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manager README in FOLIO

2020/12/16に公開

これは何?

これは FOLIO Advent Calendar 2020 の16日目の記事です。

最近、@tbpgrさんが下記のようなツイートをしていましたが、パフォーマンスを高める上で自己理解と他者からの理解の重要性は高いと考えています。

更に、ここ最近は環境の変化などもあり、改めて自己の価値観を見つめ直す意味もこめて、自分のREADMEを書いてみたので紹介させてください。

このmanager職に付く人間が自分のREADMEを書こうというネタ自体は、2018年にシリコンバレーのテック企業(Slack、Netflixなど)から広まり、国内でも@yoshioriさんの yoshiori/manager-readme を皮切りにこのムーブメントが広まっており、今回の試みもこれらを参考にしています。

そのため、今回のネタは僕が何番煎じとなるのかはわかりませんが、誰かの取り組みに対してフォロワーが居て初めて文化へと昇華されていく過程をみて、良い取り組みに対して自分もフォロワーとなる事の重要性を日頃から感じており、今回はそんな価値観を体現する意味も込めてやってみました。


Hello Hello, I'm kiris👻

  • こんにちはこんにちは!kirisといいます。2020年11月なったばっかりの新米のVPoEです。
  • この文章は、二つの目的のために書いています。
  • 一つ目の目的は、僕がどんな事を考え、何を大事にして、どんなふうに働いているのかを伝えるために書いています。
    • これは別に、「これが俺だから従え!」という意図ではなく、お互いに理解して良い関係を築くために書いています。
    • なので、あなたに何かを強制したりするものでは無いというのを強調しておきます。
  • もう一つの目的は、この文書を読んで感じた事や意見を、あなたから教えて貰うために書いています。
    • 僕の仕事は、チームや組織の状態に併せた変化が必要な仕事だと捉えており、その基となるインプットを常に求めています。
    • 更に言えば、今のロールは僕にとって大きなチャレンジであり、その点においても僕はあなたを始めとするいろいろな人達の意見や考えを聞きながら、日々アップデートしていく必要性を感じています。
    • なので良かった所も悪かった所も含めて、あなたのフィードバックや考えを聞かせてくれると嬉しいです。

基本スタンス

  • 僕は基本的に、僕と僕に関わる人達の両方が笑っていて欲しいと思っています。そして、そのために良いプロダクトを世に送り出したり、事業を成長させて成功させたいと考えています。
    • 会社が僕に求められる事と逆転する可能性がありますが、僕のスタンスはこの順番です。このあたり相互補完的でもあるので、何か一つを丸々捨てる事はありませんが、優先順位を付けなければならない場合、『HARD THINGS』に書かれていた下記の言葉が僕の大きな行動指針です。
      • "人、製品、利益を大切にする──この順番で" - HARD THINGS | ベン・ホロウィッツ
  • 僕の仕事を進め方は 「手が付けられてない課題を探し、出来る事を考え、それをやる」 の一言に尽きます。
    • 社内には、僕よりも専門性が高く優秀な人達が沢山いるので、既に誰かが手を付けている課題は、そのままその人達に任せてしまった方が上手くいく事が多いです。なので、それよりもまだ誰も手が付けられていない課題や、違うレイヤーからの解決が必要な課題を探す様に心掛けています。
    • また、やる上で勝ち筋は事前に考えますが、一方で確信を持って進められる事も稀なので、今までも、そしてこれからも沢山の失敗をすると思います。ただ、やらずに失敗しないよりも、失敗してもいいからやってみる人間でありたいと考えています。
  • マネージャーとメンバー、会社と個人といったあらゆる関係を考える上で、『ALLIANCE』にある 「フラットで互恵的な信頼に基づく関係を築くべき」 という考えを強く支持しています。
    • 「マネージャーはメンバーが成功するための手助けをしますが、逆にメンバーにもマネージャーが成功するための手助けして欲しい」 という考えです。これは、マネージャーとメンバーに限らず、同僚間や会社と社員、といった関係性でもそれを目指すべきだと感じます。
      • 「マネージャーやリーダーを孤立させるな」 というのは、僕がメンバーの時によく口にする言葉の一つです。
    • その一方で、信頼関係を損なうようなリスペクトの無い行動を特に忌避しています。
  • 僕の過去の経験から 「よい組織に所属する事は、それ自体が今後の大きな資産となる」 という考えに至っています。なので僕は、この組織でもその実現や推進がしていけたらという思いが強いです。

My role as a VPoE

  • 開発組織に対する最大の責任を負い、開発組織とそこに所属する一人ひとりのメンバーの成功に、僕のリソースを注ぎます。
    • これは、僕が開発組織で一番偉い人というわけではありません。上下関係ではなく、あくまでロール(役割)という認識でいます。
      • なので、あなたが僕に対して「許可を得ること」や「自分を守ること」に力を注がずに、いつでも気軽に相談してください。
      • 「いつでも気軽に相談できない」ような状態であればそれは僕の課題なので、その旨を伝えてくれると嬉しいです。
    • また、僕が能力的に一番秀でているというわけではありません。僕自身がやろうと決めた役割と会社が求める役割が、一致した結果だと捉えています。
      • なので、僕だけの力では解決できない課題や、気づいてもいない課題が社内にはたくさんある事かと思います。それらの課題を、よければあなたと一緒に解決して行きたいです。社内でいっぱい 『いいだくみ』 をしましょう。
      • これは余談になりますが、僕よりも秀でた能力を持つ人間が社内にたくさんいる事は、僕が今のロールを引き受けるにあたり一番のプレッシャーであったのと同時に、この組織に所属していて一番誇らしいことの一つです。
    • 一方で、個の成功は上位の組織の成功に付いてくるものと捉え、経営に関わるメンバーの一員として、その母体となる会社の成功にもコミットメントしていければと考えています。
  • 僕にとっての組織マネージメントは、それぞれのチームが自己管理型チームとなり、自分達のミッションを実現できる組織を目指し、そのためのサポートや環境作りに力を入れたいと考えています。
    • そのため、僕は頭ごなしにこれをやれと言うのではなく、対話等を通じて、現場の意見や自主性をできるだけ尊重するやり方を好みます。
    • これは僕が、「役職等関係なく、その事を一番考えた人が一番偉い」 という価値観を好んでおり、現場の事については現場の人達が一番考えていると信じているからです。逆を言えば 「現場の人達には現場の事を、他の誰よりも考えて欲しい」 というお願いでもあります。
      • 一方で、経営や組織運営という別な現場からみた意見を、あなたにお伝えするようにも心がけます。お互いの現場から見た意見を交換し、おとしどころを一緒に探したいです。
    • また 「あなたの挑戦する権利を出来るだけ奪いたくない」 とも考えています。仮にその結果が失敗と感じられるような内容だったとしても、その経験が次に活かせれば長期的にはより大きな成功に繋がると信じているからです。
      • なので僕は、そもそも挑戦できる環境を用意する事、挑戦が成功に繋がるようサポートをする事、万が一失敗した時に致命傷にならないようにする事に力を注ぎます。

僕の特性など(こう関わるといい)

  • 僕が自分の中で一番多く武器として利用しているのは「自分のあり方(ソフトスキル)」であり、一番の弱点は「理解力」です。
    • 特に、純粋に難しい内容に対する理解力がかなり低いです。僕もできるだけ理解する努力しますが、理解しやすいよう噛み砕いて説明してくれると嬉しいです。
  • 恥を捨てる事の大事さも学んだので、大胆な動きもそれなりにできるようになりましたが、本質的には内向的で気弱な面があるので、誰かに背中を押されると大変励みになります。
    • ただ逆に、自己を変えたいという要求も強いので、愛のあるネガティブフィードバックもそれはそれで励みになります。
  • 良くも悪くも飽きっぽく所や思考が散発的な所があるせいか、誰かに指示されて動く事よりも、自分で自分の仕事を決めて動く方が得意な気がします。
    • チームの同僚から「kirisさんは暇にしていた方が輝く」というとてもありがたいフィードバックを頂いた事がありますが、このあたりが要因な気がしています。
  • 仕事をやっていて好きな瞬間は、知的創造性が発揮していると感じる瞬間です。プログラミング等、1人での作業でそれを感じられる瞬間も好きですが、誰かと作業をして「1 + 1」が「> 2」になっていると感じれる瞬間も大好きです。
    • なので、壁打ち相手とかに指名してくれると、むしろこちらが喜ぶのでぜひ声をかけてみてください。
    • 一方で、知的好奇心はそこまでない方な気がします。技術について考えている時も「何の技術を使うか?」よりも、その技術を使って「何をするのか?」や「何を表現するのか?」を考えている時の方がテンションがあがるタイプです。
  • 仕事とプライベートの境界が曖昧です。休日も仕事のことを考えてますし、プライベートのことで、仕事のパフォーマンスが落ちてきてしまう日もあります。
    • なので、時間帯や休み中を気にせずに話かけて貰って大丈夫です。すぐに返事ができるかはわかりませんが。
  • 他の人の成果や成功を聞くのが大好きなので、あなたが成果を出した時や、他の人の成果を見付けた時は、ぜひ騒がしいくらいに声を上げて僕や他の人にも教えて欲しいです。僕もあなたの成果に気付いた時は積極的に騒いで、成果を祝いたいと思います。
  • 何かの課題を解決する時は、自分のロール等は出来るだけ考えないよう心がけています。
    • というのも、ロールは複数の人間が協調して働くためのラベルの意味合いが強いと考えており、それを守る事よりも、出来るのにやらないせいで事業やチームが上手くいかない事に抗いたいと僕自身は考えているためです。
    • なので、役割分担をキッチリ分けて仕事を進めたい方とは相性が悪いかもしれませんが、教えて貰えればお互い働きやすい関係となるよう改善の努力をします。
  • 他にも僕の特性や、関り方のコツに気付いた時は追記するのでぜひ教えてください:-P

フィードバック

  • あなたが僕に思っている事は、なるべく僕に伝えてくれると嬉しいです。
    • 駄目なところ、直してもらいたい所は勿論なのですが、出来れば良い部分も教えてください。
    • 良い部分を教えてもらえると純粋に嬉しいですし、何か改善する時にそこは残しておこうと出来るからです。
  • 伝え方は、気がついた時にSlack,Twitter,Zoom,etc何でも構いません。ただ例に漏れず僕も、電話は若干苦手です。

1on1

  • 僕がマネージャーとして関わっているメンバーには、2週間に1度、1回30分の定期的な1on1をお願いしています。
    • それ以外のメンバーとの1on1の提案も大歓迎です。1on1というとちょっと堅苦しいと感じるようであれば、軽い雑談的な相談やランチやお茶のお誘い等も歓迎です。
  • マネージャーとメンバーの関係と同様に、1on1についてもフラットで互恵的な場になる事を目指しています。お互いに話題を持ちよって、何の話をするかは一緒に決めましょう。
  • 1on1を行なう時、僕はできるだけ一人の人間としてあなたに向き合うように心掛けています。なので、転職先の相談のようなセンシティブな話題でもかまいません。その時、どんな話の内容に関わらず、それを基にあなたに不利益や不快となる事が起らないよう細心の注意を払います。

最後に

  • この文書は永遠のWIPです。もしかしたら次の日には、書いている内容が大きく変っているかもしれません。サービスやコードと同じように、日々運用を続けながら改善をしていけたらと考えています。
  • 僕は完璧とはほど遠い人間なので上記に書いた事をすべて出来ているわけではないです。もしかしたらできていない事の方が多いかもしれません。ただ、そうありたいと強く思っています。
  • この文書は僕一人の力によって書かれたものではなく、多くの先人達が残してくれた知恵や考えを基に書かれています。先人達に最大級の感謝を。
  • この文書を最後まで読んでくれてありがとうございます。

明日の FOLIO Advent Calendar 2020 は、社内では「FOLIOの福利厚生」の異名で知られる @yoskhdia 先生です!

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