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【崩壊スターレイル】必殺技演出の技術分析 - 鏡流

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本記事は『崩壊スターレイル』の VFX がどういったテクニックで制作されているかを観察・推察しながら紐解き、開発者向けに知見として形に残しておくことを目的としており、YouTubeに上がっている必殺技演出を引用させていただいています。

今回取り上げるのは鏡流の必殺技「曇華生滅、夢瀉す天河」のカットシーン演出です。
https://youtu.be/iGF-S8s2qh0?list=PLbRl8tDzJrvjS68kYVPkvTJjT66btv-bA&t=315

🎦Shot 1

👇まず必殺技の溜め演出から。こちらはオーソドックスに足元から立ち上がり渦巻くオーラを表示しつつ、青い葉・雪の結晶・小さな粒子を散らしています。

🎦Shot 2

👇ショットが変わって鏡流の足元の方からパンアップ、この時は専用の背景に変わっていますが‥

👇鏡流が立っている屋根のような建物は手描きに見えるため1枚絵かも知れません。

👇頭上からのスポットライト演出は恐らく VFX のビルボードで、青い花びらを降らせています。また鏡流の頭部がかなり発光しているため、ライトを強く当てているかも知れません。

👇ジャンプ時にキャラクターの衣装にブラーが強くかかっていますがポストエフェクトのモーションブラーの処理というよりは絵的なものに見えるため、板ポリで表現している可能性があります。

👇飛び上がったタイミングでショットは替えずロールしながらそのまま上空の月を見上げつつ背後に捉えるアングルになり、月を欠けさせながらここでショットを替えて瞬間的に寄っています。月のシルエットが全く歪んでいないため、雲も雪も板ポリによる書き割りにして奥行きを持たせてスライドさせているだけに見えます。月が欠けていくのはオーソドックスにやるならマテリアル制御かな。

🎦Shot 3

👇カメラが寄る形でショット替えで、ほぼフィックス。HoYoverse のゲームはリアルタイムでのカットシーン中には「嘘パース」のような変形まではやってない感じはします。

👇顔がカメラにアップになるタイミングで目を一度閉じて見開くと瞳の絵柄が変わります。こちらは普通にマテリアル制御に思います。そのまま腕を振り切る前にエフェクトの斬撃を横切らせているのが巧いですね。

🎦Shot 4

👇真下から見上げたアングルで斬撃を無数に降らせるショット。背景は筒状に雲の書き割りを多層にしているような感じで、丹恒・飲月と同じものかも。飛ばす斬撃も三日月状で、月も完全に欠けさせてないですね。見上げる状態のフィックスのショットから真横のアングルにショットを替えてるように見えるのですが、一瞬だけその中間のアングルのフレームが写るので瞬間的に急激にパンダウンさせている可能性も?

🎦Shot 5

👇今後は真横のショット。手前にビルボードの雲を横切らせていますが衝撃波に比べて小サイズなのがちょっと気になります。。衝撃波のモデルはかなりローポリでシンプルなシルエットですね。

🎦Shot 6

👇真っ白で画面を覆った状態 = 着弾のタイミングで恐らくショットを替えて、カメラを引いて敵キャラの周辺に次々と衝撃波が着弾する様子を見せています。1つ前のショットと同様カメラは落下してくるアングルに合わせて少しロールさせていますね。

👇降り注ぎながら縦方向にブラーを強くかけていき‥

👇いつもの白黒2値化&反転フラッシュ演出。地割れをここで見せています。

🎦Shot 7

👇切り替わり直後はエフェクトやキャラが白飛びするほどのかなり強いライトを焚きつつ、強い色収差を入れています。最初に一瞬ヒットストップっぽい処理が入っているように見えます。エフェクトの衝撃波や飛び散る破片も一瞬スローになっているのでタイムスケールをかけてそうです。地割れは引き続き右上がりのレイアウトにして自然な流れに見せていますが、地割れに沿って敵が等間隔に配置されているのがちょっとシュールです。

👇3体の敵の配置間隔がかなり空いているため、専用に並べる処理が入ってそうですね。地面はモデルにしては地割れの解像度が甘いのとカメラがフィックスなので一枚絵っぽいですね。

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