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【簡単】Vercel AI SDK 4.2 で出た MCP 機能を使ってみる

2025/03/28に公開
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はじめに

こんにちは、株式会社キカガク CTO 室のたかはしです。みなさん、AI の最新情報の出るペースやすごさにそろそろお疲れではありませんか?今ですと GPT-4o の画像生成が話題ですね。

息抜きに MCP 触ってみませんか?楽しいですよ。(追い打ち)

今回作るもの

ということでこの記事では Vercel の AI SDK 4.2 で MCP 機能が追加されたので、 Google カレンダーで予定確認ができたり、予定追加ができたりするチャットアプリの解説をしていきます。

よくある天気を聞く MCP を使うとかのほうが簡単なのですが、わざわざ MCP でなくてもいいなと思い、一手間必要ですがわりと簡単に実装できるので、ぜひ試してみてください。

「今日の予定を確認して」と伝えるときちんと教えてくれ、予定を追加することも可能です。

mcp01

mcp02

サンプルのリポジトリは以下です。

ai-sdk-mcp-sample

useChat やツールについては以下の記事を参考にしてください。

また、今回ではローカルに Google カレンダーと接続している MCP を用意して使っているので、以下のリポジトリから準備してみてください。

google-calendar-mcp

実装解説

主にクライアント、サーバーの 2 ファイルで解説できます。

クライアント側の実装

クライアント側のコードは比較的シンプルです。Vercel AI SDK の useChat フックを使用して、チャットインターフェースを構築しています。ストリーミングにも対応しています。

// ChatInterface.tsx
"use client";

import { useChat } from "@ai-sdk/react";
import { Button } from "../ui/button";
import { Input } from "../ui/input";
import { MemoizedMarkdown } from "./MemoizedMarkdown";
import { Send } from "lucide-react";

export default function ChatInterface() {
  const { messages, input, handleInputChange, handleSubmit } = useChat({
    api: "/api/chat",
    experimental_throttle: 50,
  });

  return (
    <div className="flex flex-col h-full">
      <div className="flex-1 p-4 overflow-y-auto space-y-4">
        {messages.length === 0 ? (
          <div className="flex items-center justify-center h-full">
            <p className="text-gray-500 text-center">
              Try asking something like "Check my schedule for today".
              <br />
              This assistant can integrate with Google Calendar.
            </p>
          </div>
        ) : (
          messages.map((message) => (
            <div key={message.id} className="break-words max-w-4xl mx-auto">
              <div
                className={`p-3 rounded ${
                  message.role === "user"
                    ? "bg-gray-100 ml-auto max-w-[80%]"
                    : "bg-gray-50 max-w-[80%]"
                }`}
              >
                <MemoizedMarkdown id={message.id} content={message.content} />
              </div>
            </div>
          ))
        )}
      </div>

      <div className="border-t p-3">
        <form onSubmit={handleSubmit} className="flex gap-2 max-w-4xl mx-auto">
          <Input
            type="text"
            value={input}
            onChange={handleInputChange}
            placeholder="Enter your task or instruction..."
            className="flex-1"
          />
          <Button
            type="submit"
            disabled={!input.trim()}
            variant="default"
            size="sm"
          >
            <Send size={16} className="mr-1" /> Send
          </Button>
        </form>
      </div>
    </div>
  );
}

サーバー側の実装

サーバー側では、MCP クライアントを初期化し、Google カレンダーと連携しています。

  • experimental_createMCPClient を使用して MCP クライアントを作成
  • StdioMCPTransport で Google カレンダー MCP と接続
  • mcpClient.tools() で利用可能なツールのリストを取得
  • streamText 関数でストリーミングに対応したレスポンスを生成
// app/api/chat/route.ts
import { openai } from "@ai-sdk/openai";
import {
  experimental_createMCPClient as createMCPClient,
  streamText,
} from "ai";
import { Experimental_StdioMCPTransport as StdioMCPTransport } from "ai/mcp-stdio";
import { NextRequest, NextResponse } from "next/server";

export async function POST(req: NextRequest) {
  const mcpClient = await createMCPClient({
    transport: new StdioMCPTransport({
      command: "env",
      args: [
        "node",
        process.env.GOOGLE_CALENDAR_MCP_PATH ||
          "path/to/google-calendar-mcp/build/index.js",
      ],
    }),
  });

  try {
    const { messages } = await req.json();

    const tools = await mcpClient.tools();

    // Generate text using OpenAI
    const result = streamText({
      model: openai("gpt-4o"),
      tools,
      messages,
      system: `You are a productivity assistant. Use the following tools to help users manage their tasks:
          1. Google Calendar: For scheduling appointments and events
          
          Format your responses using Markdown, especially utilizing these elements:
          - Headings (#, ##)
          - Bullet points (- or 1.)
          - Code blocks (\`\`\`)
          - Bold (**bold**) and italic (*italic*)
          
          Note: When using Google Calendar, always use "primary" as the calendar ID.
          When performing calendar operations, always specify "primary" for the calendarId parameter.
          Example: mcp_MCP_Google_Calendar_list_events({calendarId: "primary"})

          Today's date is ${new Date().toISOString().split("T")[0]}.`,
      maxSteps: 10,
      onFinish: async () => {
        await mcpClient.close();
      },
    });

    return result.toDataStreamResponse();
  } catch (error) {
    console.error("Error processing chat:", error);
    return NextResponse.json(
      { error: "An error occurred while processing the request" },
      { status: 500 }
    );
  }
}

MCP の動作について

MCP(Model-Component-Protocol)は、LLM と外部ツールを接続するための標準化されています。今回の実装では、以下のように動いています。

  1. ユーザーがクライアントからメッセージを送信
  2. サーバー側で MCP クライアントが初期化され、Google カレンダー MCP と接続
  3. MCP から利用可能なツール情報を取得
  4. OpenAI モデルがユーザーのメッセージを解釈し、必要に応じて MCP ツールを呼び出す
  5. Google カレンダー API と連携して予定の取得や作成などの操作を実行
  6. 結果をユーザーに返却

MCP の大きなメリットは、LLM と外部サービスの連携が標準化された方法で行えることです。Vercel AI SDK 4.2 では MCP をサポートすることで、様々な外部サービスとシームレスに連携できるようになりました。

例えば、Google カレンダーから予定を取得して、メールで空き時間を送信するといったことも可能です。

まとめ

Vercel AI SDK 4.2 で追加された MCP 機能を使うことで、Google カレンダーと連携したチャットアプリを比較的簡単に実装できました。

  • クライアント側は useChat フックで UI を構築
  • サーバー側は MCP を使って Google カレンダーと連携
  • AI モデルが自然言語を解釈して適切なカレンダー操作を実行

ぜひお試しください!

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