ここまで特に説明してこなかったProfile
(プロファイル)について説明します。
Windows Terminalは端末エミュレーターです。端末である以上は接続先が必要です。その接続先の情報を記したのがProfile
(以下プロファイル)です。Windows Terminalがサポートする接続先として古き良きコマンドプロンプト(cmd)、近年の標準であるPowerShell、今後が期待されるWSL(Windows Subsystem for Linux)、MicrosoftのクラウドであるAzureなどが代表的なプロファイルとして上げられます。
Windows Terminalを起動するとdefaultProfile
に指定したプロファイルでタブを1つ作成します。タブの中ではProfile
のcommandline
に指定したプログラムが実行され端末のセッションとなります。このプログラム=セッションを終了するとタブは閉じられます。そうしてすべてのタブが閉じるとWindows Terminalは終了します。
Profile
のcommandline
にはあらゆるプログラムが指定できます。より現実的・具体的にいうとコンソールを必要とするコマンドラインのプログラムを指定できます(裏を返せばGUIプログラムを指定する意味はありません)。例えば最近のWindows 10にはSSHクライアントが含まれています。それを起動するようにプロファイルのコマンドラインへ指定すれば特定のホストに手軽にSSH接続できるようになります。
余談ですが、もちろんテキストエディタのVimですらプロファイルにできます。これを利用すればWindows Terminalの設定ファイルをVimで編集するプロファイルを作成できます。以下はそのプロファイルのサンプルです。
{
"name": "Open settings",
"commandline": "vim %LOCALAPPDATA%\\Packages\\Microsoft.WindowsTerminal_8wekyb3d8bbwe\\LocalState\\settings.json",
"hidden": false,
"closeOnExit": true,
"fontSize": 10,
"padding": "3, 3, 3, 3",
"scrollbarState": "hidden"
},
プロファイルを追加しそれを起動することで1つのWindows Terminalで複数の接続先に接続できるようになります。以下の画像は実際に複数の接続先に繋いだ際のタブの様子で、左からコマンドプロンプト、SSHによるリモート接続、WSL Ubuntu、PowerShell、そしてWindows Terminalの設定ファイルを開いたVimです。
またプロファイルを追加することで、下記のようにドロップダウンにそのプロファイルが追加され簡単に起動・接続できるようになります。
加えてタスクバーのWindows Terminalのアイコンを右クリックした際に表示される「タスクリスト」にもプロファイルが表示されます。タスクバーへのピン留めと合わせて活用するとプロファイルへのアクセスがとても容易になります。
このように自分のプロファイルを用意することで、Windows TerminalだけでなくWindows自体をより便利に使えるようになります。