Raspberry Pi 4 に Ubuntu Server をインストールする手順
はじめに
現在、利益を生み出せるバックエンドエンジニアとして現場に立てるよう、日々学習を進めています。
その中で、バックエンドエンジニアとしてサーバの理解は不可欠だと考え、実際に自分の手でサーバを構築してみることにしました。
サーバといっても、大型の業務用マシンではなく、手のひらサイズの小型コンピュータである「Raspberry Pi 4」(以下、ラズパイと表記)を使用しました。今回は、初心者向けスターターキットを使って準備を進めました。
本記事では、このラズパイに Ubuntu Server をインストールする手順について、実体験を元にポイントと手順をまとめています。
目的
本番環境を意識した練習として、Raspberry Pi 4 をサーバーとして構築し、自分が使用しているMacBookからSSH接続できる環境を整えます。
最終的には、ラズパイ内に自作プログラムを配置し、HTTP経由で静的ページを返せるようにすることを目標とします。
そのための第一ステップとして、OS(Ubuntu Server)のインストールを行ないます。
用意したもの
- Dell S2722DC 27インチ モニター
- TRASKIT Raspberry Pi 4B Kit/Raspberry Pi 4 /ラズベリーパイ4B 4GB RAM/MicroSDカード32GB NOOBSプリインストール
- HDMIケーブル
- ラズパイ接続用キーボード
- マウス
- MacBook Pro2(M2)
※今回は、Raspberry Pi を最初にセットアップするため、一度モニター・キーボード・マウスを接続する方法を採用しました。
SSHのみで初期セットアップする方法もありますが、初心者にとって確実かつ安心な手順として、画面付きでの操作を選んでいます。
ラズパイとは
Raspberry Pi(ラズベリーパイ)は、イギリスの教育財団によって開発された、手のひらサイズの小型コンピュータです。
見た目は基板むき出しですが、HDMIやUSB、LAN端子などがあり、LinuxベースのOSが動作する本格的なマシンです。
もともとは教育目的(プログラミングやコンピュータの学習)で開発されたものですが、今では趣味やIoT、さらには自宅サーバとしても人気のようです。
サーバに使える理由
- Ubuntu ServerのようなLinuxベースのOSが動作する
- 有線LANポートがあることによる安定通信の実現
- 小型・省電力で常時稼働に向いている
- 外部ストレージやネットワークとの接続が可能
事前準備
MacBookにRaspberry Pi Imagerを公式サイトからインストール
以下の「Download for macOS」をクリックしてソフトウェアをインストールします。
ラズパイへのOSインストール
参考:https://ubuntu.com/tutorials/how-to-install-ubuntu-on-your-raspberry-pi#1-overview
1. MacBookにSDカードリーダー(microSD入り)を挿入
2. Raspberry Pi Imager を起動
以下のような画面が出力されます。
3.「CHOOSE DEVICE」で「Raspberry Pi 4」を選択
4.「CHOOSE OS」で「Ubuntu Server 」を選択
以下の手順でUbuntu Serverを選択します。
①「Other general-purpose OS」を選択
②「Ubuntu」を選択
③「Ubuntu Server 25.04」を選択
※今回、「Ubuntu Server 25.04」を選択した理由は、比較的新しいバージョンでありながら、Raspberry Piに公式対応しており、練習環境としては新機能や設定にも触れられるためです。長期運用を前提とする場合は、LTS(長期サポート)版を選ぶことも検討してください。
5.「CHOOSE STORAGE」で microSD を選択する
6.「NEXT」をクリック
7.(初回は)OS書き込み前にカスタマイズ画面が表示されることがある
「OS書き込み前に設定しますか?」と聞かれたら、「Edit settings(設定を編集)」を選ぶと以下のような設定ができます。
- ホスト名
- SSHの有効化(ONにすることで、あとからMacなど別PCから接続可能)
- ユーザー名・パスワードの設定
- Wi-Fi設定(今回は有線LAN接続のため不要)
- ロケール設定(タイムゾーンやキーボード配列)
SSHを有効にし、ユーザー名とパスワードを事前に設定しておきます(後でターミナルからすぐアクセスできるようにするため)。
8. 設定完了後、「WRITE」ボタンをクリック
この操作で、Ubuntu Server のOSイメージが microSDカードに書き込まれます。
これが「OSのインストールに相当」します。
9. 書き込み完了後、microSDカードをラズパイに挿入して起動すれば、Ubuntu Server が起動します。
個人的失敗
Raspberry Pi OS をインストールしてしまった
初めてのOSインストール作業だったこともあり、OSの種類を正しく理解しないまま「Raspberry Pi OS」を選んでしまいました。
microSDカードを挿入してラズパイを起動すると、かわいらしいデスクトップ画面が表示され、画面は黒いCLI(コマンドライン)になりませんでした。
あとから調べてわかったのですが、本来インストールすべきだったのは「Ubuntu Server」であり、「Raspberry Pi OS」はそれとは全く別のOSです。
私は「Raspberry Pi OS = Ubuntu Serverのラズパイ版」だと勝手に思い込んでいたため、OS選択そのものを間違えていたことになります。
ラズパイは、OSをインストールしたmicroSDカードを挿入し、起動時にそのカードからOSを読み込む仕組みです。
この仕組みを理解した時に、「そもそもインストールしたOSが違う」ことにやっと気づき、一からやり直すことになりました。
この失敗を通じて、OSの選び方がいかに重要か、そしてラズパイがどのようにOSをメモリ上に配置して動作するのか、という基本的な仕組みも学ぶことができました。
まとめ
今回は、Raspberry Pi 4 に Ubuntu Server をインストールするまでの手順を、自分自身の体験をもとにまとめました。
はじめはOSの選択を誤るなどの失敗もありましたが、そうした経験を通して、ラズパイの仕組みやOSの重要性について理解を深めることができました。
これで、ラズパイをサーバとして扱うための準備が整いました。
次は、実際にSSHで接続できるようにするための設定に取り組んでいきます。
サーバに触れる経験を積む第一歩として、非常に良い学習機会になったと感じています。
参考・画像引用元URL
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