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「レスポンスが早い」は、なぜ良いことなのか言語化してみた

2023/11/28に公開

はじめに

私は「レスポンスが早いのは正義」だと思っており、その理由は全員共通の自明なことだなと、深く考えていませんでした。ただ、そういう考えがない部下がいた場合に、論理だてて説明できるように、この機会に深く考えたいと思います。
ここではイメージを共通化するために、開発時における問い合わせを想定しています。
皆様のマネジメントのご参考になれば幸いです。

理由1:そもそも早いが評価されることがあっても、遅いが評価されることはない

世の中には遅いことが評価されることはほぼないと思います。私の知る限りでは0です。
例えば、パソコンで言えば、性能が高く、処理が早い商品が評価され、値段も高くなります。
amazonや楽天などのECでは早いことがサービスとして売り出されています。
陸上競技では速さを競います。
これはなぜかというと人間はせっかちだからです。
裏付けとして、行動経済学の中に「双曲割引」という考えがあります。今すぐもらえる1万円、1年待つともらえる1.5万円、どちらを選ぶかで、大半が今すぐもらえる1万円を選ぶ傾向があるのです。
よって、そもそも論ですが、レスポンス以前に、「早い」「遅い」という概念がある場合は、基本、早い方に分配が上がるのではないでしょうか。

理由2:安心感を与えることができる

返信がない場合、メッセージが未読なのか、対応中なのか、はたまた対応自体は終わっているのか等、送った側は分からず、不安な気持ちになります。よって、すぐに対応できない場合でも「今週中にご返信致します。」等、いつまでに問い合わせに答えるのかを返すことで安心感を与えることができます。

理由3:抽象度を上げた考え方になる

「そうはいっても、自分の作業を遅らせてまで返信するより、一区切りついてからの方が効率的でしょ」という反論はもちろんあります。これは一部同意ではありますが、一区切りは極力短く、集中力が持続可能な範囲(一般的には45~60分)までが私の考えるスタンスです。
「自分の作業を効率化」するのは部分最適解であり、それが全体最適解につながらない可能性があります。問い合わせをして来ているということは、そこでタスクが止まっているため、自分がボトルネックになっているのです。そこを理解していないと、1日の終わりや翌日に返信することになるのです。
だから、自分のパフォーマンスを維持しつつ、なるはやでレスポンスを返すことが全体最適解となります。
レスポンスが早い人は大体この構造を理解出来ているため、物事を俯瞰してみることができ、総じて仕事が出来るように感じます。

理由4:1回の処理量を減らすことができる

来た問い合わせにその都度返していれば、1回の処理量は1レスポンスになります。1日10件来たとして、1日の最後に返した場合は1回の処理量は10レスポンスになります。
数値の上ではどちらも10レスポンスですが、人間の気持ちはそうではありません。
少し話はそれますが、中国にある万里の長城はどのように作られたかご存じでしょうか?
実は、端からずっと作り続けたわけではないんです。A地点作ったらC地点、その次はE地点、次はB地点と、場所を転々と変えいきました。その都度、地点が開通したら宴をしてモチベーションを高めたのです。
私はこれを「万里の長城作戦」と呼んでいますが、物事は実行可能なタスクに切り分けた上で、1つずつ成功体験を積むことが重要だと感じています。
よって、すぐ打ち返すことは、適切なタスクサイズになりやすく、心理的負担も少ないのではないでしょうか。

まとめ

コーディングでフロー(非常に集中している)状態に入っている時まで返信するべきとまで言及しておらず、集中が切れたタイミングでは、第一優先で返信をした方がよいという趣旨で今回は書かせていただきました!皆様のレスポンスに対するお考えもコメント欄でご共有いただければ幸いです!

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