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チームで意思決定をするときのフレームワーク「DACI(デイシー)」

2023/11/10に公開

「一方通行のドア」と「双方向の扉」

パーキンソンの凡俗法則(パーキンソンのぼんぞくほうそく)を知っていますか?

「重要で複雑な事柄」よりも「あまり重要ではなく単純な事柄」に時間をかけてしまうバイアスのことです。
つまり、すべての決定を「重要な決定」だと考えてしまい、慎重に時間をかけて決定しようとしてしまいます。

AmazonのCEOであるジェフ・ベゾスは、決定には2つの基本的な種類があると言っています。

  1. 「一方通行のドア」は、元に戻すのがほとんど不可能な決定です。たとえば、会社を売る、仕事を辞める場合は、元に戻せないか戻すために膨大な労力が必要になります。
  2. 「双方向の扉」は、(ほとんどの場合想像するよりもはるかに少ない)少しの時間と労力で元に戻せる決定です。たとえば、新しいサービスの提供を開始する、新しい価格に見直す場合です。

その問題が「一方通行のドア」なのであれば、慎重に検討して決定しましょう。
もしそれが「双方向の扉」なのであれば、早く決断して、早く実行しましょう。
もし失敗してしまったとしても元に戻せばいいだけです。

そして私たちは「失敗する方法」を手に入れました。次に実行するときは、もっとうまくやれるはずです。
もちろん、「これ以上進めない」決断をしても、「何か別の情報が得られたらもう一度やってみる」決断をしてもいいですね。

参考情報

「DACI(デイシー)」で役割分担を明確にする

決定する方法が曖昧だと、「誰かが決めてくれるだろう」「何が解決したら決められるんだろう?」となってしまい、結論や決定にたどり着けません。

決定の方法はいくつかあり、どれにするかでまた議論が始まってしまいます。

  1. ランダム
  2. 代表者1名にゆだねる
  3. 多数決
  4. 優先順位を決める
  5. データを基にする
  6. 満場一致

「DACI」は役割分担を明確にしてチームの意思決定を円滑にするためのフレームワークです。
「基本的には『DACI』を使おう」と最初から合意しておけば、「決め方を決める」必要が無くなります。

「DACI」は以下の4つの頭文字をとっています。

  • 推進者(Driver)
  • 承認者(Approver)
  • 貢献者(Contributor)
  • 報告者(Informed)

「DACI」には以下のようなメリットがあります。

  • 「自分が何をするべきか」が明確になる
  • 「誰に意見を求めるべき」で「誰の意見は必ずしも取り入れなくていいのか」をフレームワーク側が決めてくれる
  • 「プロジェクトの状況」や「決まったこと」がすべての関係者に伝えられる

推進者(Driver)

意思決定に向けてチームを推進する人です。

プロジェクトリーダーとして、現状を関係者に認識してもらいながら、情報収集・質問への回答・アクションを完了させる責任を持っています。
1人で担当します。

承認者(Approver)

意思決定に関する承認をする、最終決定権を持つ人です。
プロジェクトを適切に完遂させる責任を持っています。

人数は少ないほうがよく、できれば1人で担当します。

貢献者(Contributor)

適切な意思決定をするために、意思決定プロセスに関わる人です。
貢献者からの意見や提案をプロジェクトに取り込む責任があり、それによって意思決定の質を上げることが期待されます。

貢献者が多くなりすぎる場合は、職種や部署などをとりまとめる代表者をたてて、ミーティングの参加人数を増やしすぎないようにしてください。

報告者(Informed)

意思決定をした結果に影響を受けるが、意思決定には直接的に関与しない人です。
報告者から意見や提案をすることは歓迎しますが、プロジェクトに必ずしも取り込む必要はありません。

「DACI」シート

以下のような項目をまとめておくとスムーズに進められます。

  • テーマ:何を決定したいのか。
  • ゴール:何を達成できたら適切に決定できたと言えるのか。
  • 背景:意思決定が必要な理由、具体的にどんなことで困っているのか。
  • 期限:意思決定をいつまでにしたいのか。
  • リソース:どれくらいの予算や時間を使う想定なのか。
  • 情報:意思決定をする上で役にたつデータ。
  • 役割:関係者の「DACI」における役割。

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