英語が苦手なエンジニアが1年間本気で英語学習をした結果と学んだこと
最初にまとめ
- 私の職場では特にエンジニア組織のグローバル化が進んでいます
- 私はそんな中、英語がほぼ話せない状態(CEFRレベル:A2)から入社し、1年間社会人として頑張れる範囲で英語学習を続けてきました
- 大体一日2~4時間程度の学習時間 + 業務中の英語コミュニケーション の成果です
- まだ小さな家族がおり、この程度の時間の確保が限界でした
- 現在は「自分が興味のある社会情勢について、ある程度スムーズなプレゼンテーションができる」とされる(CEFR: B1+〜B2レベル)まで成長し、業務での英語コミュニケーションもある程度できるようになりました
- これから同じように弊社に入社していただける方だけでなく、進捗が見えにくく、挫折してしまいそうな方にとって少しでも参考になればと思いこの記事を書きました
CEFRスコアについて
私は英語学習をするにあたり、CEFRスコアと呼ばれる国際的な基準を目安にしています。
「中級者」などの言葉では少し曖昧ですし、私の場合現時点で英語を話す必要性がかなり高いので、TOEICなどの資格試験の得点を目安にするより、CEFRスコアの方が英語を適切に運用する能力を表現できると考えたからです。
大まかに以下のようなレベル感です:
レベル | できること | 業務での活用例 |
---|---|---|
A1 | 基本的な挨拶・自己紹介 | 簡単な挨拶程度 |
A2 | 日常的な話題の簡単な会話 | 定型的なメールのやり取り |
B1 | 身近な話題について意見を述べる | 会議での簡単な発言・報告 |
B2 | 複雑な話題も理解し、流暢に議論 | プレゼンテーション・交渉 |
C1 | 幅広い話題で自然なコミュニケーション | リーダーシップを発揮した議論 |
C2 | ネイティブレベル | あらゆる場面で自在に活用 |
今回受験した各種試験では、CEFRスコアを算出できるのですが、それらの値と実感値についてお話しします。
1年間の学習成果
各種試験スコア一覧
試験 | 1年前 | 現在 | 詳細リンク |
---|---|---|---|
TOEIC L&R | 675点 | 845点 | - |
TOEIC S&W | - | S: 130点, W: 150点 | - |
VERSANT | - | 57点 | 詳細 |
Duolingo English Test | - | 105点 | 詳細 |
PROGOS | A2 | 平均: B1 High, 最高: B2 High and above | - |
CEFRレベル比較表
各試験の結果をCEFRレベルで整理すると以下のようになります:
スキル | TOEIC L&R + S&W | Duolingo English Test | VERSANT | 実感値 |
---|---|---|---|---|
リーディング | B2 (405点) | B2 (110) | 測定なし | B2 |
リスニング | B2 (440点) | B2 (100) | B1+ (56点) | B1+~B2 |
ライティング | B2 (150点) | B2 (110) | 測定なし | B2 |
スピーキング | B1 (130点) | B1 (95) | B1+ (57点) | B1+~B2 |
これらスコアは全体的に私の実感値と非常によくマッチしています。
まずリーディング・ライティングについては、日常生活や職務上よく知っているような単語などであればあまりストレスなく読み書きできるようになってきています。とはいえ、疲れている時にはDeepLを使うこともあります。嫌にならないことは大事ですから。
リスニングについて現実ではTOEIC試験のように話してくれるわけではありませんが、自分に馴染みのあるトピックで話される早めの英語や、馴染みがなくてもゆっくり目の英語であれば、大きく内容を外さずに理解できるようになってきています。
私が尊敬している関正生さんが著書世界一わかりやすい 英語の勉強法にて、以下のように述べられています。
ある人の「理解する英語力(読める英語)」を「100」だとすると、実際に「書ける英語」は「10」、「話せる英語」は「5」というのがボクの考えです
私の場合スピーキング能力がB1 ~ B2 レベルとぶれているのはまさに「自分が考えたことのある概念」や「馴染みのあるトピック」が出題されると話せる時があるからです。
結論「どの試験も私の英語力をすごく正確に表現していると思う」ということになり、自分の目的とスタイルに合った試験を選択して、それを継続的に受験することで、自分の実力の可視化がしやすくなるのではないかと感じました。
1年間の学習の振り返り
ここからは1年間の学習を振り返り、どのような学習を行い、どのような成果があったのかを時系列でお話しします。
なお、学習時間は特に最初の半年は毎日3~4時間程度、後半は毎日1~2時間程度の学習時間を確保していました。
本格学習開始期(PROGOS: A2 ~ B1)
期間: 2024年7月 ~ 2024年11月ごろまで
成果: TOEIC(L&R) 675点 -> 795点
この時期については、別途記事を記載しているのでこちらをご覧ください。
この時点で中学レベルの英文法を復習しており、TOEICで頻出の単語を頭に入れ、持ち前の試験慣れを活かして675点を取得している状態でした。当然最初は全く英語が話せませんでした。
今ではにこやかに冗談を言える同期入社のメンバーから「Why did you join Money Forward?」と聞かれ、全然うまく答えられなかったことが記憶に新しいです。
学習内容
以下のような学習を順次行いました:
1. 中学レベルの英文法を言葉で運用できるようにする
- NOBU式トレーニング コンプリートコース 話すための中学英語[新版]
- 瞬間英作文の練習として何十周実施
- 通勤中も音声を聞きながら瞬間英作文を練習
2. 日常会話 + 大学受験の英単語を見てわかるようにする
3. 大学受験レベルの英文法を理解して運用に繋げる
- 関正夫先生の書籍を活用(詳細はこちらの記事参照)
4. 英語で話すことに慣れる
- NativeCamp でのオンライン英会話
振り返り
この時期を振り返ると、単語力アップと瞬間英作文への取り組み、そして英文法の机上学習を徹底したことが良かったと思います。特に文法知識は後の運用段階で非常に役立ちました。
一方で、オンライン英会話でトピックや表現を事前準備すべきだったと反省しています。この時期は「英語の基礎を身につける」ことに集中してもよかったかもしれません。
迷走期(2024年12月 ~ 2025年1月)
期間: 2024年12月 ~ 2025年1月
成果: TOEIC(L&R) 795点 -> 835点、PROGOS B1 High(ほぼ安定)
この時期からPROGOSでのスコアの伸びがほぼ見られず、B1 Highでほぼ安定するようになってきました。
それゆえ、「伸び悩みだ」と勘違いして、色々な書籍を読んだり、勉強法を試したりしていました。
学習内容
手を出していた学習例:
- パタプライングリッシュ: 半信半疑で時間をあまりかけずに実施
- スピフル: 目的を定めないまま中途半端に継続
振り返り
この時期への反省点として、CEFRのB1レンジは幅が広く、スコアだけでは成長を実感しにくいということがあります。もっと細分化されたスコアや日々の「言えた」実感を大切にすべきでした。
また、1教材に1つの目的を持たせ、同時に取り組む分野は2つまでに絞るべきだったと思います。前段階の文法学習継続か、次段階のトレーニングにフォーカスすべきでした。
メンタル・学習内容安定期(2025年2月 ~ 2025年6月)
期間: 2025年2月 ~ 2025年6月
成果:
- TOEIC(L&R): 835点 -> 845点
- TOEIC(S&W): S: 130点, W: 150点
- VERSANT: B1+ (57点)
- Duolingo English Test: B2(105点)
この時期から「CEFRレベルの数字に一喜一憂するよりも、日々のトレーニングを増やしていこう」と考えるようになり、学習内容を安定させました。
学習内容
毎朝の習慣として以下2つを継続:
1. パタプライングリッシュ
- 一度挫折したが買い切り型の優しい仕様で再開
- 全レッスン終了後は復習メイン
- 英語構文が口から出るスピードが向上
- 英文法知識の運用能力が向上
2. CNN English Express でのシャドーイング
- ニュース音源を使用
- 「なんて言えばいいんだ」より「え?今なんて?」の方が挽回困難と気づき導入
- VERSANTやTOEICリスニングの伸びに貢献
- 最近はニュース要約と意見表明の練習も追加
その他の取り組み:
- 英検準1級レベルの単語学習: 多読のための基礎固め
- エアロバイク: 毎日30〜50分、パタプラやシャドーイングと組み合わせて運動習慣を改善
今後の学習方法について
まずはパタプライングリッシュを最後までやりきり、CNN English Express のシャドーイングと要約は毎日続けたいと思います。というのもそれぞれリスニングとスピーキングに効果を感じているからです。
また、早く英検準1級レベルの単語学習を終わらせて、多読をできるレベルになりたいです。今も技術書などの洋書を読んだり、ソフトウェアテストの資格試験を英語で受験していますが、速さが足りません(ちなみにTOEICでも毎回5~7問残しています)。快適に多読による英語学習をするためにも、もっと単語力が必要なのかもしれません。
スピーキング力は「読む力・聞く力」が土台になっていることがわかってきたので、ボキャビルや多読を通して、この土台をより安定してB2上位~C1下位のレベルにしていきたいです。が、これにはそれなりに時間を要するかもしれません。
英語はそこまで得意ではないが、グローバル化促進中の会社に入社された方へ
言語学習はとても時間がかかりますよね。
ですが、私もほとんど英語を話せませんでしたが、自身の努力と会社や同僚のみんなとの会話でここまでは英語力を伸ばせてきました。最近では同僚に「英語本当に上達されましたよね?」と言われることが増えてきました。
「こんな風にもがいている人がいる」と参考にしながら、ご自分の英語学習を発信していただければ、きっと誰かの励みになると思います。
おまけ(好きになったYoutube)
【大学入試 & TOEIC】関正生の YouTube 英語塾『英語のカクシン』
勉強法などに関する動画について参考にさせていただきました。
ここまでの英文法や英単語のほとんどの部分で関先生のお力を借りていることは間違いないでしょう。
まじめなエガミ | 勉強Vlog
最近好きな文法発表ドラゴンをきっかけにハマっているチャンネルです。
チャンネル主の方がとにかく熱心に学習をしているので、非常に励みになります。この方が目標とされているTOEICのスコアを達成した動画などでは非常に感動しました。頑張っているだけですごいのに、誰かのためになる情報発信をしていてとても励みになります。
Discussion
私も語彙力を地道に鍛えているので、この記事にとても励まされました ☺️