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けしからん画像分類器を作ってみる (3) データ収集 その2

2021/02/26に公開

目次

データ収集について

前回、「約48万枚の静止画、約1,700本の短い動画を集めました」とさらりと書きましたが、もちろん様々なハマりどころ、紆余曲折がありました。今回は、その辺りについて書いてみたいと思います。

機械学習とは関係なく、ウェブ上から様々な情報を自動的に集めるツールを「クローラ」(Crawler、crawl=這い回る)と呼んだりします。
他にも「エージェント」(Agent)、「スパイダー」(Spider)、「コレクタ」(Collector)、「ボット」(Bot)などと呼ばれますが、本記事ではクローラと呼ぶことにします。
また、(主に人間用に作られた)ウェブページから情報を取り出すことを「ウェブスクレイピング」(Web scraping)と呼びます。詳しく調べたい時には、検索キーワードに加えると良いと思います。ぶっちゃけ、無茶苦茶泥臭い作業です。

クローラの実装に関して、工夫した点、上手くいった点などは以下の通りです。

  • クローラはRubyで実装しました
  • wgetcurlを活用しました
  • MQTT経由でクローラの状態を観察できるようにしました
  • メタ情報はJSON形式のファイルとして出力しました
  • URLの正規化を頑張りました
  • HTMLもすべて保存しました
  • データベースは使用しませんでした

クローラはRubyで実装しました

最初の記事で「Pythonで書きます」と言った早々から別のプログラミング言語が登場です。

今回、画像や動画を収集するクローラはRubyで実装しました。「Nokogiriが便利すぎるから」と言うのが一番の理由です。
以前、Pythonでクローラを実装したこともありますが、少なくとも当時はあまり良いライブラリがなく、かなり辛いものでした。
使い慣れていることもありますが、Nokogiriであればサクサクとスクレイピングできます。切れ味の良い道具は良いですね。

wgetcurlを活用しました

ウェブページ(HTML)の取得には、基本的には標準添付ライブラリのopen-uriを使用しました。

Zennっぽくたまにはコードを出しておくと、以下の様なRubyコードでGoogleのトップページのHTMLを標準出力に出力できます。(ま、実際にはObject#displayなんて普段は使いませんが、思考通りの順番で書ける幸せ表現するPythonに対するアンチテーゼとして)

require "open-uri"
open("https://www.google.com/").read.display

ウェブページの取得は、まあこれで良いのですが、動画となると少しサイズが大きいので「進捗状況を表示したい」みたいな欲が出てきます。また、途中で失敗した場合に、最初からではなく途中から再開してほしいですよね。
そこで便利なのがwgetcurlのようなツールです。餅は餅屋。自分で色々と実装することは諦めて(と言うか良い意味で手を抜いて)、まるっと任せちゃいましょう。
ちなみにwgetを使うのがオールドタイプ、curlを使うのがニュータイプらしいです。(僕は環境にあるものを使うというアダプティブタイプです)

MQTT経由でクローラの状態を観察できるようにしました

クローラの中にPub/Sub機構を組み込んで、状態を観察できるようにしました。

具体的には、パブリッシャー(Publisher)としてMQTT(Wikipedia)サーバに接続し、収集したデータを随時出力するようにしました。
こうしておくことで、収集した画像を別のツールでリアルタイムにプレビューしたり、推論したりできて便利でした。
ちなみにパブリッシュした情報は、収集したHTML、収集した画像(をBase64エンコードしたもの)、それらのメタ情報、収集に関する統計情報などです。

MQTTの他にもNATSを利用したりもしました。ぶっちゃけ方法は何でも良いですが、リアルタイムに観察できるのはとても便利でした。お勧め。

今日はここまで

7トピック挙げましたが、3トピック書いたところで今日は力尽きました・・・。
情報量や完成度よりもスループットを重視して記事を書こうと思いますので、今日はここまで!

けしからん画像分類器を作ってみる (4) データ収集 その3」に続く。

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