Robotに経済的モジュールを付与するプロジェクトの概要翻訳してみた
翻訳背景
そもそも、Robonomics について知らない方が大半だと思うので、簡単に説明します。
Robonomics というプロジェクトは Robot に Blockchain 製の経済的モジュールを付与するようなプロジェクトです。
僕自身、このプロジェクトを知った背景は、大学の研究で Robotics と Blockchain の研究に取り組む際、MIT のシンポジウムで Robonomics プロジェクトを見つけて知りました。
日本語情報は皆無なため、まだ日本ではあまり知られていないプロジェクトだと思います。しかし、Polkadot が公開されてぐらいから徐々に注目されており、内容もおもしろいプロジェクトなので、自身の勉強ついでに情報を残しておこうと思います。
補足 :Polkadot は Blockchain にインターオペラビリティをもたらすプラットフォーム。Robonomics は Polkadot 上でも開発された最初のプロジェクトの 1 つ。
原本
こちらのスライドを翻訳
選択理由:
最近までの、Robonomics の動きがわかりやすくまとまっており、Robonomics の情報で最初に見るならこの情報がいいと考えた。
↓ 以下翻訳
Robonomics の概要
① Robonomics は、すぐに使えるオープンソースのプラットフォームであり、エンドユーザー向けのサービス(Robot-as-a-Service)としてロボットを接続するために使用できます。
- Robonomics は、 技術的、経済的な情報を人間と機械の間で交換するための Web3 技術をサポートしています。
② Robonomics は、純粋に技術的でオープンソースなプロジェクトです。
- このプロジェクトは、開発者に新しいユーザーであるロボット工学者(Roboticist)という新しいユーザー層を開拓します。
- そのために、Ethereum と Polkadot を Robot operating system(ROS)とリンクさせました。
- ROS に親しんでいるロボット工学者の数は、約 22,000 人の開発者です。ROS の統計データ
③ GitHub では、Robonomics について詳しく知ることができます。
④ 科学論文が Robonomics の今後の活用法を教えてくれる。
- 今日の時点で、インダストリー 4.0 やスマートシティの分野での Robonomics の利用に関連する9 つの科学論文が発表されています。
- また、Erasumus+のための IoT トレーニングプログラムも準備されている。
⑤ インターネットのリソース
- a. ウェブサイト - https://robonomics.network
- b. ツイッター - https://twitter.com/AIRA_Robonomics
- c. ブログ(Medium) https://blog.aira.life/
- d. Robonomics のホワイトペーパーと子供向けの本 https://robonomics.network/community#docs
- e. Robonomics・プラットフォームに基づく事例・プロジェクト
- DAO IPCI: IoT for carbon trading
- DCZD.tech:DCZD.tech: Drone Employee and Distributed Sky
- Robot-as-a-service in Azure, Chorus Mobility
- Zero-cost smart city platform
- などがあります。
Robonomics とは?
ロボットをエンドユーザー向けサービス(Robot-as-a-Service)やデジタルマーケットへ接続するために使用できる、世界初のオープンソースプラットフォームであり、IoT プロバイダーの分散型ネットワークです。
人と機械の間で技術的・経済的な情報交換を実現する Web3 テクノロジーをサポートしています。XRT トークンを使用することにより、分散ネットワークプロバイダーによる Robonomics を維持するために経済的なインセンティブが創出されます。
Robonomics は何を提供しますか?
-
Robonomics 事業者は、ロボット市場(IoT データ市場)の開設、無人交通の管理、スマート工場の稼働などを行うことができます。Robonomics 事業者は行動できるが、イーサリアムで制御される。スカイネットの抵抗のようなものです。
-
ロボット工学者は、ロボット機能への直接アクセスを提供できるが、これはユーザーに特定のサービスを提供するためのサブスクリプションまたは支払いに基づいています。イーサリアムコンピューターがすべてのプロセスを適切に保護します。
-
エンドユーザーはロボットサービスを簡単に注文できる。エンドユーザーが署名されたメッセージを Robonomics ネットワークに送ると、ネットワークが次のステップをすべてカバーします。
Timeline ステージ 0:最初の実験が行われる。仮説検証
時期:2015 年秋~ 2016 年秋
世界ではじめて、ドローンの制御をイーサリアムのコンピューターに転送することが実証されました。ユーザーが決済を完了させた後に指定された GPS 座標へ到達するようにドローンが発射されました。
資金調達段階:
コアとなる開発者から 500ETH を調達。
Timeline ステージ 1: Robonomics ネットワーククライアント(AIRA)のプロトタイプが作成された
時期:2016 年秋~ 2017 年秋
AIRA は、イーサリアムと IPFS を Robot operating system(ROS)にダウンロード、実装する一般的方法を示した。
現在、AIRA は GitHub 上で 22 のリリースを行っており、Robonomics ネットワークに完全に対応しています。
AIRA は、Airalab チームによってサポートされています。
資金調達段階:
コアとなる開発者から 1500ETH を調達。
Timeline ステージ 2:Robonomics・ネットワーク・プロバイダーのための作業プロトコルの実装
時期: 2017 年夏~ 2018 年夏
Robonomics のホワイトペーパー[ru][eng][ch]が執筆された。
Robonomics の利用に関する 9 つの科学論文が主張されました。
イーサリアムと ROS の間の通信スタックが Robonomics ホワイトペーパーに沿って実装されました。robonomics_comm
資金調達段階:
ロシアの暗号コミュニティと友人から 5,000ETH の資金を受け取りました。10%の
XRT がプロジェクトコミュニティで配布されました。
Timeline ステージ 3:イーサリアムでの設立
2018 年夏に始まった現在のステージ
2019 年 4 月までに、Robonomics スマートコントラクトの 13 のリリースを GitHub 上で網羅しました。
Robonomics のバージョン管理システムは、イーサリアムネットワークの 5 世代の変化上でチェックされました。
2018 年夏には、Open Zeppelin が統合され、2 つのコントラクトコードの独立した監査に合格しました。
イーサリアムで利用されているガスの代わりに、トークンを排出することがテスト、安定化されました。
Timeline ステージ 4:ポルカドットでの設立
Robonomics のフードの下には、ロボット工学者のための 1 つのプラットフォームと 2 つのネットワークがある。
これにより、イーサリアムの代替方向に Robonomics を強化する。
Robonomics は、Polkadot エコシステムの最初のプロジェクトの 1 つです。
2018 年末からすでに作業が進められています。
イーサリアム上ですでに稼働しているネットワークと合わせて、Polkadot での Robonomics parachain の立ち上げを準備中です。
以下のリンクをご覧ください。
Substrate 上の Robonomics と Robonomics Polkadot Telemetry
Polkadot で Robonomics parachain に投票してね
Timeline ステージ 5:コミュニティの力によるサポート&改善
さらに、主な取り組みは Ethereum Improvement Proposal(EIPs)のような規格の形成のオープンソース的アプローチです。
もちろん、Swarm や Whisper、その他のロボット工学者にとって興味深い P2P コミュニケーションの代替手段を追加しながら、
Ethereum や IPFS、Polkadot の改良に基づいて、プラットフォームをタイムリーに更新することも必要です。
おわりに
ここまで読んでくれた方ありがとうございました!
Robot に経済的モジュールを付与してロボットが人間経済システムに参加することを可能にする Robonomics のような、おもしろい Blockchain プロジェクトがいっぱいあるので、調べてみてはどうでしょうか?
また、Robonomics に興味を持ったら、公式サイト見たり、Robonomics ネットワーク参加するためのクライアント OS である AIRA をインストールするチュートリアルの記事書いたので見てみてください。
次は、Robonomics の論文翻訳を行おうと考えています。興味ある方あればメッセージどうぞ!
おわり
Discussion