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英語がもう苦手ではなくなったエンジニアが一つ殻を破るためにやった学習

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さっそくまとめ

  • 私の職場では特にエンジニア組織のグローバル化が進んでいます
  • 私はそんな中、英語がほぼ話せない状態(CEFRレベル:A2)から入社し、1.5年間社会人として頑張れる範囲で英語学習を続けてきました
    • 初期は平日でも4時間程度の学習時間を確保していました
    • 現在は机に向かうのは1時間程度で、あとは通勤時間や隙間時間を利用して学習しています
  • スピーキングにおいて、中上級者(CEFR:B2)とされるレベルに入るための最後のピースであったと感じている勉強法は主に2つです
    • リスニング: ほぼ100% 1.5倍速までやるシャドーイング
    • スピーキング: 結局瞬間英作文

CEFR という指標の意味やレベル感については、後ほどお話しします。

入社1 ~ 1.5年目の間の学習成果

ここ半年間で、比較のために色々な英語試験を受けており、以下のような結果となりました。

LがListening、RがReading、WがWriting、SがSpeakingの略として表しています。

試験 半年前 現在 備考
TOEIC L&R 845点 845点 結果受け取り待ち。あまり力を入れませんでした。
TOEIC S&W Speaking: 130点 Writing: 150点 Speaking: 170点 Writing: 160点 詳細。どちらもB2レベルと判定
VERSANT 57点 62点 詳細。LもSもB2レベルと判定
Duolingo English Test 105点 110点 詳細。4技能ともにB2レベルと判定
英検 3級(中学生以来受験なし) 準1級合格 詳細 Wを除いてB2レベルと判定

半年前は「スピーキングはB1+レベル、他の技能はB2レベル」というような結果でしたが、現在は4技能全てにおいて概ねB2レベルに達している点数になりました。

実感としても、読み・聞きはB2レベルの自信があり、スピーキングにおいてもB2レベルの下の方になんとか入っているのではと感じています。

英検準1級の単語学習を除き、特に対策をせずこれらの試験を受けて同じような結果になっていることから、「やっぱりすごい人たちが考えた資格試験って、力を測るための指標として優れているな」と感じています。

半年に1回このブログを書くために、身銭を切って試験を受けている甲斐があるのか、ないのか・・・

CEFRスコアについて

冒頭よりお話ししている、CEFRスコアという指標について少しだけお話しします。

私は英語学習をするにあたり、CEFRスコアと呼ばれる国際的な基準を目安にしています。

大まかに以下のようなレベル感だと認識しています:

レベル できること 業務での活用例
A1 基本的な挨拶・自己紹介 簡単な挨拶程度
A2 日常的な話題の簡単な会話 定型的なメールのやり取り
B1 身近な話題について意見を述べる 会議での簡単な発言・報告
B2 複雑な話題も理解し、流暢に議論 会議で自分の意見を述べる
C1 幅広い話題で自然なコミュニケーション リーダーシップを発揮した議論
C2 ネイティブレベル あらゆる場面で自在に活用

今回受験した各種試験では、CEFRスコアを算出できるのですが、それらの値と実感値についてお話しします。

(ざっくり)これまでの学習の振り返り

概ね半年間を目処に英語に関する振り返り記事を作成しており、前回は約半年前(入社1年後)に執筆しました。

https://zenn.dev/moneyforward/articles/fa986d49e8d99a

とてもざっくりとまとめると以下のような学習を行ってきました。

期間 実力感 学習内容
入社前 • TOEIC L&R: 675点レベル
• スピーキング全くできず(CEFR:A2レベル)
• 中学英文法をしっかり目に復習
• 「TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ」の単語を覚える
入社 ~ 入社半年 • TOEIC L&R: 795点レベル
• スピーキング: CEFR B1レベル(短くてシンプルな会話なら答えられる)
• 高校英文法をしっかり学習
• 中学英文法レベルの瞬間英作文
• 「Duo 3.0」の単語と例文を覚える
入社半年 ~ 1年 • TOEIC L&R: 835点レベル
• スピーキング: CEFR B1+ レベル(簡単な意見なら伝えられる。会議も少し発言できる)
• パターンプラクティス(パタプライングリッシュ)

ここからは、この続きの入社後1 ~ 1.5年目の学習についてお話しします。

半年間で効果を感じた学習内容について

基本的に、各学習内容について、「(できれば)ここまでやる」学習と「最低でもこれはやる」という学習をわけて考えています。

基本的には、ほぼ毎日前者の「できれば」までやっているのですが、体調が悪い時や忙しい時などにも「最低でも」という簡単に達成できる内容を設定しています。これにより、日々の学習が嫌にならずに、習慣化して継続できています。

これら以外に多読といった学習も行いました。特にスピーキング・リスニングに効果があったと感じる学習法をいかに記載していますが、私の場合「これは無駄だった」という勉強はあまりないと思います(順番は悪かったなどはあるかもしれません)。

また、これら学習内容を日々の業務のライティングや、(他のチームメンバーに比べて機会は少ないものの)スピーキングで実践としてアウトプットできているのも大きなポイントなのだと思います。

リスニング

CNN English Express という教材を使ったリスニングトレーニングを行いました。

私の場合、あまり長く集中力は続かないため朝活で20分机に向かってしっかり目にニュース英語に向き合いました。

(できれば)ここまでやる 学習

まずは CNN English Express では30秒 ~ 1分程度でニュースの音声が分かれています。

この一つの音声に対して、2日 ~ 4日をかけて以下のことができるようになるまで繰り返しシャドーイングや音読を行います。

  • 英文の意味を完全に理解する
    • 単語や熟語の意味、文法的になぜこのような語順になるのかなどを完全に理解します
    • CNN English Express の場合、解説などが入っているため非常に理解に役立ちます
  • オーバーラッピング(音読)
    • 原稿をみながら、音声に合わせるように何回も音読を行います
    • 後述するシャドーイングの時間でも、時折入れて気分を変えたり、リズムを掴みます
  • シャドーイング
    • 音声を聞きながら、文字は読まずに、小さな声で影のようにキャスターの真似をします
    • シャドーイングをする際、数回に1回自分の声を録音して「ここは言えてないな。蛍光ペンで引いておこう」などと自分が言えなかったことを明確にしながら進めます
  • リスニング
    • 疲れてきたら、音声を聞きながら場面を想像したり、「あ〜分かるわ」などと感じます
    • ずっと口と脳を動かすのって疲れますよね
  • 高速シャドーイング
    • 1つの記事を修了するための目安です
    • 1.2倍 ~ 1.5倍で音声を流し、シャドーイングを行います
    • ただし記事によっては1.5倍は半端ではないので、後述する「口パクシャドーイング」ができたら合格とすることもあります

ポイントとしては、以下の書籍に出てきた100%シャドーイングという考えを自分なりに大事にしています。

https://book.alc.co.jp/book/b10029825.html

  • a や the といった冠詞も含めて(ほぼ)100%マネできるようにする
  • 極力、キャスターの口調やイントネーションもマネする(ただし無理はしない)

また最近「ニュースキャスターではない、一般人の本気の英語」に苦慮する場面が多いので、1.5倍までスピードを挙げて極力スピードとリズムに慣れるようにしています。

最低でもこれはやる 学習

どんなに調子が悪い時でも、「口パクシャドーイングを5分だけ」というルールを設けています。

口パクシャドーイングに関しては、私の英語力を大きく向上していただいた関正生さんの以下の動画で解説されています。

https://youtu.be/mvXg9sb6kGo?si=_JvQqQ-XmYzS88Ao

声を出すことに比べると、キャスターの声に集中できます。十分負荷がかかりますが、過去すでにクリアした記事を使って行うので比較的負荷が少ないです。

これであれば通勤中や散歩中に行えるので、とても便利です。

その他、以下のような比較的聞きやすいPodcastを聴きながら、可能な限り口パクシャドーイングしながら通勤や散歩をしたりします。(疲れたらやめます。嫌になるような無理はしません)

https://www.allearsenglish.com/

https://www.nhk.or.jp/podcasts/lang_world_news.html

スピーキング

スピーキングに関しては、これまでのパタプライングリッシュで得たチャンクや瞬発力をベースに、またスピフル というサービスを活用し始めました。

最終的に、B2レベルに到達できたのは瞬間英作文をスピフルを通じて行ったことが決め手になっていると感じています。

(できれば)ここまでやる 学習

基本的にスピフルでは「ビジネス英会話 基礎」や「ビジネス英会話 発展編」といったコースを受講しています。

これらはいわゆる瞬間英作文の訓練で、日本語で「彼はただ英語を話せるだけでなく、会議を主導することができる」といった文に対して、英語で答える。という形式で進めます。

一つのレッスンにつき10個の瞬間英作文を行うのですが、一つのレッスンを5周ほどできるように1日 2 ~ 3個のレッスンに合計30分程度時間をかけます。

(最低でもこれはやる) 学習

スピフルでは「スマート復習」という最大で10問の復習機能があり、これを活用しています。

これであれば、10分もかからない程度で復習ができるので、忙しい日でも取り組みやすいです。

なぜ瞬間英作文が重要と感じたか

上でお話ししたように、私はいわゆるパターンプラクティスという学習方法で、英語のスラスラ化の学習をしており、これは成功だったと思います。

一方で、「英語を英語のまま理解して、話す」ということに関しては、まだまだ課題が残っています。シンプルな文やちょっとした関係代名詞が絡んだ文章などは、スッと英語脳で出力できるのですが、ちょっと複雑な文章になると、どうしても日本語で考えて変換してしまう というのが私のリアルな実情でした。

確かに「英語を英語のまま」とできれば良いと思うのですが、自分の自動化レベルを超えた英文をスムーズに出力するためには、それらを日常的に出力するトレーニングが私には必要だったのです。

その際、スピフルの「ビジネス英会話 発展編」は普通に "You are too sick to work, nor should you come to the office" といった「普段だったら絶対にスッと出てこないだろうな」といった言い回しも訓練できます。

パターンプラクティスも瞬間英作文もゴールは「知っている文法の自動化」という点では共通しているのですが、結果的に両方やったことが相乗効果を産んでくれたのかもしれません。

今後の学習方法について

今の英語学習に手応えを感じているため、少なくとも CNN English Express のシャドーイングは毎日続けていきたいと思います。

瞬間英作文に関しても、色々な英文を試してみて、「もう十分だ」と感じるまでは続けてみたいと思います。

また、地味に毎日100単語ほど、単語帳を通じて学習をしています。やはり、読めないものは聞けず、聞けないものは話せません。その中でも、シンプルに重要な単語はまだまだ学習の必要があるなと感じています。

最後に: 英語はそこまで得意ではないが、色々な事情で学習されている方へ

私は主に皆さんに向けて、このような学習の記録を残しています。

私もA2レベルのスピーキング力で入社して、段階的に英語力を伸ばしており、ようやくずっと目標にしていた「スピーキングでB2レベル」という目標を達成することができました。

では私が「相手に負担をかけずに自分の力で業務をこなしているか」と言えば全くそんなことはありません。実際には、周りの方に助けられたり、他の部分で私も力になれるようにと助け合いです。

自分が学習することで、その助けられる度合いが薄くなっていることは私が身をもって絶賛体験中です。

安易に「これをすればできる」「私ができたから、この環境を作れば英語は伸びる」といったことは口が裂けても言えません。ですが、私が段階的に役に立ったと思える学習法を残していきますので、どうか「英語が全然伸びない」と必要以上に落ち込まず、参考になれるといいなと思っています。

私もまだまだなので、これからも自分のできる範囲で頑張ります。決して無理せず。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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