【Roblox】フィールド背景のレイアウトと演出
はじめに
この度、筆者が制作に携わらせていただいたRobloxのゲームが、ホームとコンテンツフィールドを行き来しながら遊ぶゲームでした。
そこでこの記事ではRobloxStudioでゲームの3Dフィールド背景作成する際に
筆者が気を付けた点、考慮した点などを
- ホーム(プレイヤーロビー)
- コンテンツフィールド
上記2パターンのフィールドでそれぞれ簡単に解説します。
Robloxバージョン:0.625.0.6250509
ホーム(プレイヤーロビー)
今回のホームの役割
・プレイヤーロビーとしての機能
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今作のゲームのホームはコンテンツフィールドで移動するまでの準備や他プレイヤーとの情報共有スペースとしての役割があるかと思われます。
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ゲームの要素として必要な施設を配置するのはもちろんですが、その他のスペースでプレイヤー間の交流、暇つぶしの要素などを足して遊びの幅を持たせると面白いのかなと思い、
プレイヤーたちが集まれるような広場
アスレチック的な遊びを入れたりしてみました。
・ガチャ(マネタイズ)
- 収益の為の機能としてガチャ機能が今回のゲームにはありました。
商品陳列と同じで、より高価な商品ほど見栄えよく、派手目にしていくことは当然ですが
売りたい商品の陳列面(フェイス)を増やす。
購買率をあげたい商品は中央もしくは右側に陳列する。
などの配置レイアウトを工夫しました。
上記の様に、各フィールド上にオブジェクトを置く理由を考えて配置していくことが大事だと思います。
作風に合わせた背景作り
・ファンタジー風に寄せたオブジェクトの選定
- 今回はファンタジー寄りの世界設定ということで、中世にありそうな雰囲気のオブジェクトを中心に選定を進め、地面の石造りから外壁の雰囲気なども世界観を合わせて演出しています。
RobloxStudioではツールボックスからアセットを持ってこれますが、世界観のテイスト合わせの為、テクスチャやモデル形状を大きく変更しているものもいくつかあります。
・Robloxのキャラクターの雰囲気に合わせ、彩度高めの木を採用
- Robloxのキャラクターはブロック状の等身もそこまで高くないキャラクターとなるため、彩度を落としたフォトリアル系の色味よりも、彩度を上げたイラストチックな雰囲気の方が合うと思い木々のシルエット、彩色の雰囲気を合わせて調整しています。
・プレイヤーたちを迎える商人や鍛冶師の生活
メインのコンテンツには影響しない範囲ですが、武器のガチャの後ろには大量の武器を仕入れている商人。アクセサリーのガチャの裏には装飾品のオブジェクトを多数配置。
鍛冶屋には金床や家事道具、炉など。
プレイヤーのアウトゲーム的な要素を行う場所周辺はバザーのような雰囲気になるように演出しています。
焦点の裏には商人たちが寝泊まりするテントや、商人たちの商品をしまっておく格納用のテントなど、その場の世界観を考えて背景物の配置することで説得力が増してきます。
コンテンツフィールド(森林と遺跡)
コンテンツフィールドの役割
・今回のゲームでは、正方形の狭いフィールド上に、上空からいくつものブロックが落下してくる中で、複数人が攻撃で相手をフィールド外へ弾き落とすのがメインのルールとなっています。
背景フィールドはコンテンツに直接は関係してきませんが、フィールドの雰囲気を変えることでプレイヤーのプレイ体験に変化を与えます。
作風に合わせた背景作り
■森林
森林の制作時にあったオーダーは「薄暗い森」「雷雨」「濃霧」の要素でした。
最初は熱帯樹林的なものを想像していましたが、製作しているうちに沼地的な樹林の方が暗い雰囲気には合っているのではと考え、雰囲気をそちらへシフト。
・雨
あまり密度のある雨にし過ぎるとパーティクルの影響で重くなるのと、視界も悪くなりすぎるかと思い、密度を抑えつつもしっかり雨が降っていることがわかるように雰囲気を調整しました。
雨自体のパーティクルと、地面の反射のパーティクルはそれぞれ違うパーティクルとなりますが、雨の着水地点なんて見ている人いないので、同期していなくても問題ありませんでした。
・霧
Robloxのパーティクルではリアルなフォグを作るのは難しいので、霧状のテクスチャを変形させつつ動かしていく形で霧を表現しました。
欠点としては一枚テクスチャのパーティクルで出していた影響で、地面との設定面で直線的に切れてしまう現象が発生。
出現位置を少し上目にして多少は改善しました。
霧状にゆっくりと滞空しているように演出するため、Timeスケールを落としてゆっくりとした動きに調整しています。
■遺跡
ノーマルなフィールドとして制作時にあったオーダーは「水没遺跡」
遺跡の建材的なアセットは既にホームなどで使用していましたが、こちらはまた雰囲気を変えるためにテクスチャやモデルに調整を加え、全体の色味を黄色系の物に変えることで
また違った文明の遺跡へイメージを変えています。
・細かな装飾
ただ壊れた石建材を並べただけでは味気ないので、荒野で風化してしまった遺跡をイメージし、フィールドの周りには木々や木のつるなどが石材に見えるようにし、近くに町があるようなシルエットも足しています。
また、コンテンツフィールドの周りに円状に松明を置き、コロッセオ的な雰囲気も足しています。
コンテンツフィールドはそれぞれ個別に分離しているフィールドであることから、それぞれの個性を出していくことができましたが、1つのフィールド内で雰囲気を統一させることが大事だと思います。
まとめ
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各ゲームフィールドの役割を理解し、プレイヤーに対しての遊び手してのオブジェクトや、収益を目的としてのオブジェクトの配置レイアウトなど、しっかりと理由を持ってオブジェクトを配置していくことが大事。
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ホーム、コンテンツフィールドを含め、世界観を考え、一つのフィールド内で雰囲気を統一させたオブジェクトを配置していくことが大事。
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