Microsoft 365 開発のアップデートまとめ 2022
はじめに
一年の締めくくりということで Microsoft 365 開発関連のアップデートをまとめていきます。なお基本的に Microsoft 365 Developer Blog を参考にしています。最新情報を追いかけるのに最適ですので皆さんも是非ウォッチしてください。
Microsoft Graph
Microsoft Bookings API でのアプリケーションのアクセス許可の追加
Microsoft Bookings API でアプリケーションのアクセス許可が使えるようになります。
SharePoint のコンテンツ タイプ同期の機能強化
コンテンツ タイプの発行について、パフォーマンス上の理由から、これまではすべてのサイトにプッシュしていたものを、必要なサイトからプルする形式に変更になりました。
電子情報開示 (プレミアム) APIの公開 (一般提供)
Microsoft Purview の電子情報開示 (プレミアム) の電子情報開示ケースの取得や作成ができるようになりました。なお電子情報開示 (プレミアム) は Microsoft 365 E5 またはそれに該当するライセンスが必要になります。
Microsoft Teams の通話レコード API の仕様変更
EU の GDPR への取り組みへの一環として通話レコードで取得できるデータの内容に変更がありました。
Planner API でのアプリケーションのアクセス許可の追加
Planner API でアプリケーションのアクセス許可が使えるようになります。
Microsoft Teams の対話型メッセージ API の公開 (一般提供)
メッセージの未読と既読が取得できるようになったり、チャットを非表示にできるようになったり、タグにメンションができるようになったりと、いくつかの改善がされています。
SharePoint Pages API の公開 (パブリック プレビュー)
Microsoft Graph API を使って SharePoint ページの取得や作成ができるようになりました。これを使えば、Power Apps や Power Automate と組み合わせて、下書きは Power Apps で入力し、Power Automate の承認フローで承認されたものだけを公開するような仕組みも作れそうです。また、ページの本文を抜いて Azure Cognitive Service に食わせるなんてこともできそうです。
SharePoint Framework
SPFx 1.14 の公開 (一般提供)
Yeoman ジェネレータを使ったスキャフォールディングについての変更がありました。いくつかのオプションが廃止になっているので注意していただければと思います。
SPFx 1.15 の公開 (一般提供)
リストやライブラリのフォームを編集するためのカスタマイザーが提供されました。これまでは JSON 形式でのカスタマイズしかできなかったので、これにより高度なカスタマイズができるようになります。インフラとしては Node.js 16 をサポートされたり、TSLint が廃止され ESLint を使用するようになったりしています。
SPFx 1.16 の公開 (一般提供)
SPFx 1.16 の大きな更新としては、SPFx を Outlook や Microsoft 365 のアプリとして公開できるようになりました。これまでも SPFx を Microsoft Teams のアプリとして表示する機能はありましたが、より多くの体験を提供できるようになります。その他には、Teams JavaScript クライアント ライブラリ (TeamsJS) v2 に対応したり、Node.js 12 および 14 の非サポートなど、インフラ面でもいくつかの変更があります。
Microsoft Teams
Teams JavaScript クライアント ライブラリ (TeamsJS) v2 の公開 (一般提供)
v2 では名前空間の整理がされていたりコールバックだったところが async/await になっていたりとさまざまな改善がありました。
Microsoft Teams Toolkit for Visual Studio Code v4 の公開 (一般提供)
こちらに関しては 第 4 回 Japan M365 Dev User Group 勉強会 にて実際にブログを書かれている @girlie_mac さんに登壇していただきました。
おわりに
他にもたくさんあったのですが (専門領域ではないので) すべてをご紹介できませんでした。たとえば Office スクリプトのスクリプト ファイルを SharePoint で共有できるようになった、というのも今年の話題だったかと思います。しかしこうしてみるといろいろなアップデートがあって驚きです。来年にも期待ですね!
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