Azureの各種Diskの整理と性能を測ってみた(2024年4月版)
Standard SSDのスループット改善
24年3月末にStandard SSDの最大スループットが100MB/sに引き上げられました。
バーストの値は変わっていませんが、改めて測定してみたいと思います。
Diskサービスの整理
まずは、各種Diskサービスの情報を整理します。
Standard HDD と Standard SSDの比較
Standard HDD | Standard SSD | |
---|---|---|
ディスクサイズ(GiB) | 128 | 128 |
最大IOPS | 500 | 500 |
最大IOPS(バースト) | - | 600 |
最大スループット(MB/s) | 60 | 100(New!) |
最大スループット(バースト)(MB/s) | - | 150 |
料金 | $5.89(※1) | $9.6(※1) |
※1 別途トランザクション数による料金が発生
Standard SSDのスループットが100MB/sに引き上げられたことで、
Standard HDDとの差が明確になったと思います。
前回測定時はStandard SSDの結果があまり振るわなかったのですが、
どこまで改善されたか期待したいところです。
Premium SSD と Premium SSD v2の比較
Premium SSD | Premium SSD v2 | Premium SSD v2 | |
---|---|---|---|
ディスクサイズ(GiB) | 128 | 128 | 128 |
最大IOPS | 3,500(バースト) | 3,000 | 3,500 |
最大スループット(MB/s) | 170(バースト) | 125 | 170 |
料金 | $22.67 | $12.33 | $17.42 |
まず、Premium SSD v2はバーストはありませんが、3,000IOPS、125MB/sまでは追加料金なし(ディスク分の料金のみ)で利用できます。
この条件に近いPremium SSDは128GBでバーストした3,500IOPS、170MB/sになりますが、少し高くなります。
また、Premium SSD v2は細かくIOPS等を設定できるため、Premium SSD のバーストと同じ数値で試算してみましたが、Premium SSD v2の方が安くなります。
Premium SSD | Premium SSD v2 | |
---|---|---|
ディスクサイズ(GiB) | 32,767 | 32,767 |
最大IOPS | 20,000 | 20,000 |
最大スループット(MB/s) | 900 | 900 |
料金 | $4,145.37 | $3,294.05 |
続いて、Premium SSD の最大値と、同じ条件のPremium SSD v2の比較結果です。
こちらも、v2の方が圧倒的にコスパが良いことが分かります。
後継のサービスということもあって、基本的にはPremium SSD v2の方がコスパは良さそうです。
ただし、OSディスクとしては使用できない等、まだいろいろな制限があるため、そこが注意点になりそうです。(いずれアップデートで解消されていくのではと思いますが)
Premium SSD v2 と Ultra Diskの比較
Premium SSD v2 | Ultra Disk | |
---|---|---|
ディスクサイズ(GiB) | 65,536 | 65,536 |
最大IOPS | 80,000 | 80,000 |
最大スループット(MB/s) | 1,200 | 1,200 |
料金 | $6,816.52 | $17,645.24 |
最後に、Premium SSD v2と、同じ条件のUltra Diskの比較結果です。
圧倒的にPremium SSD v2の方が安くなりました。
ただし、Premium SSD v2の方は上記の表が最大値ですが、Ultra DiskはまだまだIOPS、スループットを上げることができます。
80,000IOPS、スループット1,200MB/s以下でよければPremium SSD v2、それ以上必要な場合はUltra Diskを選択するとよさそうです。
性能比較
それでは、実際に測定して性能を確かめてみたいと思います。
測定条件は前回同様、以下の通りです。
- VM:Windows10 / D2s_v5(2core/8GiB)
- OS Disk: Premium SSD
- 測定対象のディスクをデータディスクとしてマウント(ホストキャッシュなし)
- ディスクサイズはすべて128GiB
- Premium SSD v2とUltra Diskは3000IOPS、125MB/sでプロビジョニング
- 測定ツール:CrystalDiskMark 8.0.5
- プロファイル:ピーク
- カウント:5
- サイズ:1 GiB
測定結果
まずは、Standard HDDとStandard SSDの測定結果です。
前回はStandard SSDのスループットがあまり出なかったのですが、
今回は公表値通りの結果になりました。
バーストなしの結果を測定するのが難しいため、スループットが100MB/sになっていることを
確認するのが難しいのですが、改善されていそうです。
続いて、Premium SSD、Premium SSD v2、Ultra Diskの測定結果です。
(あたりまえではありますが、こちらは特に変化なしという結果です)
まとめ
Standard SSDの最大スループットが100MB/sに引き上げられたことを受けて
各ディスクの性能を再測定してみました。
Standard SSDは前回より良い結果が出ているので確かに改善されていそうです。
バーストした状態の結果なので、公表値通りの結果になったとも言えますが。
バーストを使い切った状態の測定をしてみたいところですが、
CrystalDiskMarkで30分以上、継続して負荷をかけたりしているのですが、
結果が変わらずうまく測定できません。
バーストに関するメトリックは以下に詳細があります。
このあたりの数値を見ると、確かにバーストが使われていることは分かるのですが、
クレジットを使い切る状態までたどり着けません。
時間の都合で負荷をかける時間が足りていないのかもしれませんが、
継続してバーストを使い切った状態の測定にチャレンジしたいと思います。
(どなたか良い方法ご存じならコメントお願いします)
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