🎷

Civil3D | パイプネットワークを3Dソリッドにする方法

2025/01/24に公開

はじめに

必須:ジャンル: 🖥ソフトウェア
関連ソフト: AutoCAD, Civil 3D, その他
関連業務内容: モデリング

こんにちは。Malme技術部、村田です。
今回はCivil3Dで作成したパイプネットワークを3Dソリッドに変換する方法を記します。
変換後のファイルは、AutoCADやARES Commander等で表示することができます!
(できるファイルとできないファイルがあります。)

自己紹介

ドボジョ。AutoCADで3Dモデリング歴11年。
AutoCADで小さいネジから街並みまで、土木・建築のあらゆるパーツをモデル化してきたが、一歩進んでBIM/CIMモデル作成に携わりたく、「ドボクをもっとおもしろく」のMalmeに転職。
RevitよりCivil3Dの方がAutoCADに近いこともあり、Civil3DをメインにBIM/CIMモデル作成を行っています。

対象者

Civil3Dで管路モデルを作成している人
Civil3DとAutoCADの両方を業務で使う方
Civil3DとAutoCADの互換性に苦戦している方

Civil3Dとは

Civil3Dは、Autodesk社が提供しているCADソフトの中で、より土木設計向けのソフトです。
他のソフトと比較すると、AutoCAD LTは2次元のみ、AutoCADは3次元も使用可能ですが、Civil 3Dは3次元に加えて土木設計で良く用いられるツールが加わっています。
Civil3Dの詳細についてはこちらの記事を読むと分かりやすいです。

Civil3Dで作成したパイプネットワークがAutoCADで表示されない問題

Civil3Dで作成したパイプネットワークをAutoCADで開くと、デフォルトではパイプが表示されません。パイプが配置されていると思われる箇所に、直方体と「AeccDbPipe」という文字が表示されます。

この要因は、「Civil3Dで作成した特殊なオブジェクトを表示させます!」というプラグインがインストールされていないためです。

AutodeskのHPより、AutoCADのプラグイン「Civil3D Object Enabler」をインストールすると、Civil3Dで作成した特殊なオブジェクトのパイプネットワークも表示されるようになります。

Civil3Dで作成したパイプネットワークがARES Commanderで表示されない問題

お客様のご使用ソフトは『ARES Commander』なことも多いです。
ARES Commanderは、ドイツのGraebert社が開発した2Dと3DのDWG図面を作成・編集できるCADソフトウェアです。

  • AutoCADや他の類似ソフトと比べてコスト削減が可能
  • DWGファイルの製図や設計に関する機能が豊富に搭載されている
  • BIMデータを読み込み、検査・確認のためのDWG図面を作成できる
  • BIMオブジェクト内に蓄積されたデータを抽出して図面生成を自動化できる
    などの特徴があります。

ARES Commanderのソフト紹介はこちら

ARES Commanderにて、再びパイプネットワークが表示されない問題が発生。


どの様に解決するかについて、

『3Dソリッドにできれば、ARES Commanderでも、他のDWG互換ソフトでも、パイプネットワークが見れるようになるはず!』

と考えました。

なぜ管路をはじめから3Dソリッドで作成しないのか

AutoCADユーザーからは、多くの人が使用しているAutoCADで表示できるように、はじめから3Dソリッドで管路を作成すればいいのではないか、と言われそうですが、

Civil3Dのパイプネットワークには、メリットがあります!

Civil3Dのパイプネットワークでできること

  • 管路に属性情報が入力される
  • 管路の設計条件を基に、エラーチェックをしてくれる
  • 管路の数量が拾える
  • 管路の干渉チェックができる
  • 縦断ビューで管路が作成できる
  • 外部アプリケーションを使用して、流量解析ができる

など

3Dソリッドは見るだけになってしまいますが、パイプネットワークでモデルを作成すると、そのパイプネットワークのモデルを使用して、できることも増えるため、BIM/CIMモデルとしてメリットが多々あると思います。

つまり、管路モデルをBIM/CIM活用するなら、Civil3Dのパイプネットワークがおすすめです。

解決方法

『コマンドで一括変換』

①コマンドラインに「AECEXPORTTOAUTOCAD」と入力 → Enter

②指示に従いファイルの保存先とファイル名を入力 → 「保存」

以上

「Civil3D」パイプネットワークで作成したパイプオブジェクト

レイヤ名など一般情報の他に、流れの向き、ジオメトリ情報、パーツデータなどの情報を持っています。

「AutoCAD」Civil3Dで作成したパイプネットワークをコマンド一括変換後、AutoCADで読み込んだパイプの状況

「3Dソリッド」に変換できたことが確認できます。

「ARES Commander」Civil3Dで作成したパイプネットワークをコマンド一括変換後、ARES Commanderで読み込んだパイプの状況

こちらも「3Dソリッド」に変換され、無事表示させることができました。

上記の方法で3Dソリッドに変換できなかった時の対処法

上記の方法で、パイプネットワークを3Dソリッド変換できないファイルがありました。

その際、調べてみた方法です。無事、こちらの方も3Dソリッドに変換できました。

ご参照ください。

①コマンドラインに「ConvertTo3DSolids」と入力 → Enter

②パイプネットワークを選択(複数選択可) → Enter

③選択したパーツを削除する場合は「はい」、削除しない場合は「いいえ」を選択

④ソリッドに変換

ちなみに

地道に分解という方法もあります。

①パイプを選択し、コマンドラインに「X」(分解)と入力 → Enter

②1回目の分解で、パイプオブジェクトから「ブロック参照」オブジェクトに変換

③2回目の分解で、ブロック参照オブジェクトから「3Dソリッド」に変換

ご参考になれば幸いです。

おすすめ記事

Civil 3DとNavisworks、InfraWorks、Revitとの連携でできることやメリット、簡単な手順について解説した記事です。
設計データの統合やシミュレーションをスムーズにし、全体の効率と精度を高めることができます!

横断図作成の基礎を押さえながら、実際の操作手順をステップごとに画像を用いて解説します。この記事を読むことで、Civil 3Dを使った横断図作成のスキルを身につけ、作業効率を大幅に向上させられます。

Civil3Dを使いこなして快適にモデリングを実施していきましょう!

Discussion