データ戦略室で専門性向上のためにスキルマップを運用してみた!
はじめに
はじめまして。データ戦略室データアナリティクスグループの丸山です。
私は現在チームリーダーとして、メンバーの担当PJの進捗管理や育成を担当しています。
データ専門職のメンバーのスキルアップを図っていく上で、以下の2点を課題に感じていました。
- データ関連の職種は近年役割が細分化されている傾向にあり、職種によって求められるスキルも変わってくる(具体的にどのような職種が存在するかは後述します)
- 目先の業務に注力しすぎると、「数年などの中長期のスパンで、自分がどのようなポジションのデータ人材になっていきたいか」が不明瞭になりがち
上記の課題を解決する一助として、データ戦略室ではスキルマップの運用をしています。
今回はそのスキルマップの考え方や活用方法について共有していきたいと思います!
前提: データ関連の職種について
データ分析に携わる職種に関して、弊社で用いている区分を以下の表にまとめました。
職種名 | 求められる役割 |
---|---|
データサイエンティスト | 機械学習のモデル構築、高度な統計手法を用いた予測、分析等 |
データアナリスト | 事業の課題探索、PM、各種データ分析、BIツール開発、データ設計 |
データアーキテクト | データマネジメント、データガバナンス、BIツール開発、データ設計 |
データエンジニア | データ基盤の構築、データプロダクト(機械学習システム等)開発 |
こちらの表からも、職種によって求められる役割が異なることがわかると思います。
しかし、例えば「データサイエンティストとして機械学習のモデル構築ができるようになる」ために必要なスキルセットについては、より詳細な定義づけが必要になります。
そこで、今回紹介するスキルマップが効力を発揮します!
スキルマップの全体像
文章で説明をしていくよりもアウトプットを見てもらった方が早くイメージがわくと思うので、まずは成果物を共有します。
画像1. スキルマップ
こちらが作成したスキルマップの全体像になります。
表の見方の説明をすると以下の通りです。
- 行: データ関連の業務で必要となるスキルをリストアップしています(各行のスキルが必要となる職種ごとに、色分けをしています)
- 列: 職種ごとに該当スキルの必要レベルをスコアリングしています(数字が大きいほど高水準のスキルが必要です)
また、スキルマップのスコアは以下の定義をもとに入力されています。
スコア | 求められるスキルの水準 |
---|---|
1(※) | 知識を保有していない |
2 | 知識として知っているが、実務経験なし(本で読んだことがある) |
3 | サポートを受けながら業務をこなせる |
4 | 自力で業務を遂行できる(人の力を借りずに業務がこなせるが、最適なアプローチかまでは判断できない) |
5 | 人に教えられる(レビューができる・該当技術の背後の仕組みについて理解している) |
6(※) | 該当項目について、社外で講演ができるスキルを持っている |
7(※) | データ分析業界を代表するようなスキル・経験を持っている |
(※)をつけているスコア1, 6, 7については職種ごとに必要なスキル水準になり得ないので、上記の画像1.には表示されていません。後述しますが、自分の現状のスキルやなりたい姿を数値化する際にはこれらのスコアも入力対象となります。
また、該当職種において不要なスキルは上記画像で空欄になっています。
スキルマップの活用方法
さて、上述したスキルマップをデータ戦略室でどのように活用しているかを次に説明します。
前提として、スキルマップとは別にメンバー個々人が「スキル自己評価シート」なるものを作成しています。
画像2. スキル自己評価シートの入力例
スキル自己評価シートの各列の見方は以下の通りです(行については先述のスキルマップと同様です)。
- 職種別標準スキル
- 各メンバーの職種を入力すると、前述のスキルマップのスコアが反映されます
- 画像2.ではデータエンジニアの場合のスコアが反映されています
- 2年後になりたい姿
- 各メンバーが2年後に実現したいスキル水準を入力します
- スコア6, 7についてはこの列の入力時に使われることになります
- 現状のスキルセット
- 各メンバーが現状のスキル水準を入力します
- スコア1についてはこの列の入力時に使われることになります
スキル自己評価シートを入力することで以下の項目を明確化することができます。
- 自分の職種において現状どのスキルが足りていないか(or強みになっているか)
- 「該当職種のロールモデル」と「自分のなりたい姿」の差分
- 自身が何に強みを持ったデータエンジニア、データサイエンティスト...になりたいのか
また、シートの入力により伸ばすべきスキルも明確になるため、「各メンバーが何の知識についてインプットをする必要があるか」や「その際におすすめとなる書籍・勉強方法」についても上長とメンバーで共通認識を持ちやすくなります。
データ戦略室では、新規参画メンバーに対してスキルマップおよびスキル自己評価シートの入力を必ずしてもらうようにしています。また、定期的にその内容を見返すことで、各メンバーが想定通りにスキルアップできているかを確認しています。
最後に
今回の記事ではデータ戦略室で運用しているスキルマップについて説明をさせていただきました。
去年から運用を始めているのですが、今後は技術の進歩に合わせて定期的に項目をアップデートするなどの改善をしていきたいと考えています。
また、私が所属しているデータ戦略室という組織はレバテック開発部と別の組織であり、レバテックを含めた全社全事業部のデータにまつわる課題を解決する部署となっています。
データ戦略室での取り組み事例はLeverages データ戦略ブログにも記載しておりますので、興味のある方はこちらのブログもぜひご覧ください!レバテック開発部の公式テックブログです! レバテック開発部 Advent Calendar 2024 実施中: qiita.com/advent-calendar/2024/levtech
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