🎰

遊技機2Dデザイナー歴17年のノウハウをブログに書いてみた(3回目

に公開

お世話になっております。
株式会社マトリックス ゲーム事業部 デザイン一課 の遠藤です。
遊技機開発にて2Dデザインをメイン業務として担当しております。
3回目となる今回はより業務的な内容に触れたいと思います。

遊技機2Dデザイナーを志望される方の中には、キャラクターイラストを描く創作をメインにされる方が
多く、Photoshopの機能もイラストを描く上で必要なものに限られがちかと思います。
遊技機開発においては、これまで使う機会が少ない機能を多様しますのでご紹介出来ればと思います。
ツールの詳細な解説は色々なサイトで丁寧にご紹介されていますので割愛します。

まずはパス/シェイプを覚えよう!

遊技機2Dデザインを業務とする上で基本中の基本「パス」 汎用性が高いので覚えましょう。
イラストをブラシで描くように、遊技機2Dデザインではパスを使ってデザイン物を作ります。
ラフデザインはブラシで描いたりもしますが、仕上げはパスで作ることが多いです。

解説サイトを見ると色々難しい言葉で書かれてますが、そこまで複雑ではありませんので
基本操作を理解すれば誰でも扱える便利ツールです。

それとパスを多用するのでショートカットを覚えると非常に効率が上がります!
体で指で記憶するように普段からショートカットを意識してみてください。

なぜパスで作るのか?パスを使うメリットとは

・サイズ変更で絵が崩れない!

【拡大】でボケたり【縮小】で潰れたりしないため、後々自由に大きさを変える事が出来ます。

遊技機の液晶は結構大きいので、大きく表示したり、小さく表示したり様々です。
基本は大きく作ります(指定の2倍)が更に大きく使う可能性も見据えてパスで作りましょう

・修正が用意で、汎用性が高い!

ブラシで描くと手癖が出たり属人性が強くなりますが、パスは修正、複製が容易で
引継ぎが発生しても再現性が高いです。レイヤースタイルと組み合わせも非常に良いです。
ちょっと横幅を伸ばしたい、形を変えたいといった時、パスで作成すると容易に変更が出来ます。

・ぼかすことも出来る!

ベクターデータのためラインがシャープで意図しないボケが生まれません。

設定でぼかすことも出来るので、ブラシで描くより仕上がりがきれいです。
アウトラインがパスなので境界線もきれいに取れる

・ベタ塗りでムラがない!

パスで囲って塗りつぶすため、塗りムラができない!

ブラシで描くと隙間が出来たりムラが出来て上に重ねる効果にも影響が出てしまう
シェイプであれは色の変更も容易で、グラデーションもシェイプ内で完結できる

・3Dツールへの対応も可能

Element 3DというAfter Effectsのプラグインではパスから3Dを作れます。
遊技機映像制作において多様しますので、パスデータを求められることが多いです。

パスで作っておけば後からパスを起こすという作業が発生せず非常に効率的です。

あらゆる場面で活躍するパス、シェイプ
兎に角まずはパスの扱いを覚えよう!! と言うのが自分の考えです。

フォントのシェイプ化

文字系デザイン、ロゴデザインを作成する事が多いです。
手書き文字で作成する事もありますが、フォントをベースにすることが多いです。
フォント自体は変形拡大しても劣化はありませんが、シェイプ化する事で出来る事が増えます!

フォントのレイヤーで右クリック→シェイプに変換の手順で変換出来ます。

※注意※
シェイプ→フォント化は出来ません!!
なんのフォントを使ったかを後に確認出来るようフォントデータも残しておきましょう

・変形の制限が無くなる

フォントの状態では「多方向に伸縮」「遠近法」が出来ないため、立体的な表現が難しいです。
シェイプ化する事によって制限がとれますので加工しやすくなります。

・境界線が角ばった仕上がりに

同じ10pxの境界線を引いた状態でも、レイヤースタイルとシェイプの機能ので引いた境界線では
見栄えが異なります。境界線では角が丸まった仕上がりですが、シェイプでは角ばった仕上がりになります。

角が立っているとカッコよくて、クオリティーが高く見えるんですよね

・フォントを太く細く、境界線を引くことが出来る

フォントのサイズは変更可能ですが、シェイプ化したフォントをillustratorにコピー&ペースト
【パスのオフセット】で太く、細く、調整することが出来ます。

パスを扱う上での注意点

・パスの加筆

フォントをベースに加筆、変形を加える場合は特にご注意ください!

既存のフォントは形が整っていてバランスが取れているが、少し変化をつけたい
そんな時に加筆したり、変形したりしますが調整を加えている間に問題につながる
調整を加えがちなので、意識しながら調整してみると良いと思います。

・パスのショートカットを覚えよう!

パスの作業は結構時間がかかります。
ショートカットを駆使する事で作業効率を上げられますので
基本操作のショートカットを覚えましょう!

主に使うショートカットをまとめてみましたので参考にしてみてください。

まとめ

遊技機2Dデザインブログ3回目は、遊技機2Dデザインにおいて
一番使用頻度が高い「パス」についてまとめてみました。

イラスト上達の基本として線を思い通りにキレイに引けるよう練習するように
パスを思う通りに操作するスキルを磨く必要があります。

仕上りのクオリティーを担保するためにも、丁寧な作業は欠かせません
制作に興味がある方はパスを使ってキレイなラインを取れるようスキルを磨いてください。

次回予告

第4回目ではクオリティーの上げ方やデザインの考え方などより実践的な記事をかけたらと考えております。
次回もどうぞよろしくお願いします!

Discussion