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FreeBSDは怖いので、GhostBSDを普段使いする手順(Windowsとのデュアルブート)

2024/05/21に公開

GhostBSDという存在を知ってますか?

これを書く前に
Zennで「GhostBSD」を検索したら、0件でした。

私も4日前まで知りませんでした。

でも、いまは普段使いのEndeavourOSに近い使い心地になってきました。
https://zenn.dev/kako_jun/articles/e49ef7603efabb

昨日は朝4:00まで6時間くらい、夢中で触ってました。


これを読んでるあなたも、そーなるかもしれません。

そのくらいに、このOSは簡単です。

ただ、うまく動作しない部分は
あがいても徹底的にうまく行きませんでした。

そーゆーハマりポイントを紹介し
昨日もUbuntu、今日もUbuntu、明日もずっとUbuntuなのだろう
なマンネリを解消するのが、この記事の目的です。


私は慣れたOSに飽き
テキストエディタに慣れるたびに飽き
1人用ゲームに飽き

新しい開発言語を勉強して
ゲームやツールやサービスを1つ作っては
同じやり方で2つ目を作ることにも飽きる性格なので

WindowsやmacOSを自主規制して
EndeavourOSでi3wmに触れることで
なんとかモチベーションを保ててる状態なので

FreeBSDに興味を持った時には
もう .iso を焼いてました。


今まで会った中で
FreeBSDを使ってたのは2人。

東京大学の院生とジャズミュージシャン。

そのせいで、変人を呼び寄せるOSだという偏見がありました。

なぜ可愛いペンギンでなく、角の生えた赤い悪魔を選ぶ……?

前世に、南極でペンギンを触る罪でも犯したの……?
(南極条約違反)

その頃、私は強制的にSolarisを使わされてたので
最もFreeBSDに接近してたはずなのに
ペンギンが可愛かったために、今まで遠回りをしてしまいました。


VirtualBoxなどの仮想環境を利用した
GhostBSDの紹介記事は、日本語でもすでに存在します。

ただ、個人的にVirtualBoxがキライなのと

いつでも消せる環境だと
ちょっとつまづいただけで、消したい誘惑が発生しちゃうのと

実機でどれくらい実用的なのか、知らなきゃ意味がない

不便でも、不便さを楽しめば飽きにくいだろう
と思ったので、ThinkPadに入れます。

このThinkPad X13は、EndeavourOSでWindowsとのデュアルブートに成功してるので
たぶんGhostBSDでも大丈夫でしょう。
https://zenn.dev/kako_jun/articles/0d6095719666f5


FreeBSDとGhostBSDの関係は
Arch LinuxとEndeavourOSの関係に似てる、と思ったので選びました。
(Manjaroは好きくない)

Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/GhostBSD

公式サイト
https://ghostbsd.org

.iso のダウンロード
https://ghostbsd.org/download

公式のデスクトップ環境はMATE。

「GhostBSD Community Images」として、
Xfce4版があります。

ミラーの場所が
カナダ、フランス、ノルウェー、南アフリカで、日本から遠い!

こういう時って、.iso のダウンロードだと超遅いけど
Torrentだと超早かった。

aria2c https://download.ghostbsd.org/releases/amd64/24.04.1/GhostBSD-24.04.1.iso.torrent

Aria2の使い方、覚えた。


.iso は何に焼いてもイイけど
いろんなpiにUSBメモリやSDカードを使い切ってしまったので
使い切りのDVD-Rに焼いて起動しました。

この画面から進むまでに、かなり時間がかかります。

memdisk としてRAMを4GB使うようで
その確保のため、10行目で待たされる。


いきなり時を吹き飛ばして
これはDVDから起動し終わり、SSDへのインストールも終わった後の、初起動の画面。

公式版が基本世界だろう
と思ってMATE版を入れた。

……けど、タスクバーが上にあるデザインだった。

空が低い感じがして
ミッドガルの日陰に住む住民の気分。

下に移動もできるのだろうけど
それ以外にも、ユーザーホーム内のディレクトリが日本語なのが気に食わない。

Xfce4版だったら違ったのかな……?
と思ったので、入れ直すことにした。

MATE版のDVDは、使用時間30分のみで鳥よけに転用された。

すでにたくさんアップデートが貯まってたようだけど
どうせ消すし、見ないことにした。


Xfce4版をダウンロードし直し。

aria2c https://download.ghostbsd.org/releases/amd64/24.04.1/GhostBSD-24.04.1-XFCE.iso.torrent

DVDから起動すると、すぐ気づく違和感。

タッチパッドをポンって触っても
左クリック扱いになってない。

あと、タッチパッドを2本指でバッとはじいたときの
スクロールが、スマホの逆。

該当する設定画面があるので、チェックボックスを入れた。

タップで左クリックできるようになったし、
Firefoxでのスクロールもナチュラルに変わった。

素晴らしい。
イイOSじゃん、ってこの時は思ってた。


DVDから起動したライブ状態でも
サクサク動作するし

ここで無線LANに繋いでおけば
インストール後に本体から起動した時にも、その設定を覚えてて
自動的に接続してくれる、よくある作り。

無線LANには、タスクバーの右下アイコンから繋げるのだけど

このポップアップ表示中はスクショを撮れない
とゆー、よく分からない制約がある。

ポップアップのメニューは
決定後の反映まで3秒くらい掛かるので

あれ? Enable にしたはずなのに……?
と2回選択して、Disable にしちゃったりする。

あと、スクショを撮ると
ファイルの保存ダイアログが表示されるのだけど

このダイアログのボタン以外の場所をクリックすると
なぜか「先頭のファイルを選択する」という動作をするようで

それに気づかず保存ボタンを押しちゃうと
最も古いスクショを上書き保存し続ける、という使いづらさ。

あと、タイムゾーンを日本に変えても
スクショの時刻が常にイギリス時間になってるバグ? 仕様? もあるみたい。


細かな使いづらさを気にせず
デスクトップの Install... を起動すると

管理者権限を求められた後

インストーラのウィザードが始まる。

よくあるLinuxでは、ど真ん中に出るのが定番だけど
なぜ左上に……


日本語を打つことはできないけど、表示には困らない。
(中華フォント)

このウィザード内では、ナチュラルスクロールが効いてない……

Firefoxでは効いてたのに
アプリによってスクロールが逆になるという、最も邪悪なパターン!

VirtualBoxなどに入れるなら
Full disk configuration を選ぶものだけど

今回はThinkPadの内蔵SSDでなく、外付けSSDに入れることで
それを挿してる時にはGhostBSDが、抜いた時にはWindowsが
自動的に起動することを狙うので

外付けSSDは全消しして、それ専用にしてもイイから
やっぱり Full disk configuration を選ぶ。

ThinkPadの背中にはNintendo Switchのように
挿しっぱなし前提で使うSDカードスロットがあり、それが1番目として表示されてる。

2番目は内蔵SSD。
3番目が外付けSSD。


チェックボックスがあり、それを付けないと進めない

……はずなのだけど、初めて操作した時は
この画面に着いたあたりで、動作が重くなっていき

「チェックボックスを付けると進めず、チェックボックスを外すと進める」
というバグった挙動が発生した。

撮ったスクショを退避しないままウィザードを終えちゃうと、スクショが全消えするし
Firefoxでアップロードしながら作業してた。

その途中でアップロードが止まって
無線LANに繋がらなくなり

ウィザードも上記のように不安定な動作になり
ボタンの反応がなくなった10秒後くらいに
突然PCが電源オフになって、再起動した。


ライブ起動からのインストーラで、PCごと落ちたのは初めてだわ……

スクショは消えたので
上に貼られてるのは、リトライしたもの。

2回目は、落ちずにこの画面まで来れた。

デフォルトで UEFI loader が選択されてるので、そのまま進む。

このユーザー名とパスワードが、ウィザードの最後のページ。

ここが厳密すぎて、ちょっと面白かった。

Super WeakVery WeakFairly WeakWeekStrong
で、普通がない。

ちなみに、Weak でも次に進める。

あとはファイルコピーを待つだけ。
かなりすぐ終わる。

再起動。

DVD起動って、いつディスクを出してイイのか分からなくて面白い。

再起動後のLenovoロゴが出てすぐ
取り出しボタンを押して、0.1秒後くらいにUSB端子を抜くのがコツ?
(USBを先に抜くと、給電が止まってDVDを取り出せなくて悲しい)


インストール後は、毎回この画面が表示される。

読んでる間に消えちゃう。

GRUBって文字がないし
何で実現してるのかすら、よく分からない……

パスワードは毎回入れる。

背景が真っ暗だけど、これは初回だけで……

2回目からは背景が付く。

なぜ2回目からなの……


デスクトップ。

日本語としてインストールしたので、アイコンが日本語に変わってる。

ファイル すら表示できず、ファイ… になってる乱暴っぷり。
(『不滅のあなたへ』かよ)

ターミナルも、ゲェーーーー!
フォント、幅広ッ!

左上に起動されるのは、もう慣れた。


青い文字は、ほぼ読めない。

このセリフの元ネタって
スターウォーズのフォースかしら

ったく、70年代のオタクネタを入れるセンス、やれやれだぜ……

ってちゃんと調べると、スパイダーマンだった。

く、悔しくないから!
きっと新しい映画じゃなくて、古いアメコミからあるセリフ的な何かだから!

パッケージの更新は

sudo pkg update
sudo pkg upgrade

なので、DebianやUbuntuの

sudo apt update
sudo apt upgrade

と似てて覚えやすい。

[y/N] は、ダウンロード前とインストール前の計2回表示されて厳重。
(ダウンロードしたのにインストールしたくないケースに、出会ったことない……)

Arch Linuxの pacman とかだと
「Yes」がデフォルト方向なので、Enterを連打するだけで楽なのだけど

きっと pkg の作者は連打させたくなかったのでしょう。


2つ目のターミナルは、右下に現れる。

デフォルトが fish なOSを、初めて見た。

TABでの補完が効きまくるので
chromium のスペリングを忘れても大丈夫。

chrome が存在しない
ということも、すぐ分かって便利。

pkg はちゃんと排他ロックされるので
2つのターミナルから、同時に別のパッケージをインストールしたりはできないみたい。


スタートメニューも、スクショを撮れない。
(ポップアップしてる間、PrintScreen キーが反応しない)

  • ターミナルエミュレータ
  • fish
  • Xfce端末

で起動するものは同じ。

なんか……アイコンが未整備のものが多すぎるような……。

アイコンの割り当てがちゃんとしてたMATE版が恋しい……
けど、もう戻れない。
(鳥よけとして、ぶら下がってるので)


Chromium を初起動すると、キーリングのパスワードを決めるように求められる。

これはLinuxでも同じだった。

空文字列のままにすると脅されるし
10文字くらいのを決めたのだけど

なぜ外に運ぶ予定のないPCで
毎回厳密に打ってるのだろう……って悲しくなってきたので

キーリングの初期化方法を調べて、空文字列にしました。


よくあるLinuxのディストリビューションと違ったのは、ここ。

SDカードが自動的にマウントされない……だと……

こういう時、いつもなら lsblk コマンドで
/dev の下に、なんて名前でぶらさがってるかを調べて
mount コマンドを試すわけだけど……

なにィ!
lsblk が存在しない!?

df はちゃんとあったけど
なんか出てくる行が多いっ!

……そうだった。

GhostBSDは、ファイルシステムが ZFS なんだった。

ここまで切り方が違うとは……!

/dev の下も調べてみたら
ここも……なんか多くてキモい!

知らない言葉ばかりで怖い……。

うー
Solarisを使っ(わされ)てた時には、ZFS の知識なんて
誰かに任せておけばよかったのに……

ノストラダムス並に、ここで立ちはだかって来るのか……

Linuxちょっとできる
を全否定されて、1年生に戻ってしまった気分。


落ち着くんだ……
こういう時は neofetch を見て落ち着くんだ……

あ、可愛い……

これならペンギンと同じく愛せそう。

無線LANが不安定で、パケづまりみたいな症状で通信できなくなり
30分ごとくらいに Enable にし直さないと復活しないとか

それが起こるとほかのアプリも不安定になって
ファイラー(Thunar)が固まるとか、アンマウントできなくなるとか

それを繰り返してるうちに
通信の途切れる間隔が短くなって、最終的にPCが落ちるとか

ネットワーク上の WORKGROUP は見えてるけど
Linux同士なら当たり前に入れるSambaな関係に入れないとか

ゴーストな現象は多いけど
それも含めて、きっと、たぶん、愛せる、んじゃないかな……?おそらく……


次回に続く。

今回紹介したインストール手順なら
UEFI、内蔵SSDに変化を残さないので
外付けSSDを取り外せば、今まで通りWindowsを使えます。

つまり、あー
今日はBSDしたい気分かもー……
って時だけ使うことも可能。

逆に、マジュニアの重たいリストバンドみたいに
修行を終えるまで取り外さない、って決めるのも自由。


sshgitpythonvlc などは、最初から入ってた。

次回は、いま風なツールたちが
どこまでGhostBSDで動作するのかを試した記録。

rustvoltafnmdenobunweztermdockersteam とか
そーゆーカッコイイやつ。

Blender を使ってると、Linuxと区別つかない……

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