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Data Analyst Career Study #1 レポート - データアナリストに必要なのは徳 -

2023/03/03に公開

前置き

こんにちは。株式会社GENDAのデータエンジニアのこみぃです。

先日、株式会社リーン・ニシカタ様と弊社の共催で、Data Analyst Career Studyというイベントを行いました。
https://dacs.connpass.com/event/273421/

本日はイベントレポート的に、その話をします。

イベントの趣旨

イベントの冒頭で詳しく語られた内容ではありますが、このイベントの趣旨はデータアナリストのキャリアという、実は誰も正解を知らないことについて議論することです。

データ系の人材というのは近年になって事情がかなり変わってきていて、適切なロールモデルがいないと思っています。私自身も転職にあたってかなり悩みました。

イベントを開催して議論することで、そもそも自分以外のみんなもキャリアに悩んでいるのだということが知れるとよいなと思っていました。
また、わからないながらも答えを出してキャリアを歩んでいる例をお見せすることで、参加者の皆様のキャリアを考える参考になればと思っています。

ジェネラリストになるかスペシャリストになるか

イベントを通して、データ系ではジェネラリストになるかスペシャリストになるかというのが一つのテーマだったように思います。
私は自分で「何でも屋」と名乗ってしまう程度にはジェネラリストにかなり振り切ったキャリアを選択したので、その経緯などをお話しました。

あの場で語りきれなかった話をすると、どちらを目指すにしてもかなりの覚悟が必要であり、自分なりの生存戦略を考える必要があると思います。

ジェネラリストを目指す場合にはなんでも屋とはいかなくともかなりの範囲をカバーするつもりで臨む必要があります。ときにはPMのように振る舞う必要もあるでしょう。
それに加えて自分の会社が所属している業界を理解するための勉強などももちろん必要になります。

逆に、スペシャリストを目指すということは、スペシャリストを目指している他の人と同じフィールドで競う必要があるということです。
例えばデータサイエンスでスペシャリストを目指すなら、学生時代からコンピューターサイエンスを学び、人間と会話するよりも機械と会話することのほうが得意な方々と競う必要があります。
私は身内にそういう人間が1人いるので身にしみて理解していますが、そういう人材と競うなら「ジェネラリストになるかスペシャリストになるか」と悩んでいる暇すらありません。

いずれにしても、一緒に登壇していただいた奥村さんが語っていたような、特定のドメインのスペシャリストであることをかけあわせたりといった生存戦略が必要になるでしょう。

データストラテジストとデジタルスキル標準

私の話の中で出てきたデータストラテジストという概念と、それがまとまったデジタルスキル標準という資料がこちらです。(by 経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2022/12/20221221002/20221221002.html

この内容はかなり奥が深く、単純に読むだけでもキャリア形成の参考になるかと思います。
これについては別途まとめた記事を書こうと思います(着手はしています。。。)ので、のんびりとお待ち下さい。

データアナリストに必要なのは徳

さて、今回最終的に出てきた結論としては「徳を積むことが重要」ということがあったと思います。

現在の日本では、データを活用するということ自体がまだまだ曖昧な概念です。
それがどれくらい重要なのか、どんなことができるのか、どれくらい大変なのか、何をしなければならないのか、データアナリストが思っている以上に知られていません。

であれば、まず必要なのは信頼関係の構築です。信頼関係を築くには徳を積む必要があります。

将来ひょっとしたらデータ活用について今よりももっと知名度があがり、必要性や費用対効果を誰もが知る世の中になるかもしれません。その場合には徳を積むステップは不要になるかもしれません。
ただ、今できるのはそんな世の中になることを目指して徳を積むことなのかなと思います。

回答できなかった質問についての私なりの答え

さて、トークセッションでは時間の都合でお答えできなかった質問について、せっかく投稿していただいたものですので、私なりの答えを書いておこうかなと思います。

皆さん元DeNAですが、DeNAでの経験がどれくらい市場価値に反映されていると感じていますか?

スキルに関してはどこに所属していてもそれなりのものが得られたと思うので市場価値に強く影響しているとは思いません。
特にDeNAであることという意味だと、DeNA時代に培った人脈は非常に役に立っています。こうして一緒に勉強会を開く程度には。
ただこれも、単純に「ネットワーキングは大切である」という範囲は出ていないとは思います。

※個人の見解です

「分析結果や提案」をPdMやエンジニア・ビジネス側担当者に「うまく伝わった、利活用してもらった」と感じたときの要因は何でしたか。

要因という質問なので、答えは一つです。「徳を積んだこと」です。
相手が自分の話を聞いてくれる状態を作ることがまず重要に思います。

※個人の見解です

分析者としてのキャリアを築く上で、純粋な分析以外で優先的に経験したい・あるいはすべき仕事はどんなものですか?

私個人の話ですが、デザインを一度しっかり学びたいと思ってます。
というのも、データを理解しやすいように見せる技術もアナリストにとっては必要だと日々痛感しているからです。

TableauコミュニティのDATA SABERあたりも同じ意味でまあまあ興味がありますね。
https://datasaber.world/

※個人の見解です

アナリストがビジネスにおける課題解決を行うために、統計スキルはマストか?マストならどこまでのレベル(統計検定2〜1級等)が理想的か?

統計の知識はまったくないといわゆる統計の誤謬に引っかかってしまうので困りものですが、基礎的な部分がわかっていれば十分だというのが個人的な見解です。
2級だと結構応用編になるので、2級まではなくても良いかなと思います。

それよりも論理的な思考や仮説検証ができるかの方が重要だと思っています。また、ビジネスでは1人で課題解決するわけではないのでコミュニケーション能力も大切なのは言うまでもないですね。

※個人の見解です

社外の勉強会やイベントに参加をして、社内の業務に活かせた例

最近なんですけれど、Data Analyst Career Studyっていうイベントがありました。
https://dacs.connpass.com/event/273421/

自分の今後のキャリアにおける立ち回りを考えたり、組織においてデータチームをどう作るかを考える上でめちゃくちゃ勉強になりました。
そればかりか、ここ最近は大胸筋のハリも良くなってきた気がします。肩こりも軽減した気もします。多分気の所為です。

絶対的におすすめできるイベントです。第2回も絶対に参加しようと思っています。

※個人の見解です

何でも屋さんとても気になる…アプリの検証など依頼されることは、メチャクチャなので悩みの種ですw

私の場合でいうと、何でも屋なので何でもやります。なぜなら何でも屋だからです。
質問をくださった方がどのくらいの何でも屋になりたいか次第で判断するのが良さそうですね。

※個人の見解です

開発メインのクライアントワークを行いつつ、データ案件で実績を積んでいきたいものの、案件数が少なく、なかなか底上げができません。似たような環境の方はクライアントへの提案や営業はどのように行ってきたのでしょうか。

これは私はやったことがないので答えを持っていないのが申し訳ないのですが。。。
開発メインでお仕事を受けていると、どうしてもそうなってしまう気はします。仲良くなった会社でデータ案件を提案するなど、自分からデータ案件を作りに行く工夫があると良いかもしれません。

※個人の見解です

データアナリストとしてずっとキャリアアップしていけるパスはあるのでしょうか?というのも、データアナリスト職で機械学習とか触ったりすると会社からAI開発などの案件を振られて分析したいのに開発しているなんてことが多々あります。その場合、アナリストとして分析できる会社に転職するのか、ほかの選択肢などありますでしょうか?

これはアナリストに限らないのですが、自分が何をやりたいかと会社が自分に何を求めるかについては上司と相談するなどしてすり合わせる必要があります。

まずは上司に相談してみましょう。そうすると選択肢が見えてくると思います。
場合によっては転職が最適解かもしれませんが、それもまた人生です。楽しんでいきましょう。

※個人の見解です

環境がどんどん変わりゆく中で、良いキャリアの積み方についてはこれまでの10年間とこれからの10年間で変わっていくと思います。今後も再現性の高そうな良いキャリアの積み方についてどのようにお考えかお話していただけると嬉しいです。

これはデータアナリストに対しての質問というよりも、もっと汎用的な質問のように思いますので、そのように回答します。
正直な話これは私が知りたいくらいなので、あくまで現状の私個人の意見として聞いてください。

徳を積んでください。

今の世の中というのはおっしゃるとおりで環境が日々移り変わっていきます。いま一生懸命勉強したことが将来全く役に立たなくなるということもありえます。

ただ一つ私がはっきり確信しているのは、これからの世の中では人間性が評価される機会がより増えていくだろうということです。
物事に取り組む姿勢、他人と接する姿勢、それらが正しい人は環境が変わっても評価されますし、環境の変化に真摯に向き合って力強く生きていくことが出来ます。
周りの人々や物事と真摯に向き合うことで、徳を積みましょう。

もっと詳しく知りたければ、私が尊敬する人物の1人が書いた書籍をおすすめします。
https://amzn.to/3y60HhJ

※個人の見解です

データアナリストが価値を発揮しやすい会社もしくは部署かどうかはどのように見極めていらっしゃいますか?

その会社や部署での意思決定のプロセスを聞くと、データアナリストが意思決定にどのように関わっているのかがわかります。
データアナリストが意思決定に強く関わっている場所が、データアナリストが価値を発揮しやすい場所です。

さらに踏み込めるなら、直近で下した大きな意思決定について詳しいエピソードを聞くといいと思います。

※個人の見解です

何でも屋を自分でやらず、人を雇ってやる選択肢もあったと思いますが、何でも屋になろうと思った詳しい理由や、なってみた醍醐味などを教えてください

まず最初に自分が徳を積む必要があったので、人を雇う選択肢がそもそもありませんでした。人を雇うにも徳が必要ですから。

なろうと思った経緯は大きく2つです。
まず、私は割と何にでも興味を持つ人なので「この仕事をやりたいんだ!!」みたいなこだわりがあまりありません。なので、何でも屋になることに抵抗がなかったというのが大きいと思います。
加えて、前述の親族の影響でスペシャリストになることがどういうことなのかも知っていました。自分には向いていないとも思っていました。

なってみた醍醐味としては、ワイヤーフレームを書くのも動画を作るのも結構楽しかったです、という感じでしょうか。あと、松山のみかんはすごくすごいおいしかったですよ!!

※個人の見解です

「データ何でも屋」になる上での注意点

私の話を聞いて自分も「データ何でも屋」になろうかと思っている方が万が一いらっしゃった場合に、一つ切実な注意点を書いておきます。

何でもやっていることが評価される会社に入社してください。

「データ何でも屋」になったときに一番つらいのが、ただの便利屋扱いされて評価されないことです。
その場合には残念ながら「つらい・スキルが上がらない・報われない」という序盤、中盤、終盤スキがない過酷な環境が待っています。

※個人の見解です

打ち上げ

ここまで読んだ皆様は、そろそろ「あれ、今回はさすがに食レポないのか?」と思われたことと思います。
安心してください。ちゃんとありますよ。

イベントに登壇したらそりゃ打ち上げしますよね。今回の打ち上げは、わらやき屋のお店@新橋です。

すごく……すごいです、おいしい……!

高知のカツオは美味しい。ここテストに出ます。

本日のまとめ

本日のまとめは非常に簡単ですね。

データを積む前にまず徳を積め

結びの言葉

改めて、当日参加していただいた皆様。ありがとうございました。
何か皆様のキャリア形成に役立つ内容になっていたら幸いです。
そして、おかげさまで第二回もありそうな気がしますので、是非またお越しください。

最後に一つ宣伝を。
私が所属する株式会社GENDAでは一緒に働く仲間をすごくすごい真剣に求めています。
興味がありましたらぜひお気軽にお声おかけください。
https://genda.jp/

本日はこのあたりで。
それじゃあ、バイバイ!

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