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「やってよかった」と思ってもらえるように共有している1on1のガイドライン

2023/08/02に公開

1on1を実施する目的が違えば、実施する内容も違うと思うのですが、個人的にチームメンバーに共有しているドキュメントを公開します。
マネージャーやリーダー、そして1on1を受けるメンバーの双方にとって、少しでもヒントが渡せたら嬉しいです。

このガイドラインの目的

  1. 1on1に参加するすべての人に、1on1に関する前提知識を共有すること
  2. 1on1に対する考え方を共有して、率直に話ができる状態にすること
  3. 建設的に時間を使うための共通認識を、いつでも読み返せるようにすること

1on1とは?

  • 一般的には、上司と部下が1対1でおこなう対話のことです
    • ここでは、上限関係ではない場合も1on1と呼びぶため、上司を「メンター」(助言をする人)、部下を「メンティー」(助言を受ける人)と呼びます
  • MBO(目標管理制度)と違い、短いサイクルで定常的におこなうのが特徴です
    • 頻度は週に1回から月に1回、時間は15分から1時間が目安です
    • 業界の変化が早かったり、習熟度が低い場合は頻度を高めるのが効果的です
  • メンティーがやりがいをもって働けるようにするための時間です
  • 短期的な効果よりも、中長期的な視点を大切にします

1on1でやらないこと

  • 評価するための手段として使うこと
  • 誰かを非難する(欠点や間違いを責める)こと
    • 人が問題なのではなく、行動が問題だったと考えます
    • 問題を解決するために必要な行動を一緒に考えます
  • メンティーの話しを最後まで聞かないこと
  • メンターが一方的に話すこと
    • メンティーが話すことを軸にします
    • メンターだけがトクをする時間にはしません
  • メンターが一方的に指示すること
    • 何をするのか、どのようにするのかはメンティーが決めます
  • メンターばかりが実行すること
    • メンティーが実行の主体です
    • メンティーだけで解決できないことは、メンターや他のメンバーも協力します

1on1の目的

  • 最高のアウトプットができる、働きがいのあるチームになること
  • メンティーが苦しんでいることを顕在化して、前向きに働けるようにすること
  • 業務内外に関するお互いの理解を深めること

1on1のゴール

  • お互いが、ポジティブなこともネガティブなことも伝え合える関係性を築けている状態
  • メンティーの不安が解決できている、または顕在化できている状態
  • 1on1の費用対効果をプラスと感じている状態
    • たとえば1ヶ月1時間で実施する場合、労働時間の約0.6%(金額は各自で計算してください)を使うメリットや効果をお互いが感じている状態
    • 「マイナスだからやらない」ではなく、「プラスになるやり方」を一緒に考えていきましょう

1on1の実施に関するいろいろ

スケジュール

  • 案件よりも優先度が下がってしまうため、定期的にスケジュールを設定して時間を確保します
  • どうしても外せない用件があったり、休暇をとりたい場合などはリスケしましょう

記録

  • 1on1で話した内容は議事録を残して、いつでも読み返せるようにします
  • できればその場で話を整理しながら、リアルタイムに記録を残していきましょう
  • 基本的には、2人だけが閲覧できるクローズドな場所に残します
    • できる範囲で情報をオープンにしていきましょう

テーマ

  • 話す内容は、基本的にメンティーが議事録に記載してください
    • 話したいことはメンティー自身しか知らないため
    • 複数の1on1を実施しているメンターの負担を軽減するため

1on1のテーマ

「何について話そうかな?」と迷ったら、4つのテーマを参考に、話したいことを探してみてください。

  1. 仕事以外のことを話したい(直近×プライベート)
  2. 業務における気づきや不安を話したい(直近×仕事)
  3. 専門スキルについて話したい(短期×仕事)
  4. キャリアプランについて(中長期×仕事)

1.仕事以外のことを話したい(直近×プライベート)

  • 業務に直接関係のないプライベートな話
    • 週末はどんなことをしていたか、最近買ったもの、最近ハマっていることなど
  • そのできごとに対して感じたこと・エピソード
    • どんなところが楽しかったか・良かったか、どんなキッカケがあったかなど

2.業務における気づきや不安を話したい(直近×仕事)

  • やってみたこと
  • やってみて良かったこと、うまく解決できたこと
  • うまくいかなかったこと
  • 挑戦してみたいこと
  • 緊急であるかに関わらず、不安に感じていたり困っていること

3.専門スキルについて話したい(短期×仕事)

  • 取り組んでいること
  • 意見を聞いてみたいこと
  • 問題や困っていること
  • 手助けしてほしいこと

4.キャリアプランについて(中長期×仕事)

  • ここ半年や1年で力を入れていきたいこと
  • 今の仕事でやりがいを感じていること、大切にしていること
  • 1年以上先に実現していきたいこと、身につけたいスキル
  • うまく言葉にできないけれど不安に感じていること

1on1のスタンス

「話を聞いてほしいだけなのに、めっちゃアドバイスされる」「一緒に考えてほしいのに、質問ばかりされる」みたいなことを避けたいです。

「こんな感じで聞いてもらえると嬉しい」というスタンスをお互いに共有するようにしましょう。

※複数選択可

  • 話を聞いてほしい
  • 意見を聞きたい
  • 一緒に考えてほしい
  • 具体的なアドバイスがほしい
  • 気づきを引き出してほしい

メンターの基本スタンスはこちらです。

  1. 話をしっかり聴く(傾聴)
  2. 認識合わせをする(前提の確認)
  3. 問いを立てる(何に困っていて、何をどう変えるか)
  4. 結論をまとめる(何をするか)

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