年間退職率が 37.0% → 3.5% に!
この記事は、Magic Moment Advent Calendar 2023 25 日目の記事です。
はじめに
Merry Christmas!!
こんにちは。株式会社 Magic Moment で VPoE をしている 清家 (@wakazooo )です。
いよいよ、Advent Calendar も最後となりました。これまで、24回にわたって、技術・組織・開発プロセスなど様々な角度から Magic Moment Tech チームの 2023年の取り組みを紹介してきました。
2022 年に比べ、技術力・組織力・発信力とあらゆる面で大きく成長したのですが、その前提となったのが退職率の劇的な改善だったと感じています。
今回は、退職率がどのように改善し、なぜその変化を起こせたのか、という点についてご紹介したいと思います。
年間退職率が 37.0% → 3.5% に!
年間退職率を以下で計算したとき、(参考)
{1年間の退職者数÷[(年度始めの従業員数 + 年度終わりの従業員数)÷2]} × 100 = 従業員の年間離職率
なんと、2022 年 で 37.0% だった年間退職率が、2023 年には 3.5% になっていました。
入社者数は同じで母数が増えたことに対し、退職者数が 20% に減ったというのが、数字上の要因になっています。
では、なぜ退職者を減らせたのかについて、もう少し詳しく見ていきたいと思います。
なぜ 2022 年は年間退職率が高かったのか
まず、2022 年を振り返った時、退職者に以下 2 つの傾向がありました。
- 入社後半年以内の退職:60%
- 入社1年以上経過しているメンバーの退職:40%
上記 2 つの傾向を生んでいた原因を 3 つにわけて考えました。
入社前に具体的な業務内容(どういうチームに配属され、どういう機能開発を中心にするのか)まで伝えられておらず、入社後のギャップを生んでしまった
明確なチーム体制を作れておらず、企画ごとで組成されるプロジェクトに都度アサインするという形式をとっていたこともあり、入社してから具体的にどのような機能開発をするのかということを伝えられていませんでした。
これは、受け入れる側からしても、入社する人に具体的にどんな業務をお願いするのかということが定まっていないということでも有りました。Magic Moment が掲げるビジョンに賛同し、顧客が抱える課題を解決したいという意気込みで入社してきてくれた人の最初の熱量をこういった形で削いでしまっていました。
オンボーディングに時間をかけすぎて、プロダクトへコミットするまでの不安な時間を長くしてしまった
Sales という馴染みのないドメインとマイクロサービスによる複雑なシステム構造を、最初からある程度網羅してもらおうとしていました。
そのため、人によっては入社後 1 ヶ月近くプロダクトコードにコミットできないまま過ごさせてしまうという状態になっていました。中途採用者にとって、入社後しばらくはとても不安な時期です。期待通りの価値を出せるのか、チームに馴染めるのか。
こういった不安は大きくなってしまうとなかなか解消できませんし、不安を抱えたままだと本来の力も発揮できず、ますます負のループに陥っていきます。
そういった負のループの入り口を作らないためにも、まずはいかに早くプロダクトコードにコミットしてプロダクトの一部を自分のものにするのか、ということが大事だと捉えるようになりました。
オンボーディングが進まず、既存メンバーに負荷が集中する仕組みになっていた
上記のような状況下で、機能開発は進み、突貫で進んできたが故の綻びも出始めたため、初期からいるメンバーにとっては常に余裕のない状態が続いていました。増える業務をチーム全体でうまく分担ができず、Tech Lead や Engineering Manager とは何かといった役割論も織り交ぜつつ打開策を探っていたのですが、解決に時間がかかってしまい大切なメンバーを失ってしまいました。
なにを変え、どう変わったのか
何より大きかったのが、プロジェクトごとのアサインをやめ顧客の体験軸でチーム分けをした、ということでした。(詳しくは Wantedly のインタビュー記事をご一読ください。)
これにより以下のような対策を取れるようになりました。
- 入社前に、どのチームでどのような課題解決に取り組んでもらうのかを伝えられるようになった
- 入社前に、配属予定のチームメンバーと会話してもらい、どのような人たちと仕事をするのかをイメージしてもらえるようになった
- 入社前に、まずどんなタスクに着手してもらうかを準備できるようになった
- 在籍の長いメンバーが見るべきスコープを限定したことにより、組織やチームについて向き合えるようになった
これらの変化が、以下のような効果を生み、2023 年の退職率の大幅減少に繋がったと考えています。
- 入社後1週間でプロダクトコードにコミットし、最初の不安を取り除く
- 一緒に働く人、解決する課題という点で、入社前後のギャップを生まない
- 入社者のオンボーディング期間が縮まり、既存メンバーに集中していた負荷をチームで分担
さいごに
我々のようなスタートアップにおいて、激化するエンジニア市場の中でエンジニアを1名採用するというのはとても大変なことです。エージェントフィーも高騰しているので、エージェントを振り向かせることすら大変です。
そんな中、採用できた人が時をおかず辞めてしまうことや、パフォーマンスを出せていた人が見切りをつけて辞めてしまうことは、何においても避けないといけないことです。
また、この Magic Moment Advent Calendar 2023 を見ていて改めて、組織の安定があってこそ次の挑戦が生まれるということにも気づけました。
組織の成長に悩んでいる方に、少しでも参考になれば幸いです。
これにて、Magic Moment の Advent Calendar は終了となります。来年の Magic Moment にご期待ください!それでは皆様、良いお年を。
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