Civil3D | パイプネットワークを3Dソリッドにする方法
はじめに
必須:ジャンル: 🖥ソフトウェア
関連ソフト: AutoCAD, Civil 3D, その他
関連業務内容: モデリング
こんにちは。Malme技術部、村田です。
今回はCivil3Dで作成したパイプネットワークを3Dソリッドに変換する方法を記します。
変換後のファイルは、AutoCADやARES Commander等で表示することができます!
(できるファイルとできないファイルがあります。)
自己紹介
ドボジョ。AutoCADで3Dモデリング歴11年。
AutoCADで小さいネジから街並みまで、土木・建築のあらゆるパーツをモデル化してきたが、一歩進んでBIM/CIMモデル作成に携わりたく、「ドボクをもっとおもしろく」のMalmeに転職。
RevitよりCivil3Dの方がAutoCADに近いこともあり、Civil3DをメインにBIM/CIMモデル作成を行っています。
対象者
Civil3Dで管路モデルを作成している人
Civil3DとAutoCADの両方を業務で使う方
Civil3DとAutoCADの互換性に苦戦している方
Civil3Dとは
Civil3Dは、Autodesk社が提供しているCADソフトの中で、より土木設計向けのソフトです。
他のソフトと比較すると、AutoCAD LTは2次元のみ、AutoCADは3次元も使用可能ですが、Civil 3Dは3次元に加えて土木設計で良く用いられるツールが加わっています。
Civil3Dの詳細についてはこちらの記事を読むと分かりやすいです。
Civil3Dで作成したパイプネットワークがAutoCADで表示されない問題
Civil3Dで作成したパイプネットワークをAutoCADで開くと、デフォルトではパイプが表示されません。パイプが配置されていると思われる箇所に、直方体と「AeccDbPipe」という文字が表示されます。
この要因は、「Civil3Dで作成した特殊なオブジェクトを表示させます!」というプラグインがインストールされていないためです。
AutodeskのHPより、AutoCADのプラグイン「Civil3D Object Enabler」をインストールすると、Civil3Dで作成した特殊なオブジェクトのパイプネットワークも表示されるようになります。
Civil3Dで作成したパイプネットワークがARES Commanderで表示されない問題
お客様のご使用ソフトは『ARES Commander』なことも多いです。
ARES Commanderは、ドイツのGraebert社が開発した2Dと3DのDWG図面を作成・編集できるCADソフトウェアです。
- AutoCADや他の類似ソフトと比べてコスト削減が可能
- DWGファイルの製図や設計に関する機能が豊富に搭載されている
- BIMデータを読み込み、検査・確認のためのDWG図面を作成できる
- BIMオブジェクト内に蓄積されたデータを抽出して図面生成を自動化できる
などの特徴があります。
ARES Commanderのソフト紹介はこちら
ARES Commanderにて、再びパイプネットワークが表示されない問題が発生。
どの様に解決するかについて、
『3Dソリッドにできれば、ARES Commanderでも、他のDWG互換ソフトでも、パイプネットワークが見れるようになるはず!』
と考えました。
なぜ管路をはじめから3Dソリッドで作成しないのか
AutoCADユーザーからは、多くの人が使用しているAutoCADで表示できるように、はじめから3Dソリッドで管路を作成すればいいのではないか、と言われそうですが、
Civil3Dのパイプネットワークには、メリットがあります!
Civil3Dのパイプネットワークでできること
- 管路に属性情報が入力される
- 管路の設計条件を基に、エラーチェックをしてくれる
- 管路の数量が拾える
- 管路の干渉チェックができる
- 縦断ビューで管路が作成できる
- 外部アプリケーションを使用して、流量解析ができる
など
3Dソリッドは見るだけになってしまいますが、パイプネットワークでモデルを作成すると、そのパイプネットワークのモデルを使用して、できることも増えるため、BIM/CIMモデルとしてメリットが多々あると思います。
つまり、管路モデルをBIM/CIM活用するなら、Civil3Dのパイプネットワークがおすすめです。
解決方法
『コマンドで一括変換』
①コマンドラインに「AECEXPORTTOAUTOCAD」と入力 → Enter
②指示に従いファイルの保存先とファイル名を入力 → 「保存」
以上
「Civil3D」パイプネットワークで作成したパイプオブジェクト
レイヤ名など一般情報の他に、流れの向き、ジオメトリ情報、パーツデータなどの情報を持っています。
「AutoCAD」Civil3Dで作成したパイプネットワークをコマンド一括変換後、AutoCADで読み込んだパイプの状況
「3Dソリッド」に変換できたことが確認できます。
「ARES Commander」Civil3Dで作成したパイプネットワークをコマンド一括変換後、ARES Commanderで読み込んだパイプの状況
こちらも「3Dソリッド」に変換され、無事表示させることができました。
上記の方法で3Dソリッドに変換できなかった時の対処法
上記の方法で、パイプネットワークを3Dソリッド変換できないファイルがありました。
その際、調べてみた方法です。無事、こちらの方も3Dソリッドに変換できました。
ご参照ください。
①コマンドラインに「ConvertTo3DSolids」と入力 → Enter
②パイプネットワークを選択(複数選択可) → Enter
③選択したパーツを削除する場合は「はい」、削除しない場合は「いいえ」を選択
④ソリッドに変換
ちなみに
地道に分解という方法もあります。
①パイプを選択し、コマンドラインに「X」(分解)と入力 → Enter
②1回目の分解で、パイプオブジェクトから「ブロック参照」オブジェクトに変換
③2回目の分解で、ブロック参照オブジェクトから「3Dソリッド」に変換
ご参考になれば幸いです。
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