースト) 3,000 3,500
最大スループット(MB/s) 170(バースト) 125 170
料金 $22.67 $12.33 $17.42

まず、Premium SSD v2はバーストはありませんが、3,000IOPS、125MB/sまでは追加料金なし(ディスク分の料金のみ)で利用できます。
この条件に近いPremium SSDは128GBでバーストした3,500IOPS、170MB/sになりますが、少し高くなります。
また、Premium SSD v2は細かくIOPS等を設定できるため、Premium SSD のバーストと同じ数値で試算してみましたが、Premium SSD v2の方が安くなります。

Premium SSD Premium SSD v2
ディスクサイズ(GiB) 32,767 32,767
最大IOPS 20,000 20,000
最大スループット(MB/s) 900 900
料金 $4,145.37 $3,294.05

続いて、Premium SSD の最大値と、同じ条件のPremium SSD v2の比較結果です。
こちらも、v2の方が圧倒的にコスパが良いことが分かります。

後継のサービスということもあって、基本的にはPremium SSD v2の方がコスパは良さそうです。
ただし、OSディスクとしては使用できない等、まだいろいろな制限があるため、そこが注意点になりそうです。(いずれアップデートで解消されていくのではと思いますが)

Premium SSD v2 と Ultra Diskの比較

Premium SSD v2 Ultra Disk
ディスクサイズ(GiB) 65,536 65,536
最大IOPS 80,000 80,000
最大スループット(MB/s) 1,200 1,200
料金 $6,816.52 $17,645.24

最後に、Premium SSD v2と、同じ条件のUltra Diskの比較結果です。
圧倒的にPremium SSD v2の方が安くなりました。
ただし、Premium SSD v2の方は上記の表が最大値ですが、Ultra DiskはまだまだIOPS、スループットを上げることができます。
80,000IOPS、スループット1,200MB/s以下でよければPremium SSD v2、それ以上必要な場合はUltra Diskを選択するとよさそうです。

性能比較

それでは、実際に測定して性能を確かめてみたいと思います。

測定条件は以下の通りです。

  • VM:Windows10 / D2s_v5(2core/8GiB)
  • OS Disk: Premium SSD
  • 測定対象のディスクをデータディスクとしてマウント(ホストキャッシュなし)
    • ディスクサイズはすべて128GiB
    • Premium SSD v2とUltra Diskは3000IOPS、125MB/sでプロビジョニング
  • 測定ツール:CrystalDiskMark 8.0.5
    • プロファイル:ピーク
    • カウント:5
    • サイズ:1 GiB
      ※ドライブレターがバラバラなのは順次付け外ししながら測定したためです。

測定結果

まずは、Standard HDDとStandard SSDの測定結果です。
この2つはバーストを除くとIOPS、スループットは同じです。
(作成してすぐ測定したのでバーストありの結果です)
Standard HDDは500IOPS、60MB/sが上限ですが、(測定条件などによる差はあると思うものの)それ以上の性能が出ています。
一方、Standard SSDはバーストを使用すると、600IOPS、150MB/sが最大のはずですが、
IOPSは600近い数字が出ているものの、スループットは最大まで出ていません。
バーストの効果が無いわけではありませんが、意外と差が出なかったという印象です。

続いて、Premium SSD、Premium SSD v2、Ultra Diskの測定結果です。
Premium SSDはバーストすると、3500IOPS、170MB/sが最大です。
少し上回っていますが、おおむねスペック通りの数値が出ています。
また、Premium SSD v2とUltra Diskについても、こちらも少し上回っていますが設定した3000IOPS、125MB/sというスペック通りの数値が出ていると言えそうです。

まとめ

各種ディスクサービスのカタログスペックでの比較と、実際にCrystalDiskMarkで性能測定してみました。
どのサービスも基本的にはカタログスペック値通りの性能が出ると考えてよさそうです。

今回新しく使えるようになったPremium SSD v2は、ディスクサイズやIOPS等を細かく設定できる一方でとてもコスパが良いサービスです。
上述したようにOSディスクで使えない等の制限があるため、すべてコレというわけにはいきませんが、追加のデータディスクが必要なケースでは積極的に使っていきたいサービスと言えそうです。

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