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趣味でOSS活動をしていたらDeno Land Inc.にジョインすることになった話

2023/04/23に公開

https://zenn.dev/magurotuna/articles/sponsored-by-deno
で、GitHub Sponsorsを始めたところ多数のご支援をいただくことができたことを書きました。
その後、OSS活動を細々と続けていたところ、JavaScript/TypeScript ランタイムであるDenoの開発を行っている Deno Land Inc.にジョインすることになりました。

ジョインまでの流れ

上記の記事で書いたように、deno_lint などのDeno関連のプロジェクトにコントリビュートをしていました。定期的にコントリビュートしていると、他の人からのPull Requestのレビューなどもお願いされるようになります。Approveをすることはできますが、mergeの権限はありませんでした。その他にも、issueをクローズするための権限もなく、整理のためにクローズしたいissueがあっても、メンテナに依頼をする必要がありました。
大した手間ではなかったものの、メンテナ権限をもらえたりしないかな?とふと思い、コアメンバー(=Deno Land Inc.の社員)に「権限くれたりしませんか?」と控えめに聞いてみました。返答は、「社員じゃないと権限は与えられないみたい。」とのことでした。まあそうだよな〜と思い、その後も細々とコントリビュートを続けていきます。

数か月が経ったところ、コアメンバーから「Denoで働くことに興味ある?」という旨のメッセージが送られてきました。それはもちろん興味があるに決まっています。どうやら会社として採用を拡大していく方針になったようで、リファラル中心で候補者をリストアップしている段階のようでした。
ちょうど大学院の出願の準備も進めている時期だったこともあり、落ち着き次第本格的に話を進めていこうということになりました。

さらに数か月が経ち、大学院の出願準備も落ち着いた頃、本格的に採用のプロセスが始まりました。CEO, CTOなど何人かとビデオ通話をする形でした。面接というよりは面談のような気持ちで臨んだら普通に面接で、英語力が極めて微妙 + 技術的にも自分の理解がとても浅い部分を深く質問され、冷や汗ダラダラの面接でした。自分が今までいかに浅瀬の知識でやってきたのかを痛感させられました。
面接がすべて終わったあとは、正直絶望でした。

1か月くらい音沙汰なく、もう絶望の記憶も忘れつつある頃、もう1回話そうというメールを受け取りました。何を話すのか見当もつかないまま向かいます。オファーを出しますよという内容でした。驚きです。
さくさくと条件面などもすり合わせ、数日後に送られてきた書類にサインし、ジョインすることが決定しました。

仕事内容

サーバーレス JavaScript/TypeScript ホスティングサービスの Deno Deploy の開発チームに所属しています。
Deno Deploy 自体はクローズドソースで、普段はこのクローズドな部分の開発を行っていることが多いです。ただ、ランタイムの大部分は OSS の Deno と共通ですし、deployctleszip などの周辺ツールはパブリックに開発されていて、それらの開発を行うこともあります。

使っているプログラミング言語は主にRust、たまにTypeScriptです。仕事でRustを書きたいと数年間叫んでいたら夢が叶いました。Rust 最高です[1]

働き方

メンバーは世界中からフルリモートで勤務しています。タイムゾーンもバラバラです。自律的に働くことが求められます。

基本的には社内コミュニケーションは非同期ベースですが、例外としてマネージャーとの1on1やチームのミーティングがあります。これらの同期的コミュニケーションは、日本時間の深夜に設定されることが多いです。夜型人間なので大丈夫だろうと甘く見ていたのですが、ベッドに入ってスマホをだらだら触ったりしながら過ごすのと、集中して参加する必要のあるミーティングとでは全然別物でした。この時間の問題には徐々に慣れてきてはいますが、完全に順応できるかは自信がありません。

日本からDeno Land Inc.で働いている人が僕を含め3人います。おおむね月に1回のペースで東京のコワーキングスペースに集まって一緒に作業をしています。雑談もできたり気分転換になってとても良い感じです。

最後に

ジョインするまでの流れと働き方などを簡単に紹介しました。

OSSがそのまま仕事になることはとても珍しく、再現性はほぼないと思いますが、プログラミングを楽しんで、人脈を広げていくと、いずれ思いもよらぬご縁があるかもしれません。まさに人生は "Connecting the dots"[2] だなあと思います。

脚注
  1. ただし、とにかくパワフルなマシンが欲しくなります。常にエディタがもっさりしているように感じますが、なんとかやっています。 ↩︎

  2. Steve JobsがStanfordの卒業式のスピーチで使用した表現。参考: https://www.elec.hi-tech.ac.jp/article/e-letter-ishiyama3/ ↩︎

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