🤖

Microsoft Ignite 2024 で発表された Microsoft 365 Agents SDK 最新情報

2024/11/20に公開

はじめに

Microsoft Ignite 2024 の Book of News でも紹介されているように Microsoft 365 Agents SDK が発表されました。

https://news.microsoft.com/ignite-2024-book-of-news/ja/?WT.mc_id=M365-MVP-5002941

詳細は Microsoft 365 Developer Blog に記事が上がっています。

https://devblogs.microsoft.com/microsoft365dev/introducing-the-microsoft-365-agents-sdk/?WT.mc_id=M365-MVP-5002941

GitHub にサンプル コード含め各種リソースが公開されています。

https://github.com/microsoft/agents

Microsoft 365 Agents SDK とは

ものすごく簡単に言うと Microsoft Bot Framework のリブランディングです。Microsoft Bot Framework は Azure 上でチャット ボットを作成するためのサービスとして以前からあるものですが、ここに会話型エージェントとしてのさまざまな機能を取り込むというのがコンセプトです。Semantic Kernel や Azure AI Foundry との連携もあるので、これまでのチャット ボットよりも、より生成 AI に適したチャットボットが作成できることになります。

Microsoft Bot Framework (.NET 版) からの変更点

まだドキュメントはないようなのでサンプル コードをざっと眺めて気づいた点です。

.NET 8 のサポート

Microsoft Bot Framework をテンプレートから作成した場合、ターゲット フレームワークは .NET 6 です。これは手動で .NET 8 に変更できますが、Microsoft 365 Agents SDK は .NET 8 をターゲットに作成されています。

名前空間の変更

名前空間が Microsoft.Bot から Microsoft.Agents に変更されています。クラス名は同じでも名前空間が大幅に整理されているので移行は簡単ではないかもしれません。

MSAL のサポート

Microsoft Bot Framework ではボット認証に BotFrameworkAuthentication を使用していましたが、MSAL ベースの認証になりました。カスタマイズの余地が増えた分、書かなければならないコードは増えました。appsettings.json の書き方も変更されています。

JSON シリアライザーの変更

Newtonsoft.Json から System.Text.Json に変更されています。Microsoft Bot Framework では状態管理を Azure Blob Storage に格納するときに Newtonsoft.JsonTypeNameHandling.All を有効にしていました。これが System.Text.Json ではサポートされていないため、JSON ファイルの仕様が変わる可能性があります。

おわりに

生成 AI ブームからの Microsoft Bot Framework の再評価はくるだろうと予感はしていましたがまさかのアップデートでした。これからも目が離せないですね。

Discussion