「見習いパターン(Apprenticeship Patterns)①」【オライリーサブスク本紹介】
始めに
本記事では、「Apprenticeship Patterns(見習いパターン)」という本を紹介します。この本はソフトウェアクラフトマンシップと学習に関する本で、アジャイルソフトウェア宣言から派生したものです。
- 【お勧め度(5段階)】⭐⭐⭐⭐☆
「Apprenticeship Patterns」
まとめスクラップ(中途)
ソフトウェアクラフトマンシップの概要
ソフトウェアクラフトマンシップは、アジャイルソフトウェア開発宣言で右側にある価値観をさらに左側に持ってきて、それよりも重要な価値観を右側に挙げたものです。ソフトウェアエンジニアとしてさらなる高みを目指すために、プロとして大事にすべき価値観を提案しています。
見習いパターンとは
見習いパターンという本は、ソフトウェアクラフトマンシップについて知ることができる貴重な本です。本書は、ソフトウェアエンジニアがスキルを上げるにあたって必要となるプラクティス一個一個に対してパターンとして紹介しています。ここでのパターンとはGoFのデザインパターンやマーティン・ファウラーのリファクタリング本のようなプラクティスを決まったフォーマットにまとめるパターンのことです。
本書の対象者
本書のターゲットは、駆け出しエンジニアや初級者を中心としていますが、成長に悩みを抱える中級エンジニアも対象となります。本書ではエンジニアを成長段階に分けて三種類に定義し、中世のギルド的な世界観を用いて表現しています。
エンジニアの成長段階
本書では、エンジニアの成長段階を3つに分けて定義しています。それぞれの段階は、中世のギルド制度を参考にして表現されています。
見習い(Apprentice):初級者や駆け出しエンジニア。基本的なスキルを学び、経験を積む段階です。
職人(Journeyman):中級者。一定レベルのスキルと経験を持ち、ほかのプロジェクトやチームで働くことができます。
名匠(マスタ):高度なスキルと豊富な経験をもつエンジニア。新しい技術やアプローチを開拓し、次世代のエンジニアを育ている役割を担います。
エンジニアの成長段階:見習い職人
見習い職人は駆け出しエンジニアであり、ペアプログラミングや特定の開発コミュニティに属して、技術を磨いていく段階です。学習の「守・破・離」においては「守」の部分にあたります。見習い職人は、指導を受け、教えられたことを実践することで技術を向上させていきます。
エンジニアの成長段階:旅人(ジャーニーマン)
中級エンジニアである旅人は、さまざまなマスタの元を訪ねて技術の幅と深さを高めていくフェーズです。旅人とマスタの違いは、旅人がまだ「看板技術」を持っていない点にあります。「この人と言ったらこの技術」というような、特定の技術があるかないかが、旅人とマスタの大きな違いとなります。
エンジニアの成長段階:マスタ
マスタは、特定の業界をリードする「つよつよエンジニア」であり、すべてのエンジニアが到達できるレベルではありません。マスタは、特定の技術において高いスキルを持ち、次世代のエンジニアを育ている役割を担っています。
まとめ
エンジニアの成長段階は、見習い職人、旅人(ジャーニーマン)、マスタという3つに分かれます。それぞれの段階には独自の役割と目標があり、エンジニアは自身の成長に応じて段階を移行しながらスキルを向上させていきます。今回は、それぞれの段階について説明しましたが、次回はさらに詳細に紹介したいと思います。本日は以上です。
本記事の元となる動画
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