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ランダムの世界を観察することで無自覚だった自分の世界観を感じる話

2023/01/06に公開

新年明けましておめでとうございます←

本記事は Random Creative Coding - randomから好きを探る - Advent Calendar 2022第6日に投稿しようとした 記事となります.

本カレンダーのディスクリプションを拝見すると,

random性を持った作品は毎回別の描画が行われます。
この中に、偶然の作品との出会いがあり、心惹かれる作品が現れることもあるでしょう。
一方で、randomとしたくない、必然的に行いたい処理もそこにあるはずです。

このようにクリエイティブコーディングという手段を用いて自分の好みを観察しながら、それをMarkdownで書き記していく。

そこから、どのような表現が自分らしいものであるかを知り、また他の方の自分らしさを覗き見ることで多様な価値観に触れることもできると考えています。

にこのように記載がありました.とても興味深い文で,これを読んだ時何となく感じるところがあり,自分とランダムを見てみるとどうなんだろう?と思い立ったたため,今回筆(キーボード)を執った次第です.

図形の比較:円と正方形

手前味噌ですが,まずは以下の作品を題材にしてみます.クリックする度に若干絵が変わります(合計4パターンあります)

https://openprocessing.org/sketch/1704091

以下画像

円を左から
円を右から
正方形を上から
正方形をしたから

昔の自分が なぜ円は左右に配置したのか,また なぜ正方形は上下に配置したのか はわかりませんが,個人的にはとてもしっくり来ています.皆さんはいかがでしょうか?

逆に円を上下・正方形を左右に配置してみますと,とても違和感を個人的には感じます.

人間の視覚は言うほど正確ではない

ランダムの話とは少し離れてしまいますが,人間の目はかなり高性能ですが,物事を必ずしも正確に捉えているとは限らないです.

これはググれば枚挙にいとまがないほど記事や論文が書かれておりますし,実際に皆さんも体験としてあると思います.いくつかわかり易い例を出してみます.

エビングハウス錯視

エビングハウス錯視 と呼ばれるものですね.いわゆるこういうやつです.

エビングハウス錯視の例

こちら見たことある方は多いと思います.真ん中のオレンジの円のサイズは左右で同じなんですが,左のほうが小さく見える,というものです.ドイツ人心理学者 ヘルマン・エビングハウス 氏にちなんだ名前だそうです.

デルブーフ錯視

もう一つ似た錯視として デルブーフ錯視 というものもあります.

デルブーフ錯視の例

左右で中心の円のサイズが異なって見える錯視です.外の同心円のサイズによって変わります.個人的なお話ですが,私はこちらの錯視があまり働かないようで(小さくは見えますが,ほとんど同じサイズに見える),これは円だからかな?と感じました.正方形だと顕著に錯視が起きているように感じました.

余談ですが,Wikipedia に様々な錯視がまとまっているページもありますので見てみてください.とても興味深く,面白かったです.今回の図も Wikipedia からお借りしました.

ランダム性と意図した錯視の組み合わせ

※以下,集合体恐怖症の方に触れるかもしれない画像が登場します🙇










先程のデルブーフ錯視をランダムに描いてみました.こちらもクリックすると,円⇔正方形が交互に変わります.

https://openprocessing.org/sketch/1785844

円のデルブーフ錯視
正方形のデルブーフ錯視

配置をランダムにしてみたのですが,比較対象が増えたせいか,より強く自分の中に錯視が起きていると思います.やはり外枠のサイズが大きいほど錯視が起きやすいんですね.

また個人の美の観点から言うと,なんでかわかりませんが正方形のほうが美しく感じますね.円の方は正直何も感じませんでした(笑)

さらに,この子の背景を黒にしてみました💁

背景黒バージョンの円のデルブーフ錯視
背景黒バージョンの正方形のデルブーフ錯視

やはりこちらの方が美しく感じました.円についてもこちらはちょっと惹かれる感触がします.さらに 目の錯覚ですが 中の図形に薄ぼんやりと白の影がかかっているように見えます.私の目が疲れているのかもしれません()

黒の中に光があるのは,個人的には心象風景を表しており,そこに共感を得るからかな? という予想をしていますが,ここは今後も深ぼっていきたいところです.実際に他の方々の作品をみる際も,私は背景黒の作品に目が行きがちです.

錯視を意図的になくす

先程の黒の絵に一手間加えてみたところ,個人的には一気に錯視がなくなりました.やったことは 内側の図形にも枠線を追加 のみです.実際に絵を見てみてください💁

枠線ありの円のデルブーフ錯視
枠線ありの正方形のデルブーフ錯視

さらに追加で,枠線の数を一本増やしてみた ところ,個人的にはこちらの方が更に美しいなと感じました.こちらも実際に絵をご覧ください💁

二重枠線の円のデルブーフ錯視
二重枠線の正方形のデルブーフ錯視

こちらは逆にまた錯視が復活した感触で,比較対象の線はより内側の図形に近い方が錯視しやすいんですね(個人の感覚です).皆さんはいかがだったでしょうか?

終わりに

浅い探索ではありましたが,とても面白い三択の時間だったなと思います.単なるランダム性としか今まで捉えてなく,ランダムの中に自分の感性が隠れている という観点は正直盲点でした.

今後は単純な絵だとしてもそのランダム性の中に,私個人が描きたい世界観を見てみようと思います.この機会をいただけたことに感謝します.@koya_kimura さんありがとうございました!

ではでは(=゚ω゚)ノ

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