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Googleで成功するチームの「5つの秘訣」

2024/11/16に公開

この記事について

「The five keys to a successful Google team」という心理的安全性に関するGoogleの記事を翻訳したものである。
翻訳の元としたバージョンは下記のアーカイブのものである。
https://web.archive.org/web/20180619110122/https://rework.withgoogle.com/blog/five-keys-to-a-successful-google-team/#expand

上記の記事の最新バージョンは以下だと思われる。
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/understanding-team-effectiveness

以下、翻訳。

本文(翻訳)

ポッド、ワークグループ、委員会、自律的な集団……名前はどうであれ、あなたもGoogleや他の職場でチームの一員として働いているでしょう。でも、もし優れたマネージャーの条件がわかっているなら、なぜ「優れたチームの条件」はまだわからないのでしょうか?

アップデート: Googleのre:Work guide「チームが効果的かどうかを理解する」で、Googleのチームの効果を高める研究の詳細と、心理的安全性を高めるためのツールについて確認できます。

GoogleのPeople Operations(人事部)に所属する我々が、データと厳密な分析を通じて次の問に応える。「Googleのチームが成果を上げる秘訣は何か?」 今日すでにAP通信で発表したこの研究結果をここでも紹介しよう。

我々は、この2年間で、200人以上のGoogle社員(Googler)にインタビューをし、180以上のアクティブなGoogleチームの250以上の属性を調査をしました。当初は「完璧なチーム構成」を見つけることができるだろうと自信を持っていました。たとえば、ローズ奨学生が1人、外向的なメンバー2人、AngularJSのスペシャリスト1人、そしてPhD取得者がいるチームなんかが理想的じゃないかってね?

しかし、我々は完全に間違っていた。「チームメンバーが誰であるか」よりも、メンバー同士の関わり方、仕事の進め方、貢献への考え方のほうがはるかに重要であることがわかったからだ。

Googleで成功するチームには、他のチームとは異なり、次の5つの重要なダイナミクス(動的要素)が存在していることを我々は発見した。

  1. 心理的安全性: 安全でないと感じたり、恥ずかしい思いをすることなく、チーム内でリスクを取ることができるか?
  2. 信頼性: 高品質な仕事を期限内にやり遂げるために、お互いを信頼できるか?
  3. 構造と明確さ: チームの目標、役割、計画は明確か?
  4. 仕事の意義: 各自が自分にとって重要だと思える仕事に取り組んでいるか?
  5. 仕事の影響: 自分たちの仕事が意義あるものであると心から信じているか?

上記の5つの質問に「はい」と答えられるなら、すばらしいことだ。たぶん君は高いパフォーマンスを発揮するチームの一員だろう。たとえ「いいえ」の答えがあっても、絶望するにはまだ早い。これが、重点を置くべきポイントや改善方法を見つけ、チームメイトとこの概念を整理して話し合うためことをサポートしてくれるのだ。

「画像」

我々が見つけた5つのダイナミクスの中で、最も重要だったのは「心理的安全性」であった。これは他の4つの土台でもある。なぜこういう結論が導かれるのだろうか?チーム内でリスクを取るということは一見簡単に見えるだろう。しかし、直近のプロジェクトを思い出してみてほしい。自分だけが話についていけていないと思われるリスクを冒して、君は「目標は何ですか?」と聞くことができただろうか?もしくは、「周りに気づかれないように進めよう」と、曖昧なまま進めたことはなかったか?

実は、多くの人々は、自分の能力や理解度、ポジティブさに疑問を抱かせるような行動を避けようとする。職場でこのように自己防衛をするのは自然なことだが、チームワークを効果的にしようとするときの妨げになってしまう。一方、チームメンバーが互いに安全だと感じられるほど、ミスを認めたり、協力したり、新しい役割に挑戦する意欲も増す。これは、従業員に求めるほぼすべての重要な側面に関わっている。Googleでは、心理的安全性の高いチームに所属するメンバーは離職率が低く、チームメイトの多様なアイデアを活用し、収益を上げる可能性が高く、エグゼクティブからも効果的と評価されることが2倍多いのだ。

Googlerたちはデータを愛しているが、それに留まらず行動に移したいと考えている。そこで我々は、「gTeamsエクササイズ」というツールを開発した。これは、5つのダイナミクスについて10分でチェックを行い、チームの状態を要約したレポートを提供し、結果について対話する機会を設け、改善のためのリソースをカスタマイズして提供するものである。この1年で、300以上のチームの3,000人以上のGooglerがこのツールを活用し、新しいグループの習慣――毎回のミーティングを「先週取ったリスク」を共有することから始める習慣など――を取り入れたチームでは、心理的安全性の評価が6%、構造と明確さが10%向上したという。「チームが効果的かどうか検討する枠組みと、こうしたダイナミクスについて話し合う機会が新たにできたことが特に有益だった」と、上記のチームは報告している。

ダブリンの営業チームからマウンテンビューのエンジニアチームに至るまで、この枠組みを取り入れることでさまざまなチームの改善が見られた。

履歴

[2024/11/16] 第1稿公開

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