チームリーダーとして学んだ対話の大切さ
こんにちは、レバテック開発部の山川です。
この記事は レバテック開発部 Advent Calendar 2025 2日目の記事です。
はじめに
私がレバテックに入ってからそろそろ2年が経ちます。入社時の期待「開発組織の技術力向上に取り組んでほしい」に応えたいと思いつつ、個人的にはリーダーシップなどのスキルも伸ばしていけたらいいなとも思い、入社を決めました。
入社3ヶ月後には、開発チームのリーダーをやることになり、いろいろと失敗しながらも何とか続けられています。この記事では、私がチームリーダーとして学んだチームメンバーとの対話の大切さを紹介します。
対話する大切さ
チームリーダーの業務で最も大切なことは、チームメンバーと対話すること、だと私は考えています。メンバーひとりひとりと対話することで、メンバーのモチベーションを高められ、チーム内でタスクをどのように分担するかといった意思決定もしやすくなりました。
失敗:対話不足がもたらしたもの
チームリーダーになって最初の半年はメンバーと全然話せていませんでした。もちろん、業務に必要な会話や雑談はありましたが、メンバーが何を思い、何を目指して仕事に取り組んでいるのかを知りませんでした。
エピソード
とあるメンバーから「業務があまり面白くない」と言われたことを今でも覚えています。そのメンバーは TypeScript での開発経験を積みたかったのですが、私はその希望を知らず、そういったタスクをあまり任せられていませんでした。
対話不足はメンバーのモチベーション低下と成長機会の損失に直結する、ことに気づきました。対話を意識的に行うようになると、タスク分担やプロジェクト体制の意思決定の質に違いが生まれました。
学び:1on1 と業務への活用
今は定期的にチームメンバーと 1on1 をしており、内容はメンバーによって様々ですが[1]、3ヶ月に1回は「やりたいこと・できるようになりたいこと」を必ず話すようにしています。これは Will Can Must (WCM) と呼ばれるフレームワークの Will の部分です。この対話で知った Will を踏まえて、メンバーができるようになりたい仕事に挑戦する機会を作れるように、業務の割り振りや必要なサポートを考えています。
例えば、「5ヶ月程度の開発プロジェクト」を実施する機会があり、このプロジェクトは次のような特性でした。
- デリバリー(リリース日時)は調整可能である
- 品質は最大限にする(インシデント防止する目的のため)
- 遅延による一定のコスト増は受け入れられる
- フロントエンドとバックエンドを開発するタスクが大小様々で合わせて約20個ある
チームメンバーは4名で、次のような Will と Can でした。
| メンバー | Will (やりたいこと) | Can (できること) |
|---|---|---|
| Aさん | マネージメントに挑戦したい | 要件定義〜設計までひと通りの経験がある |
| Bさん | 設計や実装を沢山したい | マネジメント経験がある |
| Cさん | バックエンド開発に挑戦したい | フロントエンド開発が得意である |
| Dさん | 実装を沢山したい | バックエンドとフロントエンドの両方を開発できる |
これらをもとに次の2つの体制を考えました。
- 案A(実行効率の最大化)
- マネジメント Bさん
- バックエンド開発(規模大小両方) Dさん、Aさん
- フロントエンド開発(規模大小両方) Cさん
- 案B(挑戦機会の最大化)
- マネジメント Aさん
- バックエンド開発(規模大) Dさん
- バックエンド開発(規模小) Bさん、Cさん、Aさん
- フロントエンド開発(規模大) Cさん
- フロントエンド開発(規模小) Bさん、Dさん
組織から求められることを達成する必要はありますが、ひとりひとりの Will も可能な限り叶えたいと考えています。出来ることを最大限に活かして実行効率を上げる場合は、案Aの方が良いと思いますが、それでは挑戦機会が減り、モチベーションが上がりません。このプロジェクトはデリバリーが調整可能なため、想定外の問題が発生したとしても一定のリリース延期は受け入れられます。また、何かあった場合は私も一緒にリカバリーをすることもできます。このようなことを考えながら、最終的には案Bを採用しました[2]。この意思決定は日頃から Will や Can を聞いていないと出来なかったことだと痛感しました。
1on1 が効果的なのか最初は不安でしたが、WCM などのフレームワークを意識的に使って、業務における意思決定や支援に活きることを実際に経験できると、これまでよりもこのような対話を大切にするようになりました。
おわりに
チームリーダーになって、まだまだ失敗することも多くありますが、メンバーにも助けてもらいながら、様々な対話と支援を通じて全員で挑戦を通じて成長していることがとても嬉しく感じます。メンバーと一緒に私自身も成長できるように更なる挑戦を続けていきたいと思います。
この記事がこれからリーダーを始める方々の助けになれば幸いです。
Discussion