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適切なレビューで個人開発を加速させたい!クリエイティビティを引き出したい!

2024/12/05に公開

※この記事は Life is Tech!School秋葉原校のメンバー・メンターが執筆するakihabara-school Advent Calendar 2024 5日目の記事になります。

はじめに

私は現在、中高生向けプログラミングスクールのLife is Tech School秋葉原校でCA(クラスの副担任的存在・クラスアシスタント)を務めており、クラス全体をサポートしています💪
当スクールでは、生徒が個人でより完成度の高い作品を制作するため、制作中の適切なタイミングでレビューを実施する独自の取り組み「CRflow」を行っています。
この記事では、この「CRflow」について紹介します。

Life is Tech!Schoolとは

中高生向けのプログラミングスクールです。以下のコースが開講されており、1グループ5~6人のメンバー(生徒)に大学生のメンターがついて指導しています

  • iPhoneアプリプログラミングコース
  • Unity®ゲームプログラミングコース(2D・3D)
  • Webデザインコース(HTML/CSS)
  • Webサービスプログラミングコース(Ruby)
  • AIクリエイティブコース

生徒は学んだ技術を使ってオリジナルの作品を制作し、それをメンターがサポートしています。

想定読者

  • プログラミング教育に関わっている方。
  • 何らかの形で、他者の個人開発をサポートする立場にある方。
  • 教育を受けている側の方
    どういった意図で実施しているのか知ることでどうこの取り組みを活かすか考えることができると思います:)

概要 - CRflowとは

CRflow(シーアールフロー)とは、オリジナル作品(アプリ、ゲーム、ウェブサイトなど)を制作する過程で、ステップごとに計画の確認や軌道修正を行い、完成度を高めていく仕組みです。また、Creative Review Flowの略です。
具体的な内容は以下で説明しますが、ざっくり言うと担当するメンター以外から作品や計画に対するレビューを受ける機会を作っています。
作品制作のステップごとに、生徒と、担当メンターではないCM(クラスマネージャー、クラスの担任的存在)とCA(クラスアシスタント、クラスの副担任的存在)での2on1を行います。

なぜ実施するのか

対生徒(メンバー)

  • より完成度の高い作品を目指すことで、技術力、タスクマネジメント等さまざまな面で成長してもらうため。
  • 段階ごとに担当メンター以外からフィードバックをもらうことで、作品の企画、デザイン、計画、実装内容等、ブラッシュアップをするための新しい視点を得るため。
  • 段階ごとにフィードバックをもらうことで、早い段階で作品の軌道修正や計画の見直しをするため。
  • この取り組みを利用して、新しいアイデアを得るため。
  • この取り組みを行き詰まっていることがある時の打開策の一つにしてもらうため。
  • 日々の取り組みを承認してあげる機会を増やすため。

対指導者(メンター)

  • 生徒の作品づくりをリードするのは担当メンターであることを心に留めながら、CRflowをメンバーとのコミュニケーションの機会としても活用してもらうため。
  • 生徒がどんな作品を作りたいのかだけでなく、生徒にどうなって欲しいか、メンター自身がリードする方向性について考えるきっかけにしてもらうため。
  • この取り組みを行き詰まっていることがある時の打開策の一つにしてもらうため。

実施内容

個人開発のだいたいの流れは、

  1. 企画を考える
  2. 仕様を考え、ワイヤーフレームやデザインを作成する
  3. 開発の計画を立てる
  4. 実装する
  5. リリースする

といった感じだと思います。
CRflowのステップはこのだいたいの流れから以下の3段階をピックアップしています。

1. 企画完成時
2. 仕様策定、タスク分解時
3. 作品完成前

それぞれの段階で、CM(クラスマネージャー)とCA(クラスアシスタント)との15分程度の2on1を実施し、作品制作に伴走します。

0. 大まかなタスク分解のレビュー

CRflowの実施前に、別で独自の取り組みとしてオリジナル作品開発をするための大まかなタスク分解をクラスマネージャー、クラスアシスタントでレビューしています。ここでは2on1は行わず、担当のメンターにフィードバックを返す形で実施しています。スクールは開講期が春学期と秋学期に分かれているため、その学期で達成したい目標も考えてもらい、レビューしています。

1. 企画完成時の2on1

まずオリジナル作品の企画が完成した際に2on1を行います。
この段階では、作品の目的やターゲット、全体の構想についてレビューを行います。ここで得たフィードバックをもとに、より具体的な仕様やデザインの策定を進めてもらいます。
クラスマネージャーとクラスアシスタントは、リファレンスの提供をしつつ、アイデアを引き出せるように話しています。

2. 仕様策定、タスク分解時の2on1

次に、作品のワイヤーフレームやデザイン、具体的な開発タスクの分解を行った際に2on1を行います。
この段階では、アイデアを具体的な形に落とし込んだところで、主にUIUXの視点からワイヤーフレームやデザインにフィードバックを行い、また開発タスクを適切に分解できているかどうか確認します。
ここでしっかりとした基盤を作ることで、開発段階にスムーズに進めるようになります。
クラスマネージャーとクラスアシスタントは、ユーザー目線から仕様をレビューし、機能の優先度づけ、さらにあったら嬉しい機能について喋ります。開発タスクがワンアクション程度に分解されていて、実現可能性の高いスケジューリングができているか確認します。

3. 作品完成前の2on1

最終段階では、ほぼ完成した作品について総合的なレビューを実施します。
この段階では、完成度の高い作品を目指し、機能の調整や最終的な仕上げをサポートします。また、大会出場やリリースを見据えた目標達成のためのアドバイスも行います。

各ステップで、クラスマネージャーがOKを出すまで2on1を行い、作品の完成度を上げていきます。
また、ステップとは関係なく、クラスマネージャーとクラスアシスタントとの2on1をいつでも実施することができるようにしています。

CRflowがもたらす効果

対生徒(メンバー)

  • 成長の促進
    各段階で自分の作品について言語化する機会を作ることで、生徒自身が作品に対する思考の整理をできているように思います。早い段階で軌道修正や作品の完成度を上げるフィードバックを行うことで、自分の力でアイデアを実現する力をつけることができています。
  • タスクマネジメント力の向上
    作品制作に必要な開発タスクの分解・進行を経験することで、タスクマネジメント力が向上しています。
  • 制作スピードの向上
    各ステップの2on1はネクストアクションを確認する機会にもなっており、生徒自身が次やるべきことを明確にしながら作品制作に取り組むことができています。結果的に、制作スピードの上がった生徒が多いと感じています。
  • 完成度の向上
    定期的なフィードバックを活用し、ブラッシュアップを繰り返すことで、記事タイトルの通り、クリエイティビティを引き出す機会を増やしています。これにより、完成度の高い作品を目指すことができています。

対指導者(メンター)

  • 生徒への理解を深めることができる
    各段階でのレビューを通じて、生徒が目指す方向性を理解し、適切なサポートを提供できます。
  • メンタリング力の向上
    制作過程でのコミュニケーションを活用することで、メンター自身も新たな視点に気づくことができています。

対全体監督者(クラスマネージャー・クラスアシスタント)

  • 生徒の作品に対する解像度向上
    生徒とのコミュニケーション量が増え、制作している作品への解像度がより高くなりました。実施以前は生徒が開発を行う自席でコミュニケーションを取っていましたが、少し場所を変えて話す機会を設けることで作品についてより深く知ることができるようになりました。
  • みんなの作品制作スピードが上がり、完成度も上がってハッピー
    上記の通りです😸

おわりに

CRflowは、生徒のクリエイティビティを引き出し、制作のスピードを上げる取り組みとして良い効果をもたらしています!🎉
現時点で実施を始めてから約2ヶ月ほどの取り組みですが、かなり効果を感じています。
プログラミング教育やエンジニア育成においては、単に技術を教えるだけでなく、創造的なアウトプットを目指す力を伸ばすことが求められていると思います。この取り組みは、そんなニーズにもぴったりです^^

元々秋葉原スクールでは作品制作の最終段階でまとめてレビューする取り組みを行っていました。しかし、この形式では作品の根本的な企画面について改善する機会が限られていました。この課題を解決すべく、制作の進行段階に応じて柔軟にレビューを行う形式に変えて実施することにしました。

個人開発のサポートに入る機会がある方は、ぜひ参考にしてみてください😌

これからもみんなをサポートしていく存在として頑張っていきたいと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※Life is Tech!関係者で興味を持たれた方は、直接ご連絡いただいても構いません!インナー向け資料もありますのでよければご覧ください。

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