チケット作成が面倒なのでChatGPTに手伝ってもらう
はじめに
以前こちらの記事で書いた通り、昔エンジニアとして働いていた時の杵柄で、営業としての仕事もチケットで管理するということを試してみています。
ですがエンジニアと違って営業の仕事は細分化されており、脈絡がないことがほとんどでチケット作成が逆に負担になってしまうこともしばしばありました。
そこで、ChatGPTを使ってこの作業を少しでも楽に出来ないかと考えたので記事としてまとめてみます。
チケットについて
前提となるチケットはテンプレートとして以下の項目を埋めるようにしています。
- 依頼背景(Background):
- 期待される出力(Expected Output):
- 完了条件(Acceprance Criteria):
内容としては一般的かと思いますがこれが意外と面倒なのです……
プロンプト
さて、ChatGPTを利用するときは入力に対してどのような出力を期待するかを明記します。
これを プロンプト
と呼びます。
このプロンプトの書き方を工夫することで適切なコストで期待される出力を目指すことを プロンプトデザイン
と呼んだりします。
このプロンプトデザインだけで記事がいくつも書けてしまうくらい深いのですが、今回はチケットをさくせいしてもらうだけのシンプルなものなので以下のプロンプトで十分でした。
あなたには登録するチケットを作成してもらいます。
今後私が入力する内容はチケットとして起票したい内容です。
以下のテンプレートに変換してください。
わかりましたか?
・出力
‐依頼背景(Background):
‐期待される出力(Expected Output):
-完了条件(Acceprance Criteria):
はい、わかりました。以下のテンプレートに従ってチケットを作成します。
・依頼背景(Background):
[ここに依頼の背景を記入してください。なぜこの依頼が必要なのか、背景について詳しく説明してください。]
・期待される出力(Expected Output):
[ここに期待される出力を記入してください。何を達成したいのか、期待する成果物や結果について詳しく説明してください。]
・完了条件(Acceptance Criteria):
[ここに完了条件を記入してください。完了とみなされるためにはどのような条件が必要なのか、具体的に説明してください。例えば、期限、品質基準、納品物などを指定することができます。]
以上、チケットの作成が完了しました。必要に応じて、テンプレートをカスタマイズして使用することができます。何か他にお力になれることがあれば、遠慮なくお知らせください。
ここで注目してほしいのはそれぞれの項目についてどういった内容が記入されるべきかを推測してくれていることです。
実例を見ていただくと分かりやすいですが、チケットを作成する際は概要を入力するだけでその内容を推測して各項目を埋めてくれます。
これが正確かつプロンプトで補完可能なのでわざわざ各項目を埋めることなく作成が可能になります。
具体例
ではいくつか具体例を挙げてみます。
なお、チケット作成時は機密情報が入力されないように注意を払って利用しています。
1. セミナー参加者のフォローアップメール送信
以下のチケットを作成してください。
セミナー参加者のフォローアップメール送信
了解しました。以下の内容でチケットを作成いたします。
・概要(Summary):
セミナー参加者のフォローアップメール送信
・依頼背景(Background):
当社が主催したセミナーには多数の参加者がおり、参加者にはメールアドレスが提供されています。このチケットは、参加者へのフォローアップメールを送信することを目的としています。
・期待される出力(Expected Output):
参加者へのフォローアップメールを作成し、送信することが期待されています。メールには、セミナーの感想やフィードバック、今後のイベント情報などが含まれます。
・完了条件(Acceptance Criteria):
以下の条件が満たされた場合に、このチケットは完了とみなされます。
参加者へのフォローアップメールが必要な情報を含んでいること。
メールが参加者に送信されたこと。
メール送信に使用したアドレスが正しいこと。
メール送信後、一定期間内に返信があった場合は、その返信に対して返信するか、適切な対応をすること。
以上、チケットの作成が完了しました。必要に応じて、テンプレートをカスタマイズして使用することができます。何か他にお力になれることがあれば、遠慮なくお知らせください。
2. 契約更新にかかる見積書を日本法人として作成する
以下のチケットを作成してください。
契約更新にかかる見積書を日本法人として作成する
了解しました。以下の内容でチケットを作成いたします。
・概要(Summary):
日本法人として契約更新にかかる見積書の作成
・依頼背景(Background):
当社は、あるサービスの契約更新のために見積書を作成する必要があります。このチケットでは、当社の日本法人が見積書を作成することが求められます。
・期待される出力(Expected Output):
当社の日本法人が、契約更新にかかる見積書を作成することが期待されています。見積書には、サービス内容、価格、支払い条件などが含まれます。
・完了条件(Acceptance Criteria):
以下の条件が満たされた場合に、このチケットは完了とみなされます。
契約更新にかかる見積書に必要な情報がすべて含まれていること。
見積書が当社の日本法人によって作成されたこと。
見積書が契約相手に提出され、承認されたこと。
以上、チケットの作成が完了しました。必要に応じて、テンプレートをカスタマイズして使用することができます。何か他にお力になれることがあれば、遠慮なくお知らせください。
このように入力した概要から中身を推測してチケットを作成してくれることが分かります。
APIを利用すればチケットの自動発行まで可能でしょうが、私はコピペして使っています。
時折、以下のようにチケットが作成できない場合があります。
申し訳ありませんが、この依頼からはチケットを作成することができません。なぜなら、依頼された内容からは、チケットの概要、依頼背景、期待される出力、完了条件が明確に定義されていないためです。
もし、以下の情報を提供いただければ、チケットを作成することが可能です。
ドラフトのSOWの詳細
レビューに必要な期限
レビューに必要な人数や担当者の指定
よろしくお願いいたします。
このような場合は適切な情報を補完してあげることでチケットの作成が可能になります。
以下のチケットを作成してください。
SOWのレビュー
※SOWはStatementOfWorksの略で、作業範囲について合意をする書類です。
了解しました。以下の内容でチケットを作成いたします。
・概要(Summary):
SOWのレビュー
・依頼背景(Background):
当社は、あるプロジェクトにおいて、パートナー企業との間でSOWの作成を行いました。このチケットは、作成されたSOWのレビューを行うことを目的としています。
・期待される出力(Expected Output):
作成されたSOWについて、レビューを行い、必要に応じて修正や追加を行うことが期待されています。SOWには、プロジェクトの目的、スケジュール、作業範囲、成果物、報告書などが含まれます。
・完了条件(Acceptance Criteria):
以下の条件が満たされた場合に、このチケットは完了とみなされます。
SOWのレビューが適切な方法で実施されたこと。
レビュー結果に基づき、必要な修正や追加がSOWに反映されたこと。
パートナー企業がSOWに合意し、承認したこと。
SOWの修正や追加が必要であった場合には、その修正や追加が実施されたこと。
以上、チケットの作成が完了しました。必要に応じて、テンプレートをカスタマイズして使用することができます。何か他にお力になれることがあれば、遠慮なくお知らせください。
応用
今のところ私の業務範囲ではここまでの仕組みで十分役に立っていますがプロンプトを工夫することでより簡便にチケットを作成することも可能になるでしょう。
例えばプロンプトの中でメール作成に関わるチケットには必ず送信相手からの返信メールを期待される出力に追加されるようにする、など特定のタスクに置けるチケットの中身をより詳細に定義できます。
また、同じ考え方でアサインする人を決めたりできます。
さいごに
最近は専ら仕事をするときはChatGPT専用のサブモニタを用意して作業しています。
もはやChatGPTなしで仕事は成り立ちません……
皆様もChatGPTを有効活用して業務改善していただければと思います!
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