VSCode で C/C++ を書く環境を用意するメモ(macOS)
こんな記事を書いている私は、普段 Ubuntu の上で動作する Vim を使ってプログラムを書いています。 ところで、Ubuntu 上の Visual Studio Code で C/C++ を書く環境を用意するメモもあります。
動作環境
2024 年になったというのにも拘わらず、Intel chip の MacBook を利用しています。 Apple silicon の上で動作する macOS でも動作すると思います。
- MacBook Pro (13-inch, 2019)
- プロセッサ: 2.8 GHz クアッドコア Intel Code i7
- システムのバージョン: macOS 14.7 (23H124)
- カーネルのバージョン: Darwin 23.6.0
コマンドラインデベロッパツールのインストール
Launchpad や Spotlight 検索 を利用して Terminal あるいは ターミナル を検索し、ターミナル を開きます。
ターミナルが起動したところ
コマンドラインデベロッパツールがインストールされているか確かめるため、次のように実行して C のコンパイラのバージョンを表示しようとしてみます。 ただし、%
の部分は実際には mkn@zumi ~ %
のように表示されているプロンプトを示しており、これを入力する必要はありません。
% cc --version
コマンドラインデベロッパツールがインストールされていない場合、以下のようなメッセージが出力され、インストールするか訊ねるプロンプトが表示されます。
% cc --version
xcode-select: note: No developer tools were found, requesting install.
If developer tools are located at a non-default location on disk, use `sudo xcode-select --switch path/to/Xcode.app` to specify the Xcode that you wish to use for command line developer tools, and cancel the installation dialog.
See `man xcode-select` for more details.
インストールするか確認するプロンプト
コマンドラインデベロッパツールには C や C++ のコンパイラをはじめ、make や git など各種の基本的な開発ツールが含まれています。 プロンプトの インストール を選択し、各種のライセンスに同意した上でしばらく待ちましょう。
コマンドラインデベロッパツールのインストールが完了すると、C のコンパイラのバージョンを確認できるようになります。
% cc --version
Apple clang version 15.0.0 (clang-1500.3.9.4)
Target: x86_64-apple-darwin23.6.0
Thread model: posix
InstalledDir: /Library/Developer/CommandLineTools/usr/bin
Visual Studio Code のインストール
アプリケーションのダウンロード
ダウンロードページ
当然ですが、Visual Studio Code をインストールしないことには何も始まりません。 https://code.visualstudio.com/download にアクセスし、自分の環境に合ったパッケージをダウンロードします。 基本的には Apple のロゴマークのすぐ下にある ↓ Mac (macOS 10.15+) と書かれた大きなボタンを選択すれば良いでしょう。 しばらくすると Visual Studio Code.app のように名付けられたファイルがダウンロードされます。
アプリケーションのインストール
アプリケーションのダウンロードが完了したのなら、それをインストールしてやる必要があります。 Finder で ダウンロード フォルダを開き、ダウンロードされた Visual Studio Code.app を アプリケーション フォルダの中にドラッグアンドドロップしましょう。 アプリケーションのインストールが完了すると、Launchpad や Spotlight 検索 から Visual Studio Code を起動できるようになっているはずです。
インターネットから取得したアプリケーションを初めて実行する際には、以下のようなプロンプトが表示されることがあります。 開いてもよろしいのかをきちんと確認してから開いたりキャンセルしたりしましょう。
実行するか確認するプロンプト
Visual Studio Code の初期設定
まずは Launchpad や Spotlight 検索 から Visual Studio Code を起動しましょう。
Visual Studio Code の日本語化
Visual Studio Code の初回起動画面
Visual Studio Code を初めて起動すると、上のような画面になります。 見てわかる通り、表示言語がアメリカ語になっています。 これを日本語化するには拡張機能をインストールする必要があります。 まずは [⌘ Cmd]+[⇧ Shift]+[X] を押下して拡張機能のタブを開きます。 既に検索フォームにテキストカソールが合っているはずなので、japanese と入力します。 一番上のあたりに Japanese Language Pack for Visual Studio Code と名付けられた Microsoft 製の拡張機能が表示されるはずです。 これをインストールします。
日本語化拡張機能: Japanese Language Pack for Visual Studio Code
インストールが完了すると、ウィンドウの右下に “Would you like to change Visual Studio Code's display language to Japanese and restart?”(Visual Studio Code の表示言語を日本語に変更して再起動しますか?)のように通知が表示されますから、Change Language and Restart を選択して Visual Studio Code を再起動します。 次に Visual Studio Code が起動するときには、私たちに対して日本語を語りかけてくれるようになります。
C/C++ のための拡張機能
日本語の表示には慣れましたか? 続いて C/C++ のための拡張機能をインストールしましょう。 [⌘ Cmd]+[⇧ Shift]+[X] を押下して拡張機能のタブを開き、C C++ と入力します。 一番上の当たりに C/C++ と名付けられた Microsoft 製の拡張機能が表示されるはすです[1]。 これをインストールします。
C/C++ 用拡張機能
Visual Studio Code で C プログラムを開発する
まずは Visual Studio Code で適当なフォルダを開きましょう。 [⌘ Cmd]+[⇧ Shift]+[E] を押下し、フォルダーを開く を選択します。 デスクトップ あたりに適当なフォルダを作成してそれを選択しましょう。
適当なフォルダを作成するところ
フォルダを開くと このフォルダー内のファイルの作成者を信頼しますか? といったプロンプトが表示されます。 これは、特にインターネットから取得したプログラムが悪意を持った動作をしないように制限を掛けるためのものです。 今回は特段問題ありませんから、はい、作成者を信頼します を選択します。 フォルダを開く作業が完了すると、Visual Studio Code のウィンドウ左側 エクスプローラー のタブに選択したフォルダの名前が表示されていることを確認してください(ここでは hoge)。
このフォルダー内のファイルの作成者を信頼しますか?
さて、早速適当なプログラムを書いてみましょう。 とりあえず hello, world を書いてみます。 [⌘ Cmd]+[N] を押下して新しいファイルを作成します。 新しいファイルを開くと、エディタ画面に “言語の選択、または……” といったメッセージが表示されます。 ここで 言語の選択 を選択すると言語の一覧が表示されます。 今回は C のプログラムを書くため、C を入力して C を選択します。 ついでに [⌘ Cmd]+[S] を押下して main.c のような名前で保存しておきましょう。
言語を指定する
そしてようやくプログラムを記述できます。 以下にプログラムリストを示します。 プログラムにエラーがあると、赤色の波線を引いて教えてくれます。 便利ですね。 入力が完了したら保存を忘れないでください。
#include <stdio.h>
int
main(void)
{
printf("hello, world\n");
return 0;
}
プログラムの入力が完了したら、このプログラムを Visual Studio Code 内で実行してみましょう。 [⌘ Cmd]+[⇧ Shift]+[D] を押下してデバッグのタブを表示させ、実行とデバッグ を選択します。 すると構成の選択を迫られますから C/C++: clang アクティブファイルのビルドとデバッグ を選択します。
構成の選択: C/C++: clang アクティブファイルのビルドとデバッグ
正しく構成を選択し、問題なくビルドが完了すると、ウィンドウの下側に ビルドが正常に完了しました。 のようなメッセージが出力されるはずです。 また、この状態でしばらく待っていると、“main” から “デスクトップ” フォルダ内のファイルにアクセスしようとしています のようなプロンプトが表示されますから、許可 を選択します。
ビルドが正常に完了したところ
プログラムの実行結果を確認するには、ウィンドウ下側の表示を ターミナル から デバッグコンソール に切り替えます。 hello, world の文字は青色の文字で表示されているはずです。
デバッグコンソールに出力された “hello, world”
デバッグ支援のための機能のひとつとして、ブレイクポイントがあります。 Visual Studio Code では、行番号の左側の部分をクリックすることでブレイクポイントを設置・撤去できます。 ブレイクポイントでプログラムの動作を停止している間は、プログラム中の変数の値を確認することができます。
ブレイクポイント機能を利用してプログラムをデバッグする
ああ! 間違えちゃった!
デバッグの構成を選択する場面で選択を誤ると選択画面に戻れなくなることがあります。 落ち着いてください。 すぐに修正できます。 [⌘ Cmd]+[⇧ Shift]+[E] を押下して Visual Studio Code のエクスプローラーのタブを表示させます。 そこに .vscode と名付けられたフォルダを見つけることができるはずです。 この中にある launch.json や tasks.json を削除することで、デバッグに関する各種設定をリセットすることができます。
おわりに
おわりです。
ここでは Visual Studio Code で C や C++ のプログラムを開発・デバッグするための最小限の設定を紹介しました。 これにさらにカスタマイズを加えることで、より使いやすい環境を構築することができると思います。
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似たものに C/C++ Extension Pack があります。 これは C/C++ の開発に便利ないくつかの拡張機能をひとまとめにしたものです。 目当てにしている C/C++ 拡張機能はこれに含まれますが、ここでは簡単のために C/C++ を単体でインストールしています。 ↩︎
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