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ほぼ100日でGoogle Cloudの11資格を全取得しました

2024/12/17に公開

はじめに

こんにちは。株式会社ミラボの田中です。
前回会社のZennに投稿した際は会社アカウントを使っていましたが、今回はプライベートアカウントから投稿します。
表題の通りですが本年度弊社に転職してから目標に設定していたGoogle Cloudの資格を全取得できましたので、合格に至るまでの目標設定方法・勉強法と時間・試験センターへの所感などを整理できればと考えて記事にしました。

資格取得のタイムライン

2024/08/09にAssociate Cloud Engineerを受験し初めて、2024/11/24にProfessional Machine Learningを合格して無事11冠を達成しました。
AWSやAzureの資格試験では不合格になったこともあったのでストレートで合格できたのは良かったです。

受験日 結果 試験
2024/08/09 Pass Associate Cloud Engineer
2024/08/31 Pass Professional Cloud Architect
2024/09/08 Pass Professional Cloud DevOps Engineer
2024/09/15 Pass Professional Cloud Developer
2024/09/23 Pass Professional Data Engineer
2024/09/29 Pass Professional Cloud Database Engineer(En)
2024/10/05 Pass Cloud Digital Leader
2024/10/05 Pass Professional Cloud Security Engineer
2024/10/14 Pass Professional Cloud Network Engineer
2024/10/22 Pass Professional Google Workspace Administrator
2024/11/24 Pass Professional Machine Learning(En)

背景

なぜ資格取得を?

資格取得の理由は大きく2つです。

  • Google Cloudを業務で使うから
    • シンプルですが業務で初めてGoogle Cloudを使うことになったため、体系的に学ぶ手段として資格取得を検討しました。
  • 個人的にAWS試験との比較をしてみたかったから
    • AWSは業務で使っていたのでパブリッククラウドに関する知見はある程度ありましたが、Google Cloudとの差分を聞かれた際に答えれなかったこともあったので1から勉強しようと考えました。
    • AWSの資格はある程度持っていたのでGoogle Cloudの資格試験はAWSと比べてどのような試験構成になっているか興味がわいたからです。

資格試験取得するまでの事前準備

Google Cloudの勉強をする前にやったことについて簡単に整理します。

全資格取得した他の方の勉強法を確認

これはGoogle Cloudの資格勉強に限った話ではありませんが、私は何か資格系の勉強をする際は他の方のレポート記事を読んでから、その資格の流行り具合ある程度の難しさを調べてから受けるようにしています。
今回メインで参考にさせていただいた記事は下記になります。大変勉強になりました、ありがとうございます。
これらの記事を参考に

  • 全資格取得を目指す場合、何ヶ月程度かかりそうか
  • 簡単そうな試験、難しそうな試験は何があるか
  • おすすめの問題集はあるか、効率的な勉強法は何か

このあたりを最初に調査しました。
2024/12月時点ですが「Google Cloud 全資格取得」で検索してみると半年以内に更新された記事が何件も検索上位にHitしているため、Google Cloudの資格取得は最近の流行でもあると感じて資格取得の計画を立て始めました。

https://zenn.dev/cloud_ace/articles/9d3d496f9a7213

https://iret.media/84141

ロードマップ作成

私の場合は次にどの試験をいつ頃受けるかを時系列順にまとめたロードマップを作成しました。

ロードマップを作るにあたっては

  • 大まかなスケジュールを立てる
  • 日本語試験と英語試験がわかるように付箋で色を変えておく
  • 備考・一言コメントも書いておく
  • 試験に落ちた時のためにバッファ期間を設けておく

この辺りを意識してまずは作り始めました。
Google Cloudは2024/12月時点で日本で受験できない試験が「Professional Cloud Database Engineer」と「Professional Machine Learning Engineer」の2つあり、おそらくこの2つは学習期間が増えるであろうということで他の資格が2週間で線を引いているところを3週間-4週間で線を引き付箋の色も青色にしています。

また、当初は計画通りにストレートで合格できるとは考えていなかったので落ちた試験を再度受けるためのバッファ期間をロードマップ上では11月後半の2週間に設けています。これは、試験に全て合格する前提でスケジュールを組むと落ちた時に日程的なリカバリーが難しいので最初から落ちた時のことを想定してスケジュールを引くためです。

ロードマップ上の下側紫付箋に9/9 1w1試験とあるのは、8月に2つ試験を受けた印象として1つの試験に2週間も勉強期間を設けなくても十分と判断してロードマップを引き直したからです。最終的には、引き直したロードマップとほぼ同じ時間軸で試験を受けることができました。

このようにロードマップを書いておくことで、計画性をもって集中して資格取得に取り組むことができました。

上長に相談

資格試験を受験していく際の大きな課題の一つは受験費用だと思います。
Google Cloudの資格試験費用は下記になり、合格時に次回の試験登録が半額になるクーポンが貰えるとはいえ日本円で合計150,000円程度かかる計算になります。

試験レベル 登録費 試験数
基礎 $99 1
アソシエイト $125 1
プロフェッショナル $200 9

弊社には福利厚生制度として資格取得支援があり、資格受験時の試験金額とその資格受験に関する勉強資料の金額を支援する(こちらは研修セミナー代 補助)仕組みがあります。

https://mi-labo.co.jp/recruit/

今回資格試験を受けるにあたってこちらの福利厚生制度を活用させていただきました。
申請するにあたって先ほどのロードマップをもとに上長に

  • 資格取得の重要性
    • 業務で使うため
  • ロードマップの妥当性
    • 計画的に資格取得できそうか

これらを説明させていただき制度を無事活用することができました。
補助費出していただきありがとうございます。

各資格試験と受験した感想

資格試験を受けるにあたっての勉強

基本的に1試験に対して1Udemyのコースを購入してひたすら問題を解く形で勉強していました。
具体的には、1試験を2,3周解き直し解答率85%ぐらいを目指して解説を読み直す方法で進めていました。

購入したコース全てを紹介すると長くなってしまうので、英語試験であるDatabaseMachine LearningのUdemyコースだけ共有させていただきます。

https://www.udemy.com/course/practice-exams-google-professional-cloud-database-engineer

https://www.udemy.com/course/google-cloud-machine-learning-engineer-certification-exams


書籍については最初にAssociate試験を受けた際に網羅的に整理するために下記の本を購入して読みました。

  • 徹底攻略 Google Cloud認定資格 Associate Cloud Engineer教科書 徹底攻略シリーズ

https://book.impress.co.jp/books/1122101107

模擬問題が1回分(PDF)ついているそうなのですが、私はPDFがどこから入手できるか分からず解いていません・・・
サービスの概要や類似サービスとの差別点などが整理されていたので理解しやすかったです。
試験前に2周読んでテストに挑みました。

Cloud Digital Leader試験に関しても試験用の参考書籍が出ているので、そちらの書籍を購入して試験対策をしました。

  • 合格対策 Google Cloud認定資格Cloud Digital Leader テキスト&演習問題

https://www.ric.co.jp/book/qualification3/detail/2767

この試験に関しては書籍の内容をさーっと読んで、模擬試験を1回解いて解説を読むぐらいの対策でした。
試験を受けた時期はAIに関するサービスはあまり知らなかったので試験直前はAIに関連する箇所を重点的に読み直ししました。

また、Professional Cloud Network Engineer を受験する際にはGoogle Cloud Skills Boostで何個かハンズオンを触ってから受験しました。

Google Cloud Platform を実際に使って演習(ハンズオン)する環境 を提供するプラットフォームです。 ご自分のレベルに合わせた演習問題を選択し、 GCP をご自分の ペースで学習できます。 ハンズオンラボは一つ一つ独立した演習になりますが、 目的別にクエストをご用意しております。

VPC、Cloud NAT、Cloud Armorあたりを重点的に触らせていただきました。

触ったハンズオンのURL一覧

VPC ネットワーク ピアリング

VPC Network Peering | Google Cloud Skills Boost

Cloud NAT

外部IPアドレスを持たないVMインスタンスがインターネット上からデータをダウンロードするようなユースケースで使うサービスですね。Cloud NATがリージョンサービスであることも覚えておくといいです。

Configuring Private Google Access and Cloud NAT | Google Cloud Skills Boost

Cloud Armor を使用した HTTP ロードバランサ

セキュリティポリシーを作って特定のIPからのアクセスを拒否したりできます。

Cloud ArmorがHTTP(S) Load Balancerを通じて受けたリクエストや、ポリシーによってブロックされたリクエストに関する情報は、Cloud Loggingに記録されます。

HTTP Load Balancer with Cloud Armor | Google Cloud Skills Boost

ネットワーク ロードバランサと HTTP ロードバランサを設定する

ロードバランサーの違いもおさえておきましょう。

Set Up Network and HTTP Load Balancers | Google Cloud Skills Boost

VPC ネットワーク - アクセスの制御

基本的なネットワークについてのハンズオン、意外とここらへんしっかりやってこなかったので助かりました。

各試験の簡単な感想

受験した資格試験の順番に感想を書いていきます。
勉強期間はProfessional Cloud ArchitectからProfessional Google Workspace Administratorまでは1週間おきに試験を受けるように計画をたてていたので1週間(15~20h)程度になります。

  • Associate Cloud Engineer
    AWS資格試験取得済みかつある程度業務でAWSも触っていたので最初からAssociateレベルを選択して受験しました。
    また、試験を受ける時期にはすでに業務でGoogle Cloudも少し扱っていた時期になります。

勉強した日数: 2週間ぐらい
業務で少し触ったサービス: Cloud SQL、Cloud Runぐらい。プライベートでterraformでCompute Engineをデプロイしたり
感想: AWSのAssociateレベルは落ちたことがあるので書籍を読んでからUdemyを解いて慎重に挑んだ結果思ったよりも楽でした。

  • Professional Cloud Architect

勉強した日数: 2週間、1日30分から1時間ぐらいです。
感想: 購入していたUdemyのコースを6周ぐらいしていたことかつコースの内容がほぼ試験に出たのでかなり楽でした。

  • Professional Cloud DevOps Engineer

勉強した日数: 20時間ぐらい。
感想: 現職でSREをやっていることもあり予備知識がある状態でした。そのためUdemyのコースを解くだけで試験は合格することができました。

  • Professional Cloud Developer

勉強した日数: 20時間ぐらい。
感想: Githubの開発フローやCICDベストプラクティスも出題されます。特にCloud Run関連が多かった印象です。このあたりは業務でも使っているのであまり頭を悩ませずに合格できました。

  • Professional Data Engineer

勉強した日数: 20時間~25時間ぐらい。
感想: データベース・ストレージサービスやワークフローに関するシナリオが多く、DataStream・Dataform、Dataplex・DataCatalogなど類似した名前のサービスがあるため、各サービスの特徴をしっかりと把握しておく必要があります。名前が似ているサービスが多いので、サービスと役割を整理するのに少し苦労しました。

  • Professional Cloud Database Engineer

勉強した日数: 15時間ぐらい。
感想: 現在11個ある試験のうち、日本対応していない2つの試験のうちの1つです。
ただ、特徴的な英語もでてこなければ、文章量も多くないので、この試験のために英語を基礎から勉強し直す必要はないと思ってます。

  • Cloud Digital Leader

勉強した日数: 2時間
感想: 前日に30分、当日の電車移動中と試験直前で合計2時間ぐらい試験範囲を確認しました。Google Cloud の AI を活用したイノベーション というセクションでAI関連に関して16%出題されるため、AI分野を重点的に整理しました。AIに知見がない人は直前でも試験範囲を確認することをお勧めします。

  • Professional Cloud Security Engineer

勉強した日数: 10時間
感想: Cloud Digital Leaderと同じ日に受験しました。ネットワークに出題される範囲と重複しているサービスが多いのが特徴です。触れたサービスがあまりなかったこと、あまり勉強時間を割り当てなかったこともあり今まで受けてきた中だと一番難しく感じました。

  • Professional Cloud Network Engineer

勉強した日数: 15時間
感想: Google Cloud Skills Boostでハンズオンを触っていたこともあり試験自体は難しくは感じませんでした。ただ、ここまで毎週ペースで試験を受けていたこともあり若干体調壊してたので試験時の記憶があまりないです。

  • Professional Google Workspace Administrator

勉強した日数: 10時間
感想: 近々廃止になって代わりにAssociateレベルで同じようなジャンルの試験が追加されるそうです。
Google Workspace の管理機能に関する知識が問われますが、試験を受け終わった時に「これはダメだったかも」と思った唯一の試験です。業務でWorkspace関連のことをやっておらず、Udemyのコース対策のみだったので、もう少し基本的なところを押さえてかつサービスを実際触っておけばと反省しています。

  • Professional Machine Learning

勉強した日数: 2週間、30時間ぐらい
感想: 前の試験から期間が空いてからの受験になりました。英語自体はDatabase同様そこまで難しくないので、Google CloudのAIサービスと機械学習の基礎的なところをおさえて受験しました。

  • 図解即戦力 機械学習&ディープラーニングのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書

https://gihyo.jp/book/2019/978-4-297-10640-9

AWS試験と比べてどうだった?

Google Cloudの全資格とAWSのProfessional資格試験を受けての比較感想です。

  • Google Cloud資格試験よりもAWS資格試験のほうが難しい印象
    • 複数回答問題が少ない
    • 設問数が少ない

私がAWSを触ってからGoogle Cloudを触り始めたのも一因と思いますが、AWSは65問以上の問題に対してGoogle Cloudは基本的に50問の問題になります。1度だけ60問の試験がありました。

また複数回答する問題があまり出てこなかったのもGoogle Cloudの方が楽だと感じた理由の一つになります。

個人的な挑戦する試験順

Google Cloud初心者 かつ 全資格挑戦予定の方向けです。

  • Cloud Digital Leader -> Associate Cloud Engineer -> Professional Cloud Architect の順に出題範囲が広く浅くの試験から受験する。それ以降は順不同。
  • Data Engineer と Database Engineer は類似サービスが多いので近い時期に受験する。
  • Secuirty Engineer と Network Engineerも類似サービスが多いので近い時期に受験する。
  • Database Engineer と Professional Machine Learning は英語問題なので近い時期に受験する。

類似サービスが出る試験と英語試験を近い時期に受けるように計画するのが効率的かなと思っています。
図で表すと下記のような流れですね。

全資格取得する期間に関しては6ヶ月〜1年で全取得されている方が多いように見受けられるので、まずは半年で受験する計画を立ててみるといいと思います。2週間おきに1試験ペースですね。

受験センターの特徴

Google Cloudの資格試験はオンラインテストセンターを選択して受験することができますが、前職の同期がオンライン試験時に通信障害で試験に復帰できず落ちた話を聞いたことがあるのでテストセンターに必ずいくようにしています。

また、実家帰省などのタイミングもあり東京・大阪・福岡のテストセンターで受験することになったので各テストセンターの特徴についても軽く整理できればと思います。

また、Google Cloud資格試験をテストセンターで受験する際は基本的に10:00~16:00ぐらいの間になります。

ファーストステップ テストセンター 秋葉原昭和通り口

https://www.first-step.jp/pages/testcenter

JR秋葉原駅 昭和通り口から徒歩5分程度の距離です。

建物の前に看板が置いてあるので比較的わかりやすいテストセンターだと思います。

ソフトキャンパス新宿校

https://calendar.sc-testcenter.jp/access.html

JR新宿駅から徒歩10分程度の距離です。

初見だと建物の前に看板などわかりやすいものがないので早めに周辺探索したほうがいいかもしれないです。
日程によって6Fか10Fのどちらかになりますが、建物のエレベーターで「当日xxxの試験はxF」という案内が書かれています。

また、平日の18時30分ごろまで受験できるため業務終了後に受験することが可能な貴重なテストセンターになります。

ファーストステップ テストセンター 新橋航空会館テストセンター

https://www.first-step.jp/blogs/news/東京-新橋に新規会場開設のお知らせ

JR新橋駅から徒歩5分程度の距離です。

当日、浜松町のイベントにプライベートで参加していたこともあり最寄りのテストセンターとして受験させていただきました。

テストセンターとしてはスペースがかなり広く、私が日曜日に受験した際には英検とTOEICを受験されている方もいらっしゃってとても人が多かったのを覚えています。

PC College Higashiumeda School/PC カレッジ 東梅田校

https://www.pccollege.jp/

大阪は梅田・京橋・本町の3箇所で受験できます。

JR大阪駅から10分ほど歩けば建物があります。デカデカと看板もあるのですぐにテストセンターとわかると思います。

福岡天神テストセンター

https://テストセンター.com/アクセス・地図/

九州には福岡と熊本と宮崎の3箇所で受験できるようです。

福岡天神テストセンターは博多駅からだと天神に移動して徒歩で15分程度の距離の建物にあります。
他のテストセンターと違う特徴としてはほとんどのテストセンターは建物のフロア1つを貸し切りにしている場所が多いのですが、普通のマンションっぽい建物の1室がテストセンターになっている点です。

テストを受けに行ったときに本当にここであってるのかな?となった記憶があります。
詳細はこちらの記事が参考になると思います。天神で受けられる方は事前にテストセンターの情報を整理しておきましょう。
https://blog.g-gen.co.jp/entry/2021/12/13/161508

おわり

長くなりましたがGoogle Cloud資格試験を全資格取得するにあたっての目標設定方法、勉強、試験感想、テストセンターについてのtipsを書かせていただきました。

Google Cloudもこれから伸びていくパブリッククラウドサービスだと思っていますので、業務や趣味でGoogle Cloudを触っている方にこの記事が少しでも貢献できれば幸いです。

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