20分で始められるCosense
まえがき
前回、Cosenseを紹介した。
Cosenseを自転車に例えたが、自転車と同じように、最初は使いにくさを感じるかもしれない。新しい道具とはそういうものである。今回は、少しでもその負担感を減らすべく、私の思うCosenseの始め方をまとめてみた。型より入りて型より出でよ、というわけだ。
Cosenseの利用登録
Cosenseの利用規約はこちら。https://scrapbox.io/terms
Cosenseのアカウントは、基本的にGoogleアカウントを使う。まだ持っていない場合は、Googleにサインアップしてアカウントを作成しよう。
CosenseからもGoogleのログイン/サインアップ画面へ遷移できる。便利なのでこちらをおすすめする。リンク先、画面真ん中の「Login with Google」をクリックしよう。
右下の「アカウントを作成」から進めていく。一連の手続きで求められる項目は以下の通り。
- 氏名。公開されることもあるので、抵抗があれば適当なニックネームでもよい。
- 生年月日。これも抵抗があれば、"今日"の日付を入れてよい。
- メールアドレス。ZennやXのアカウントIDでもいいし、好きな文字列を入れる。ただし、後々CosenseのPublic Projectに参加すると、公開されることもあるので注意。恥ずかしい文字列はやめておこう。
- パスワードを登録。Chromeのパスワードマネージャに頼っても良いし、あなたのお気に入りのパスワード管理方法を使っても良い。
- 予備のメールアドレス。これは万が一に備えて、普段使っているものが好ましい。
- 利用規約やプライバシーポリシーに目を通して同意する。
- Scrapbox.io (Cosense) との連携に同意する
Cosenseの画面に遷移するので、続ける。
Googleアカウントの氏名がデフォルトで入力されている。ここで好きなものに変更してよい。
急に英語で面食らうかもしれないが、慌てる必要はない。
- 上の入力欄に書いてあること
- Name: 名前
- 訳: これはプロフィールアイコンのところに表示されます
- 右上に表示されている名前は、これで設定できる
- Name: 名前
- 下の入力欄に書いてあること
- Username: ユーザ名
- 訳: ユーザ名はあなたのページのタイトルとして使われます。あなたのページにプロフィール画像を配置すると、ctrl + iでアイコン画像を入力できるようになります
- さしあたっては、深く考えなくてよい
- 上下どちらも同じで構わないが、下は半角英数字だけの方が少し便利
- どちらも後から変更できる
設定を終えたら、緑のボタン「Looks good」をクリックしよう。意味は、「これでよさそう」という感じ。
次の画面へ遷移する。さっそく緑のボタン「Create new project(新しいプロジェクトを作る)」をクリック。
以下のような画面になる。例によって、入力項目を説明する。
- Project URL
- <あなたのX,Zenn,その他お気に入りのアカウント名>-noteなどとしよう
- URLはなんでもいいが、用途を絞らない方がいい
- Privateのため公開されないが、後々公開されても困らないものの方がよい
- Purpose: 目的
- Private Project (下の選択肢)で作る。非公開設定。
- 訳: メンバーだけが読み書きできます
- Public(公開設定)でもいいが、その場合はよく吟味すべきだ。最初は、何も考えずにprivateで始めるほうが無難である
- 後で変更できる
- Personalプラン (Free) を選択
- あなたが個人の楽しみのために使う場合はこちらだ
- 営利組織の活動で使う場合は、料金ルールを確認して欲しい
- Upload image to (画像アップロード先)は初期選択のまま「scrapbox.io」でよい。
- もしあなたがGyazoを知っているなら、Gyazoにしてもよい
- Cosenseには画像もメモできる。画像のアップロード先がここで決まる
- 後で変更できる
準備ができたら緑のボタンをクリック。「Create(作成)」。
これで準備が整った。簡単だ。
以降、Googleログインしていればscrapbox.ioにアクセスしたときに自動でプロジェクトに移動する。複数のプロジェクトに参加し始めると、切り替えを覚える必要があるが、今はまだ関係がない。あなたのCosenseのURLをブックマークしておくとよい。
Cosenseを使ってみる
あなたのCosenseにアクセスすると、画面上部に緑のボタンがある。「+」。ページを追加・作成する、の、プラスだ。
これをクリックするとページ作成画面に代わる。
Cosenseのエディタはとてもシンプルだ。
- 1行目がタイトル。タイトルは大きい
- 2行目以降は本文
- 装飾はブラケティングとインデントのみ。キーボードなら、エンターキーの隣に[がある(半角入力にしておくのを忘れずに)
- 左側[を入れれば自動で右側]も入れてくれる
- インデントはスペース(空白文字)またはタブキーで。これは使わなくてもよい
- スマホの場合は、カーソルの上に表示されるメニューの[]をタップすれば入力してくれる
- あとのことは、必要になったときに覚えればいい。Cosenseの学びもCosenseで
- ついでに今の感想も書いておこう
2024/11/20
Cosenseをはじめてみた。
意外と簡単?
[ブラケティング]も試しておこう。
Cosenseで何か始めてみる(1)
最初は何でもよい。本当に何でもよいのである。思考実験として、今日の日付と感想を1ページとして書いてみたとしよう。
2024/11/15
めんどい
2024/11/16
めんどい。これ意味ある?
2024/11/17
めんどい
2024/11/18
昨日よりはめんどくない
2024/11/20
[めんどい]。カレーが美味しかった。
2024/11/21
[めんどくない]
2024/11/22
[めんどい]
1週間経った。試しに、「めんどい」を開いてみよう。
20日と22日はめんどくさかったが、ちゃんとCosenseにページを書いているようだ。思えばあまりさぼらずに続けられている。これだけで、自分のことを愛せそうではないか?そうでもない?
この習慣は筋トレにシフトできるかもしれないし、資格勉強にシフトできるかもしれない。実際にあなたの資産、能力となっていることを、覚えておいてよいだろう。
私は本気で、この成果を喜べると思っている。しかし、中にはご納得いただけない方もいるだろう。もう少し"一般的な"用途も書いてみよう。
Cosenseで何か始めてみる(2)
例えば、毎週映画を見る習慣があるとしよう。そのついでに、見た映画のタイトルでページを作り、監督名をブラケティングしつつ、感想を一言書いておこう。自分の感想の中に、注目したい言葉が出てきたら、ついでにブラケティングするとよい。
ある日、突然、青リンクが現れる。クリックすると、別の日の感想が思い浮かばれるだろう。この瞬間、不思議なことが起こる。自分が何に惹かれたのか――ドラマの構成なのか、人間関係なのか、キャラクターか、世界観か、絵作りか、音楽か、などなど――が、「よかった」の一言を越えて、「キャラクターが快活で魅力的」のように立ち上ってくるのだ。作品Aと、作品Bの体験が結びつくことによって。あなたはレビュアーとしての一歩を踏み出す。いや、レビューなど書けなくてよいのである。何に惹かれたかを言語化できるといろいろ便利だ。例えば、またある日、あの時の感動をもう一度味わいたいと思ったとき、新しい作品を検索するのに使える。同じ監督。または似た構成。似た世界観。
Cosenseで何か始めてみる(3)
さて、せっかくZennにいるのだから、学びの例としてPythonなども挙げてみよう。
例えば、[ラムダ式]。検索で目についた記事を引用させていただく。
次に見るときは、たぶんそう、何かのコードを読んでいるとき...この構文は何だ?見慣れない、調べてみる、そこから、[無名関数]を知る。ブラケティングにより、実は過去、ラムダ式についての記事を読んだことがあると気付く。
自分でも使ってみる。なるほど、使えることはわかった。自分で書いたコードにもCosenseページを作っておいて、[ラムダ式]と。体験に紐づいた具体例が一つできる。
さて、あなたは何年かPythonを書き続け、ラムダ式の酸いも甘いも知り尽くしたとしよう。あなたのCosenseの、ラムダ式のページと、そのRelated pages(Links)を見てみよう。これで、ラムダ式を、[人に説明する]ための材料がすべてそろったことになる。初心者の気持ちから、上級者の理解、短い表現、数々のコード具体例まで、すべてである。
あなたはラムダ式を、1万人に1人のレベルで表現できるようになった。これは、学びの成果と言って差し支えない、そう思わないだろうか?
もちろん、あなたにとっては、ラムダ式はそれほど成長しないかもしれない。それはそれでよい。
重要なのは、次の3点だ。(1)生活の中には、何十...何百...何千という[注目]のチャンスがあり、その中からあなたが自分で選んだということ。(2)あなたにとって価値のあるものだけが、継続的な注目 = 投資を受け続けて、成長していくこと。(3)そして価値のあるものは、事前にはわからないこと。
Cosenseページを作るのは簡単だから、気軽に投資すればよい。育たなくても、何も困らない。ローリスク、ハイリターン。
少しイメージが湧いただろうか?Cosenseに乗るのは自転車よりよほど簡単である。スピードを出すにはコツがいるが、続けていれば自然と身についていく。
はしがき
Cosenseは何にでも応用できる。論文を読み解くのにも使えるし、流行りのファッションを追うのにも使える。旅行の計画にも、自分探しやキャリアプランにも使えるだろう。
最初から成果を求めるとつらくなるから、少しずつでよいのだ。ブラケティングだけは意識的に増やしていこう。つながってこそ、発見になる。ブラケティングは多すぎるのも問題なのだが、その辺りの肌感は数をこなせば自然とわかってくる。次回は、ブラケティングのコツについて書こうと思っている。そちらも参考にされたい。
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