生成 AI ネイティブに向けた取り組み
こんにちは。ケップル VPoE の池浦です。
昨今は生成 AI の発展が目覚ましく、いちエンジニアとして、いちエンジニア組織をマネジメントする人として、生成 AI に対する理解を深めることが極めて重要だと感じています。
ケップルでは最新の生成 AI トレンドに追従すべく、エンジニアが生成 AI に触れる機会を創り、ビジネスへの適用を果敢に進めています。
本記事では、ケップルにおける生成AI活用の取り組みと、エンジニア組織が主導する全社的な AX(AI Transformation)についてご紹介します。
利用ツール
利用した/利用しているツールを列挙します。
- 対話/アシスタント:ChatGPT、Claude、Gemini、Perplexity
- エンジニアリング支援:Cline、GitHub Copilot、Cursor、PR-Agent
- ワークフロー/自動化:Dify、n8n、Mastra
- その他:NotebookLM、Jina AI、Acrobat AI、 ...etc
また、Amazon Bedrock や OpenAI の API を活用した開発も進めています。新しいツールや技術の検証のため、AI 専用の予算も確保し、チームでの継続的な評価体制を整えています。
トレンドキャッチアップの仕組み化
生成 AI 技術の進化は極めて早く、最新動向の把握が重要です。そのため、以下の取り組みを実施しています:
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デイリーAXキャッチアップ
- エンジニア組織による日次の技術動向チェック
- 詳細はこちらの記事をご覧ください
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実験的な取り組み
- 最新 LLM やツールの性能検証
- ベクトルデータベースの構築実験
- 社内データを活用した MCP サーバーの試験運用
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全社 AX の推進
- エンジニア組織主導による全社的な取り組み
- 各部門での AI 活用支援
具体的な活用事例
1. プロダクトやサービスへの適用
KEPPLE DBやメディアKEPPLEでは、ケップルが持つスタートアップに関する豊富なデータを活用しています。
スタートアップが持つデータの多くは構造化されていますが、一部は非構造化データとして持っています。例えば、そのスタートアップが展開する事業の概要や、そのスタートアップに紐づくニュースやメディア記事などが挙げられます。
これらの非構造化データをより扱いやすくするために、ベクトルデータに変換してデータベースに保管しています。
ベクトルデータの保管により、メディア KEPPLE では関連記事を表示することや、自然言語による柔軟な記事検索を実現しています。
2. 業務効率化の実現
ケップルはプロダクトビジネス以外にもスタートアップ投資やファンド運営支援を提供するなど、多角的な事業展開を行なっています。
そのため、生成 AI の活用によって効率化できる業務が数多く潜んでいます:
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ドキュメント処理の自動化
- AI-OCR による PDF 文書の構造化
- データ入力作業の省力化
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情報収集・分析の効率化
- スクレイピングと AI を組み合わせたワークフロー構築
- 時事性の高い情報の効率的な収集・分析
これまでは人間の眼で PDF を読み解いて構造化データに落とし込んでいた作業を、生成 AI を用いた OCR によって代替することができます。
そのほか、時事性の高い情報をメディアで取り扱っていることから、生成 AI やスクレイピングを一纏めにしたワークフローを組むことによって、業務の効率が大幅に向上し、時間的なコストの削減が進められています。
生成 AI ネイティブな企業を目指して
冒頭にも記した通り、まずはエンジニアやエンジニア組織から生成 AI の利活用を積極的に進めています。
今や生成 AI はビジネスに根差し、生成 AI の利活用がビジネスの競争力に直結していますから、技術的な知見と探究心を持ち、いち早く適用を進められるエンジニアやエンジニア組織が、企業全体の生成 AI 活動を牽引し、全ての事業や業務の前提に生成 AI を組み込むような生成 AI ネイティブ企業へを目指します。
最近ではオフィスでの AI 談義も活発になっており、AI の利活用が全社的に進んでいることを全身で感じています。
生成 AI を積極的に活用してエンジニアリングやビジネスを行いたい方は、ぜひ一度お話ししましょう!
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