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「心理的安全性のつくりかた」を読んで

2022/07/18に公開

読んだもの


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感想

良書。科学的なアプローチから心理的安全性の重要性を説き、日本の特性も考慮に入れ補足されている。たとえば、多様性について人種から多様なアメリカと日本社会を比べて日本ならまずは... といった補足も入っている。

心理的安全性は重要なのだが、会社として実現するには、
心理的安全性の高いチームを作り上げることと経営を結びつかせる必要が重要と感じた。

心理的安全性に重きを置くためには、よくあるベンチャーでは以下の供給がいかにメンバーに提供できるか、が肝になると感じた。

  • 挑戦できる状況
  • 中長期的な成長への投資

また、リーダー論について厚く書かれており、いい内容なのでリーダーやマネージャは是非読んでおいた方がいいだろう。
不確実な社会と戦うために組織をアジャイルな状態にしたい、そのためには心理的安全性が高い組織である必要がありそう。そういったポイントに活躍する体系立った知識やエッセンスが詰まっている。

挑戦できる状況

自分がやりたいことをやれるためには、組織が多種多様なプロダクトやプロジェクトを持っていて、どこかにマッチしていることが必要だと思う。または、やりたいことを経営に結びつけて発足させていくマンパワー。

率直な意見が言える状況のみに意識が向けられるとハマる罠の1つが、本書で語られる「ヌルい職場」だと思う。
基準を上げるためにメンバーのストレッチが必要だが、みな人なのでそれぞれストレッチしたいことが違ったりするはずだ。このストレッチしたいことに対して、メンバーの需要と組織の供給が合わなければメンバーは供給を求めて転職するか、社内で需要を生み出すというアプローチを取るはず。後者のアプローチを取れて実現できるのであれば相当優秀だ。それができるのなら柔軟な組織でもある証左なので組織も相当優秀、そういった組織を目指すべきだし、メンバーがやりたいこと、ストレッチしたいことにはマネージャが注意深く汲み取る必要がある。ここらへんが1on1で話されるといいだろう。

多種多様なポジション、仕事を用意しておくことはかなり重要だなと思った。

中長期的な成長への投資

即時的な成果が求められると、組成される組織は最適化されてシニアメンバーの集まりのようなものになる。ジュニアメンバーのそもそもな領域の学習に組織がコストをなかなか割けないからだ。

ベンチャーでは、会社が中長期的なマインドに切り替わる時に組織マネージャがこの視点を持って、編成できるか、またはメンバーからこの意見が発せられるかが重要だと思った。

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