Microsoft Ignite 2024 で発表された Microsoft 365 Agents SDK 最新情報
はじめに
Microsoft Ignite 2024 の Book of News でも紹介されているように Microsoft 365 Agents SDK が発表されました。
詳細は Microsoft 365 Developer Blog に記事が上がっています。
GitHub にサンプル コード含め各種リソースが公開されています。
Microsoft 365 Agents SDK とは
ものすごく簡単に言うと Microsoft Bot Framework のリブランディングです。Microsoft Bot Framework は Azure 上でチャット ボットを作成するためのサービスとして以前からあるものですが、ここに会話型エージェントとしてのさまざまな機能を取り込むというのがコンセプトです。Semantic Kernel や Azure AI Foundry との連携もあるので、これまでのチャット ボットよりも、より生成 AI に適したチャットボットが作成できることになります。
Microsoft Bot Framework (.NET 版) からの変更点
まだドキュメントはないようなのでサンプル コードをざっと眺めて気づいた点です。
.NET 8 のサポート
Microsoft Bot Framework をテンプレートから作成した場合、ターゲット フレームワークは .NET 6 です。これは手動で .NET 8 に変更できますが、Microsoft 365 Agents SDK は .NET 8 をターゲットに作成されています。
名前空間の変更
名前空間が Microsoft.Bot
から Microsoft.Agents
に変更されています。クラス名は同じでも名前空間が大幅に整理されているので移行は簡単ではないかもしれません。
MSAL のサポート
Microsoft Bot Framework ではボット認証に BotFrameworkAuthentication
を使用していましたが、MSAL ベースの認証になりました。カスタマイズの余地が増えた分、書かなければならないコードは増えました。appsettings.json
の書き方も変更されています。
JSON シリアライザーの変更
Newtonsoft.Json
から System.Text.Json
に変更されています。Microsoft Bot Framework では状態管理を Azure Blob Storage に格納するときに Newtonsoft.Json
の TypeNameHandling.All
を有効にしていました。これが System.Text.Json
ではサポートされていないため、JSON ファイルの仕様が変わる可能性があります。
おわりに
生成 AI ブームからの Microsoft Bot Framework の再評価はくるだろうと予感はしていましたがまさかのアップデートでした。これからも目が離せないですね。
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