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[読書感想]プロジェクトファシリテーション 実践編 ふりかえりガイド を読んだ

2024/03/05に公開

@_kehondaです。IT企業にてエンジニアリングマネジメント業務を行っております。

今回は、https://www.agile-studio.jp/agile-knowledge で紹介されているプロジェクトファシリテーション 実践編 ふりかえりガイドを読んですごく良いと思ったので紹介をして、感想を記載します。

前提

アジャイル開発をしていたり、スクラムのチームに所属していると、KPTフレームワークを利用したふりかえりを実施する事はあるかもしれません。
私もKPTフレームワークでふりかえりを実施し、ファシリテーションを行っていましたが、トライがただただ増えてしまったり、ふりかえりの中でどうやってトライを着地させるのか悩んでしまうことがあり、その結果ふりかえることが目的になっていると感じることがあったり、実施することが負担になることもありました。
あらためて、ふりかえりってどんな目的でどのようにやるんだっけ?と思っていたときに、同僚から紹介していただいて読んだ資料がこのプロジェクトファシリテーション 実践編 ふりかえりガイドで、すごく勉強になったので、今回紹介させていただきます。

以下良いと感じた内容の抜粋と感想

すべてを紹介はできないので、良いと思った箇所を抜粋して感想を記載します。

ふりかえりとは

ふりかえりとは、「過去の学びを、幸福な未来を作ることに活かす行為」のことです。

主にチームで実施しているのですが、経験は同じでも、そこからの学びは人によって違います。
ある人にとっては当たり前だけど、ある人にとっては思いもしなかった学び。ふりかえりの場ではそういった他者の気づきを知ることができるから面白く、気づき・学びから改善策の試行錯誤からチームとして強くなっていくと感じます。
また、チームとして「幸福な未来」といっても色々あると思うので、みんなで目線合わせをするのも、良いことだと思いました。

ふりかえりの目的

1. チーム全体が、行動可能な改善策を探し、試す勇気を得ること。
2. チーム全体が、これまでの行動を思い返し、新たな気づきを得ること。
3. チーム全体が、やってみてうまくいった行動を、チームに定着させること。
4. チーム全体が、メンバーの多様性を受け入れ、信頼関係を築くこと。

「チームへの定着」は確かに、やってみてうまくいった行動やチームでやると決めたことを繰り返し確認する場になりそうです。どうしてもトライにフォーカスしてしまいがちでしたが、Keepすることをチームで定着することにも良い効果がありそうです。

ふりかえり会の進め方

改善策を考える

(6) 改善策を考える
改善策を考えます。改善を行なうには、この改善策の良し悪しにかかってきます。たとえ問題の本当の原因が判明したとしても、改善策が効果的でなければ改善されません。また、自分たちで実行するというのもポイントです。誰かに押し付けるだけの改善策では、効果がありません。そもそもふりかえりとは、自主改善活動の一環で行われるものです。

挙げた全ての改善案を実施しなくてはならないと思うと、アイデアを出すのを躊躇してしまい、良いアイデアが出にくくなる傾向があります。

確実に自分たちで試せることを選択し、力をそこに集中できるようにします。

あらためて、ふりかえりの改善は、自分たちで実行する・できることが大事だと感じます。
問題はどうしても、外のことや大きな問題を捉えてしまうことがあると思いますが、自分たちでできる変化も、積み重ねれば大きな変化になりそうですし、外側を変える力になってきそうです。

グラウンドルールを決める

1. 全員が最善を尽くしたことを疑わない
問題が発生するのは仕組みが原因
原因の追究はしても、責任の追及はしない
言い訳、自己弁護は不要

2. 積極的に参加すること
当事者意識を持つ
議題に集中する

3. 一人で話しすぎないこと
話してない人にも思いあり
人の発言をさえぎらない

会議やコミュニティと同じように、ふりかえりもグラウンドルールがあると、どのようなスタンスで取り組むべきなのか、また、ディスカッションを安全におこなう目線を合わせるという点で良さそうです。
個人的には、「全員が最善を尽くしたことを疑わない」というルールが好きです。何かがうまくいかなかった、できなかったことには何らかの理由があり、少なくともその時はできる最善を尽くした前提で議論ができると、コトに向かい、改善するためのアイディアがフラットに出せるのではないかと思います。
また、一度定義してもグラウンドルールを皆が認識しないと意味がないので、会議の前には簡単にでも読み合わせをしたいと思います。

実施間隔

(5) 短いサイクルで実施する
(6) 長いサイクルでも実施する

短いサイクルだと自身の成長に気が付けないものですが、長いサイクルで、俯瞰的にこれまでの行動をふりかえると、自身の成長が分かり、次への成長への動機づけも成されます

スプリントやプロジェクトの区切りでふりかえることが多かったですが、長い期間でのふりかえりは自分やチームの成長を実感できる良い機会になりそうな気がして、実施したいと感じました。

ふりかえり会アンチパターン

残り続ける Problem

症状
Problemに挙がった内容がずっと残っていて、毎回ふりかえり会の際に検討するが有効な改善策を打ち出せずに、Problem が取り除けない。
問題
自力で解決できない Problem がある。
解決策
解決するのをあきらめ Problem から取り下げる。または、しかるべき責任者にエスカレーションする。解決できない Problem に時間を割くよりも、もっと前に進めるようなことに時間を割くほうが効果的。

なぜそれが起きてしまったのか、一定の分析は必要ですが、原因が様々なところにあったり、抽象的な問題だったりすると、どうしてもTryにたどり着けなかったり、次は気をつけようか・・という具体化されないTryで終わってしまうことがあります。
解決できない問題はあきらめて、他の改善可能なProblemの解決策にうつるのも手かなと思いました。

着実に前に進める問題から潰していきたいですね。

まとめ

いかがだったでしょうか。
ふりかえり会を長くしているとどうしても形式的になりがちで本来の目的を失いがちなので、定期的にチームでふりかえり会についても振り返って行きたいですし、
「学びから幸福な未来を作ることを活かす行為」という目的に立ち返って、テーマやふりかえり手法を変化させながら、発言や議論を経て信頼関係を構築できるチーム作りをしていきたいなと思いました。

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