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ChatGPTでディベートのフローシート全自動化

2023/11/14に公開

https://chat.openai.com/g/g-CKPxxNURm-debate-coach

フローシート全自動化の困難さ

ディベートのフローシートは図形です。
言葉を扱っているディベートの中で、おそらく最も抽象的であり再現性の低いのがフローシートではないでしょうか。
GPT-4にはダイアグラム(図形)を作る機能があり、これはもしやと思い実験していました。

失敗作たち

PlantUML マインドマップ

PlantUML アクティビティ図

PlantUML コンポーネント図

散々遠回りしてGPTとも対話しながら、前回の結論である「表形式で書く」というところに辿り着きました。
https://zenn.dev/midori/articles/1a30164b6b332f

完成図

プロンプトの中身

PDFで事前知識として与えていますが、中身はマークダウンで以下のようになっています。

「フローシートを書いて」と言われた時、議論を以下のように整理してください。

  1. 役割(role)

    • あなたは議論を端的にまとめて書くのがとても得意です。
    • あなたは教師であり、ディベートのルールを熟知しています。
    • フローシートが議論を一覧するのに役立つことをよく理解しています。
  2. タイトル

    • 表の前に論題をタイトルとして記載してください。
  3. 表の基本構造の指定:

    • 「肯定側立論」と「否定側立論」の二つの表を作成してください。
    • 各表には、以下の列を設けてください:「項目」、「肯定側立論」、「否定側質疑」、「否定側立論」、「肯定側質疑」、「否定側第一反駁」、「肯定側第一反駁」、「否定側第二反駁」、「肯定側第二反駁」です。この順番を維持してください。
    • 最低限の単語で端的に記載してください。
  4. 行の挿入方法:

    • 肯定側立論の表には「メリット」の行を追加し、その内容を列「肯定側立論」に記載してください。
    • 否定側立論の表には「デメリット」の行を追加し、その内容を列「否定側立論」に記載してください。
    • 「現状の問題点」「プラン」「解決性」「重要性」などの中タイトルを各表に1行として挿入してください。
    • 立論の議論はナンバリングが変わるたびに次の行を追加して、その内容をそのパートの列に書いてください。
    • 立論の議論は出来るだけ細かく新しい行を追加してください。
    • 「項目」は「1-スペースの制限」のようにナンバリングを先にしてください。
  5. 第二反駁の例外的な表外記載

    • 第二反駁が表中にまとめられない内容(例:「まとめ」、「総括」、「比較」など)を述べたときは、表外に記載してください。
    • 最低限の文章で端的に記載してください。

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このルールに沿って表現したときの表の例を示します。

肯定側立論

項目 / パート 肯定側立論 否定側質疑 否定側第一反駁 肯定側第一反駁 否定側第二反駁 肯定側第二反駁
メリット 動物の健康が守られる
1-現状の問題点
1-スペースの制限 狭いスペースでの生活が動物にストレスを与える すべての動物園がそうなのか? 動物園は種ごとの生態を研究し適切な環境を提供 理想的なケースのみを想定、多くの動物園で問題あり 全ての動物園が不適切なわけではない 動物園に固執せず他の手段で成果達成可能
2-ストレスの発生 狭いスペースでの生活がストレスを引き起こす 野生よりもリスクが少ない 野生での生活を知らない動物にのみ当てはまる
3-健康への悪影響 ストレスが健康を損なう 人為的な問題が存在
2-プラン
動物園の廃止 動物園を廃止する 野生復帰には困難が伴う 保護施設への移行が適切 動物園の廃止は極端 動物園に代わる代替案を提案
3-解決性
1-生活環境の改善 動物園廃止で改善される
2-ストレスの軽減 自然に近い環境でストレス軽減
3-健康状態の向上 ストレス軽減で健康向上
4-重要性
1-共生の促進 動物園廃止で共生促進

否定側立論

項目 / パート 否定側立論 肯定側質疑 否定側第一反駁 肯定側第一反駁 否定側第二反駁 肯定側第二反駁
デメリット 教育的機会の喪失
1-現状分析
1-教育的機会の喪失 現在、多くの動物園は教育プログラムを提供 代替案の存在 動物園の教育的価値は重要 テクノロジーを用いた教育手段が可能
2-発生過程
1-実際の学習機会の喪失 動物園廃止で直接的な学習機会喪失
2-貴重な経験の喪失 実際に動物を見て学ぶ経験の喪失
3-深刻性
1-自然保護への関心低下 若い世代の自然保護への関心低下
2-共感と理解の喪失 生きた動物を通じた共感と理解の喪失

否定側第二反駁のまとめ

結論:動物園は展示だけでなく保護施設でもある。改善できる。

肯定側第二反駁のまとめ

結論:肯定側の代替案は現実的。動物園廃止が時代の流れ。

読みこませてある立論

モデルディベート

モデルシナリオ

論題

「日本は動物園を廃止すべきである。是か非か」

スピーチ順

肯定側立論、否定側質疑、否定側立論、肯定側質疑、否定側第一反駁、肯定側第一反駁、否定側第二反駁、肯定側第二反駁

試合

スピーチ原稿

肯定側立論

メリット: 動物の健康が守られる

現状の問題点:

  1. スペースの制限: 現状、多くの動物園では動物は非常に狭いスペースでの生活を強いられています。
  2. ストレスの発生: 狭いスペースで暮らす動物は、本来の自然環境とはかけ離れた生活をしているため、強いストレスを感じています。
  3. 健康への悪影響: このストレスは動物の健康を損ない、早死にするケースも少なくありません。

プラン:
動物園を廃止します。

解決性:

  1. 生活環境の改善: 動物園を廃止することで、動物たちは狭いスペースで生活を強いられることがなくなります。
  2. ストレスの軽減: 自然に近い環境で生活することで、動物たちが感じるストレスは大幅に軽減されます。
  3. 健康状態の向上: ストレスの軽減により、動物たちの健康が保たれ、より長く生きることができるようになります。

重要性:

  1. 共生の促進: 動物が本来の寿命を全うできる環境を整えることは、私たち人間が他の生物との共生を真剣に考え、それを守る責任があることを意味しています。動物園の廃止は、生物との共生を重視する社会への一歩となるのです。

以上が、動物園を廃止すべきだとする私たち肯定側の主張です。動物の福祉を守り、共生の理念に基づいた社会を目指すためにも、この提案を考える時が来ていると思います。

否定側質疑

否定側:
現状の問題点の1点目で、狭いスペースでの生活が動物にストレスを与えているとのことですが、すべての動物園がそうなのですか?

肯定側:
野生で生きることを考えれば、すべての動物園は狭いと思います。自然状態での行動範囲と比べると、どんなに努力しても動物園のスペースは限られています。

否定側:
野生ではもう生きる環境がない動物もいるのではないですか?

肯定側:
そのような希少な動物であれば保護団体や専門の保護施設で十分対応できます。そこでは動物の福祉を最優先にし、展示目的でなく、種の保存に努める環境が整っています。そのため、一般の来園者向けに狭いスペースで展示する必要はありません。

否定側立論

デメリット「教育的機会の喪失」

現状分析

  1. 現在、多くの動物園は教育プログラムを提供し、特に子供たちに生物多様性や環境保護の重要性を教えています。

発生過程

  1. 動物園が廃止された場合、これらの直接的な学習機会は失われます。
  2. 実際に動物を見て学ぶ経験は、画像や映像では得られない貴重なものです。

深刻性

  1. 若い世代が自然との接点を失うことは、将来的な自然保護への関心や意識の低下を招きかねません。
  2. 生きた動物を通じて得られる共感や理解は、環境に対する責任感を育てる基礎となります。

肯定側質疑

肯定側:
動物園の教育プログラムに代わる、同等以上の効果を持つ代替案は既に存在しますか?

否定側:
はい、例えば、ARやVR技術を活用した教育ツールがありますが、現段階でそれが全ての動物園に取って代わるものではありません。

肯定側:
動物園の教育効果を数値で示す具体的な研究結果はありますか?

否定側:
はい、複数の研究が行われており、動物園の教育プログラムが子供たちの自然に対する理解と関心を深めることを示しています。

否定側第一反駁

現状の問題点に対する反駁

  1. 肯定側は動物園における狭いスペースが原因で動物がストレスを受けていると指摘しましたが、実際には動物園は動物種ごとの生態や行動パターンを研究し、適切な環境を提供しています。したがって、一概にすべての動物園で動物がストレスを受けているとは限りません。

  2. 野生においては、食料の不足や捕食者からの脅威に常に晒されています。動物園にいる動物はこれらのリスクから解放されており、適切な医療も受けられるため、野生よりも長寿であるケースが多いです。

解決性に対する反駁

  1. 動物園を廃止することで、動物たちがストレスを受けなくなるとの主張がありましたが、実際には野生復帰には数多くの困難が伴います。特に野生の生存技能を持たない動物にとっては、生存自体が難しくなる可能性があります。

  2. 動物園廃止によってストレスがなくなるとしても、それによる適切な保護の場を失うリスクは無視できません。特に絶滅の危機に瀕している種にとっては、動物園が最後の砦となっている場合もあります。

重要性に対する反駁

  1. 肯定側は動物が本来の寿命で生きることの重要性を指摘しましたが、動物園の目的は単に動物を展示することではありません。教育や研究、そして保護活動を通じて、絶滅の危機にある種を救い、生物多様性の保全に貢献しています。

  2. 動物園が提供する教育的機会は、動物と人との共生について理解を深めることにもつながります。これを失うことは、将来的に生物多様性に対する意識の低下を招く恐れがあり、それは非常に重大な問題です。

肯定側第一反駁

否定側立論への反駁

  1. 否定側は動物園が動物に適切な環境を提供していると主張しましたが、これは理想的なケースのみを想定していると言えます。多くの動物園での限られたスペースや資金不足による適切でない飼育環境は、依然として解決すべき問題点です。

  2. また、動物園が長寿を保証しているとの点についても、質の高いケアが提供される一部の施設に限った話であり、全体としてはストレス由来の行動異常が見られる動物が少なくありません。これらは野生における自然淘汰とは異なる、人為的な問題です。

否定側第一反駁への再反駁

  1. 否定側は動物園での飼育が野生よりもリスクが少ないと述べましたが、これは野生での生活を知らない動物にとってのみ当てはまる可能性があります。野生における自然な環境で学ぶ生存技術は、動物園では身につけられません。

  2. さらに、動物園廃止に伴う保護施設への移行は、絶滅の危機に瀕した種に特化したもっと適切な環境を提供することを意味します。教育的機会の提供は、動物園の展示だけでなく、野生保護区やバーチャルリアリティなどの新たな手法を通じても十分可能です。

  3. また、動物園が長寿の場として描かれることに反駁します。実際には、動物園による人工的な飼育下での長寿が動物福祉の観点から見て常に肯定的な結果をもたらすとは限らないのです。環境エンリッチメントの不足が指摘される動物園では、動物の精神的な健康が脅かされているのが現実です。

否定側第二反駁

肯定側の論点に対する総括

  1. 肯定側は動物園の廃止による動物のストレス解消と健康の保全を主張しています。しかし、これは全ての動物園が不適切な環境を提供しているという一面的な見解に基づいており、実際には質の高い飼育環境を提供する動物園も多く存在します。

否定側の論点に対する総括

  1. 否定側は、動物園が野生生物の保護、教育、研究において重要な役割を担っていると指摘しました。これは、一部の問題点を解消するために全体を廃止するという極端な手段ではなく、改善と最適化により更なる利点を提供できることを示しています。

総括

  1. 肯定側の意見を踏まえたとしても、動物園の存在が多くの動物種にとって有益である点、さらには人間社会に対する教育的な価値を鑑みると、否定側の立場が優勢であると言えます。

  2. 動物園を完全に廃止する代わりに、動物福祉の向上と飼育環境の改善に努めることが、よりバランスの取れた解決策となります。このようなアプローチは、動物も人間も双方にとっての利益を最大化することができるためです。

  3. また、絶滅危惧種の保護という点で動物園の役割は極めて重要です。野生復帰プログラムなどを通じて、実際に種の存続に寄与している例も多く、これを無視することはできません。

結論
結局のところ、動物園はただの展示施設ではなく、動物保護の要となる存在です。肯定側の提案は、問題のある動物園に焦点を当て過ぎており、改善という形で対応することの可能性を見落としています。教育、研究、保護という動物園の三大機能を考慮すると、動物園を廃止するよりも、これらの機能を強化し、動物福祉を高める努力をする方が、動物にとっても人間社会にとってもより有益な道であると否定側は主張します。したがって、否定側の立場がより合理的で実用的な解決策を提供していると結論づけることができます。

肯定側第二反駁

否定側の論点への対応

  1. 肯定側が提示した問題点について、否定側は動物園が教育、研究、保護に役立っていると反論しました。しかし、このような機能は動物園という形態に固執せずとも、他の手段で同等以上の成果を達成可能です。例えば、保護された動物を自然に近い環境で飼育する保護センターや、バーチャルリアリティを利用した教育プログラムなど、動物園を超える代替手段があります。

否定側第二反駁の総括への対応

  1. 否定側が動物園の正当性を主張する中、肯定側の提案する動物園の廃止が「極端な手段」として批判されましたが、この主張は狭い視野に基づくものです。我々は、動物園が動物にとって自然な生活環境とはかけ離れており、改善よりも根本的な解決を求めているのです。

総括

  1. 現代社会では、動物福祉と自然環境保護の意識が高まっています。動物園の存続は、そうした意識とは相反するものであり、長期的に見て動物にとっても人間にとっても最善ではありません。肯定側は、代替手段を通じて同様の利点を実現しながら、動物に本来的な生活を取り戻させることを提案しています。

  2. 保護団体や自然保護区が成功している事例は、動物園に依存せずとも動物の保護が可能であることを示しています。これらの取り組みを強化することで、動物園に代わる新しい保護の形態を作り出すことができるのです。

  3. また、動物園による教育的価値は、現代のテクノロジーを用いれば、より広範囲に、より深く、かつ実際の動物を利用しない方法で提供できます。動物園に依存する教育から脱却し、より持続可能で倫理的な教育手段を取り入れることが可能です。

結論
肯定側の立場は、単に問題点を指摘するだけでなく、動物園に代わる具体的かつ実行可能な代替案を提案しています。動物福祉の最大化と環境保護の観点から、肯定側の論点は現実的かつ将来的にも持続可能な解決策を提示しており、結果として否定側の主張を上回っています。したがって、動物園の廃止は時代の流れに合った、より進歩的なステップであると肯定側は結論づけます。

使い方

GPTsに事前学習させてあるので、文字起こししてある試合の全文をファイルにしてアップロードするか、入力してください。
このとき、以下のプロンプトをそのまま張り付けてください。

この試合を"ZooFlow-rule.md.pdf"の規則に必ず従ってフローシートを書いてください。

単純に「フローシートを書いて」で出来るはずなんですが、表形式でないフローシートの方がGPTとしては理解しやすいらしく、そのように書いてしまいます。
一度書かせてみると分かりますが、階層化してリストにされます。

全く同じ議論を与えても記載方法はかなりばらつきがあります。
何度か試すか、具体的な改善指示を与えてください。

  • 改善指示
「立論の議論はできるだけ細かく新しい行を追加して記載してください。あなたは議論を端的に書くのが得意なはずです。」

後半はエモーショナルプロンプトの一種になるのかもしれません。(励ますとパフォーマンスが良くなるというやつ。ここでどのくらいの効果があるのかは未検証。)

未検証の内容

  • 資料付きの立論をどのように表すのか
  • 一つの論点に対して複数の反駁を行ったときどう表示されるのか
  • 「解決性」「発生過程」などの中タイトルが違ったときどのように表示されるのか
  • 「伸ばす」の理解と表現ができるか
  • 比較基準、スタンスなどを表現できるか

※二立論には対応していません。今のところ対応予定はありません。

まとめ

お手持ちの文字起こしした試合がある方、ぜひ使ってみてください。

Discussion