『原神』キラキラ輝く✨パーティクル表現
本記事は『原神』の VFX がどういったテクニックで制作されているかを観察・推察しながら紐解き、開発者向けに知見として形に残しておくことを目的としており、ゲームプレイ時の録画を引用させていただいています。
🐸デザインがオシャレ!
オーラ表現でも取り上げたシトラリが技を使ったときの十字型のパーティクルです。左と中央に出ていますが、左の星はパパっと速く消えますが中央の星はゆっくりまたたいています。寿命(LifeTime)のランダム幅が大きめに設定されていますね。2倍くらいあるかも。
✨動きの緩急のこだわり
拡大してスロー再生で見てみます。最初はゆっくりと拡大縮小していますが、消える間際にはかなり速い速度で拡大 → 縮小させて消しています。アニメーションも直線的ではなく「イーズイン / イーズアウト」が付いています。この「緩急」を細やかに付けているのがクオリティの秘訣だと思います。
拡大縮小も単純なサイン波では表現できない、しっかり狙ったものになっていますよね。
✨色とグローのこだわり
十字の上方向にだけピンクのグラデーションが入っているのが特徴になっていて、よく見るとピンク部分は十字のシルエットの少し内側にオフセットされています。また十字の先端は水色が付いています。
最も強く輝いている時のグロー部分を見てみましょう。中央はピンク、その周囲は明るい青紫、その外側は食らい青紫と色が遷移してます。ポストエフェクトのブルームだけではここまで奇麗なグローは出ないので、グロー用のテクスチャまたはパーティクルを重ねて表示していると思います。
🐸思ったこと
『原神』はサービス開始してもうすぐ5年なので、HoYoverse の後継サービスの『崩壊スターレイル』や『ゼンレスゾーンゼロ』の方がトータルのグラフィッククオリティは高い認識を持っている人も多いと思います。でも原神の一番新しく実装された国「ナタ」では「スパイダーマン:スパイダーバース」のようなグラフィティ表現をコンセプトに、VFX も含めて非常に先鋭的でクオリティの高いビジュアルで統一されていて、同じ VFX アーティストとして驚異的に感じます。
シトラリという1人のキャラクターの VFX の1要素でしかない星のデザインだけでここまでこだわってデザインされているのです。原神は400名規模だとメイキングか何かで見かけたことがあるので、一般的な開発現場と比べて予算面で圧倒的に優位なためここまでこだわれるのかも知れませんが、自身の成長のためにも見習わないといけないと思っています。
Discussion