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【リ・スキリング講座の分析シリーズ②】 通学形態の講座に関する記述的分析 ~リ・スキリングは役に立つのか?~

2025/02/27に公開

はじめに

リ・スキリングを促すために指定講座を受講した労働者に対して支払われる教育訓練給付金制度についての記事の第2弾です。

前回の記事はこちら。
https://zenn.dev/ka_ichi/articles/9e3e7f068768e6

前回の記事では、リ・スキリングのコストに着目し、3種類の講座カテゴリーごとの特徴や、さらに細かく分類した20種類の講座サブカテゴリー間の違いを記述的分析・可視化を通じて明らかにしました。

今回は、講座受講の効果、パフォーマンスに注目し、スクレイピングで得られたデータから記述的分析を通じて

  • 給付カテゴリーやサブカテゴリーごとに就業者/非就業者の割合に相違がみられるか
  • 就業者に役立つ講座とは
  • 非就業者に役立つ講座とは

を観察、考察します👓

詳らかなデータの観察の前に、本分析は記述的分析の枠を超えないことに留意いただく必要があります。
観察データを用いている手前、あくまでも因果関係は観察できないことに留意いただきたいです。

データ

今回も、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム」に掲載されている各講座のスクレイピングデータを使用します。このデータには各講座の実施事業者、給付金カテゴリー、訓練費用、訓練期間、訓練時間、取得が目指される資格と同時に、受講後の資格合格率、受講者のうち就業者数および非就業者数などが含まれています。また、「就職中の受講者による講座の評価」や「就職していない受講者による講座の効果」も含まれており(詳細は後述)、これらのデータを用いていくつかの観点から講座受講の効果の傾向を考察することを目指します。

本分析においては前回の記事同様、教育訓練給付金の3つのカテゴリーと、教育訓練講座検索システムの検索画面で示されているサブカテゴリーに基づいて分析、可視化を行います。各サブカテゴリーは以下のように分類されています。

表1:サブカテゴリーの説明

カテゴリーid 給付カテゴリー サブカテゴリー 件数
1 専門実践 業務独占資格・名称独占資格を目指す養成施設行われる訓練 1,296 専門学校、短期大学での介護福祉科、栄養士科 など
2 専門実践 職業実践専門課程 714 専門学校におけるビジネス学科、IT学科 など
3 専門実践 キャリア形成促進プログラム 8 -
4 専門実践 職業実践力育成プログラム 151 大学や大学院等による教育、保健等の正規、特別の課程
5 専門実践 専門職大学、専門職短期大学、大学及び短期大学における専門職学科の課程 2 -
6 専門実践 専門職大学院 80 ビジネス・MOT/法科大学院 など
7 専門実践 高度情報通信技術関係資格 4 シスコ技術者認定 など
8 専門実践 第四次産業革命スキル習得講座認定制度 64 AIエンジニア育成講座/データサイエンティスト養成コース など
9 特定一般 業務独占資格、名称独占資格若しくは必置資格に係るいわゆる養成課程等又はこれらの資格の取得を訓練目標とする課程 516 大型自動車第一種免許/けん引免許/税理士 など
10 特定一般 情報通信技術に関する資格のうちITSSレベル2以上の情報通信技術に関する資格取得を目標とする課程 4 情報処理技術者試験 など
11 特定一般 短時間のキャリア形成促進プログラム及び職業実践力育成プログラム 32 -
12 一般 情報関係 221 ITパスポート など
13 一般 事務関係 316 簿記検定試験/ドイツ語技能検定試験/TOEIC など
14 一般 専門的サービス関係 346 公認会計士/FP技能検定試験 など
15 一般 営業・販売・サービス関係 127 インテリアコーディネーター/美容師国家試験 など
16 一般 社会福祉・保健衛生関係 242 介護福祉士/きゅう師/看護師 など
17 一般 自動車免許・技能講習関係 7,765 大型自動車第一種免許/けん引免許/フォークリフト運転技能講習 など
18 一般 技術関係 177 危険物取扱者/建築士/自動車整備士 など
19 一般 製造関係 13 製菓衛生師/技能検定試験 パン製造 など
20 一般 その他 679 修士・博士/科目等履修生 など

就業者、非就業者、それぞれにとっての講座受講の効果を観察する前に、簡単に講座ごとの受講者の就業者/非就業者割合の分布をみてみましょう。

#色とラベルを定義
color_labels = {
    'pink': ('#FF69B4', '専門実践教育訓練'),
    'green': ('#32CD32', '特定一般教育訓練'),
    'blue': ('#1E90FF', '一般教育訓練')
}

#色リスト作成
palette = {key: value[0] for key, value in color_labels.items()}

#受講者数が10人以下の講座を除外
df_scatter = df[df['job_total'] > 10]


fig, (ax1, ax2) = plt.subplots(1, 2, figsize=(16, 6))

#左側の散布図
sns.scatterplot(ax=ax1, data=df_scatter, x='training_hours', y="job_percentage", hue="subsidy_type", palette=palette, alpha=0.7)
handles = [plt.Line2D([], [], marker='o', color='w', markerfacecolor=color, markersize=10, label=label)
           for _, (color, label) in color_labels.items()]
ax1.legend(handles=handles, title="Subsidy Type")
ax1.set_xlabel("訓練時間(時間)")
ax1.set_ylabel("就業者割合")
ax1.set_title("講座ごとの就業者割合と訓練時間との関連")

#右側の散布図
sns.scatterplot(ax=ax2, data=df, x='price_pay', y="job_percentage", hue="subsidy_type", palette=palette, alpha=0.7)
handles = [plt.Line2D([], [], marker='o', color='w', markerfacecolor=color, markersize=10, label=label)
           for _, (color, label) in color_labels.items()]
ax2.legend(handles=handles, title="Subsidy Type")
ax2.set_xlabel("実質費用(万円)")
ax2.set_ylabel("就業者割合")
ax2.set_title("講座ごとの就業者割合と実質費用との関連")


plt.tight_layout()
plt.show()


図1:講座ごとの就業者割合と訓練時間および実質費用の散布図

上記の図は、講座ごとの受講者に占める就業者割合と、訓練時間および受講費用から補助金分を除いた実質費用の関係を表す散布図です。このときの実質費用は、補助金の種類と費用金額から受けられる可能性がある最大額分を補助金分としたときの実質費用となります。また受講者の人数が少ない講座を除き、受講者が11人以上の講座に絞ってプロットしているので、上記のサブカテゴリーを説明した表1内の各サンプルサイズと必ずしも一致しないことに注意が必要です。

この図から、訓練時間および実質費用が大きい講座が比較的多い専門実践教育訓練は非就業者の割合が高い講座が比較的多く、他方一般教育訓練は就業者の割合が高い講座が比較的多いということを確認することができます。一方で、訓練修了に必要な時間が短く、かつ就業者割合が高くない講座が一般教育訓練の一部にみられるのも興味深く思えます(これらの講座の多くは「準中型自動車第一種免許」の取得を目指す講座など、自動車免許・技能講習関係の講座となっています)。

就業者の効果について

この章では、就業者の講座に対する評価を分析し、就業者に役立つ講座の傾向を明らかにしていこうと思います。

「教育訓練講座検索システム」では、「就職中の受講者による講座の評価」について以下のような分類がなされています。

  • (1)処遇の向上(昇進、昇格、資格手当等)に役立つ
  • (2)配置転換等により希望の業務に従事できる
  • (3)社内外の評価が高まる
  • (4)円滑な転職に役立つ
  • (5)趣味・教養に役立つ
  • (6)その他の効果
  • (7)特に効果はない

今回は2021年の実績を用いて、就業中の講座受講者のうち(1)、(2)、(3)、(4)と答えた人が多い講座を就業者に役立つ講座とみなし、この割合を算出しました。今回はこの指標を、講座ごとの「キャリア向上率」と命名します。例えば(1)から(7)までの人数の合計が30人、(1)から(4)までの人数の合計が15人の場合、その講座の「キャリア向上率」は50%となります。100%に近いほど、労働市場において講座受講によるキャリアアップを感じやすい講座と言えるのではないかと思います。

今回の指標の導入に当たって、この指標を用いることで講座で得られたスキルが趣味・教養に役立つことやその他の効果を軽視する意図はありません。これらも個人の成長や生活の質の向上に重要な役割を果たすと考えています。今回の指標は、特にキャリアアップに貢献する講座を可視化する目的で導入しました。受講者の多様なニーズに応えるため、様々な観点から講座の価値を評価することが大切だと理解しておりますが、あくまでもキャリア向上率はその一側面を示すものとしてご理解ください。

また、以下の箱ひげ図等からの分析においては、キャリア向上率の中央値や四分位数を基準にサブカテゴリー間で多々比較を行っています。平均値を用いると下方の外れ値に影響されやすいと考えたため、今回の記事ではしばしば中央値が比較軸のメインで使われています。


図2:キャリア向上率の箱ひげ図
上記の図は、サブカテゴリーごとのキャリア向上率の箱ひげ図です。この図を見ると、専門実践教育訓練に該当する3つのサブカテゴリーと比べて、一般教育訓練に分類されるサブカテゴリーの多くは中央値が比較的高いことが分かります。例えばサブカテゴリーid = 14(専門的サービス関係), 15(営業・販売・サービス関係), 17(自動車免許・技能講習関係), 18(技術関係)は、サブカテゴリーid = 1(業務独占資格・名称独占資格を目指す養成施設行われる訓練), 6(専門職大学院)に比べて第1四分位数および中央値が高いことが分かります。この点において、キャリア向上率という観点では、就業者に関しては一般教育訓練の方が役に立つといえると思います。

また、サブカテゴリーid=17の一般教育訓練・自動車免許・技能講習関係の講座について、キャリア向上率の外れ値が多く観察できます。他のサブカテゴリーに比べてサンプルサイズが多いいことも要因の一部であることは否定できませんが、こうした自動車関連のスキル習得を目指す講座の一部では趣味・教養に役立つと感じる人やその他の効果を感じる人の割合が相対的に大きいということが示唆されていると考えることができます。

次に、専門実践教育訓練のキャリア向上率をサブカテゴリーごとにもう少し詳らかにみてみましょう。

サブカテゴリーidが6(専門職大学院)【専門実践教育訓練】の場合


表2:サブカテゴリーidが6(専門職大学院)の就業者の効果について
この表はサブカテゴリーが6(専門職大学院)の各講座の(1)から(7)までの各人数とキャリア向上率とを示したものとなっています。11講座のうち、キャリア向上率が90%を超えているのは1講座のみで、30%~40%の講座も散見されます。この表から、「その他の効果」および「趣味・教養に役立つ」と答えている人が一定数存在することがキャリア向上率の低下を生んでいることが分かります。もちろんこのことだけをもってこれらの講座が就業者に役立っていないというのは尚早ですが、修了者にとって(1)から(4)に分類されるような労働市場における分かりやすい効果が感じられにくいといえるかもしれません。

サブカテゴリーidが1(業務独占資格・名称独占資格を目指す養成施設行われる訓練)【専門実践教育訓練】の場合

次にサブカテゴリーidが1(業務独占資格・名称独占資格を目指す養成施設行われる訓練)の講座をもう少し詳らかにみていきます。

このサブカテゴリーは先ほど観察した専門職大学院のサブカテゴリーよりもサンプルサイズが大きいので、更なる分類を検討しました。その軸が資格です。
このサブカテゴリーに分類される講座について、以下の代表的な取得が目指される資格ごとに講座を新たに分類しました(講座数の多い11の講座を選抜して選んでいます)。なお、一つの講座で複数の資格が目指される(1講座内であん摩 + はり師など)場合は、重複を許して分類しています。

  • あん摩
  • きゅう師
  • はり師
  • 歯科衛生士
  • 保育士
  • 准看護師
  • 栄養士
  • 看護師(養成課程)
  • 社会福祉士
  • 言語聴覚士
  • 調理師


図3:サブカテゴリーidが1(業務独占資格・名称独占資格を目指す養成施設行われる訓練)における、取得が目指される資格ごとのキャリア向上率の箱ひげ図
図3は、新たな分類ごとのキャリア向上率の箱ひげ図を示したものです。

同一の講座で同時に資格取得が目指される場合も多々見られるあん摩、きゅう師、はり師についてのキャリア向上率については分散が大きく、中央値は他の資格の中央値と比べて低いことが読み取れます。また栄養士調理師は分散が小さく、キャリア向上率が相対的に低い講座が比較的多いことが分かります。一方でキャリア向上率の中央値が一番高いのは保育士で、社会福祉士はどの講座もキャリア向上率が60%を超えているのが特徴的に見えます。

このように、取得が目指される資格ごとに講座のキャリア向上率の傾向にそれぞれ特徴が見られました。

非就業者の効果について

続いて、非就業者の講座に対する評価を分析し、非就業者に役立つ講座の傾向を明らかにしていこうと思います。
「就業者の効果について」の章と同様に、「教育訓練講座検索システム」では、「就職していない受講者による講座の効果」について以下のような分類がなされています。

  • (1)早期に就職できる
  • (2)希望の職種・業界で就職できる
  • (3)より良い条件(賃金等)で就職できる
  • (4)趣味・教養に役立つ
  • (5)その他の効果
  • (6)特に効果はない

就業者の効果の分析同様、2021年の実績を用いて、非就業中の講座受講者のうち(1)、(2)、(3)と答えた人が多い講座を非就業者に役立つ講座とみなし、この割合を「非就業者キャリア促進率」と勝手に命名します。こちらに関しても、決して趣味や教養に役立つ講座や、その他の効果に寄与する講座を軽視する意図がないことを記しておきます。


図4:サブカテゴリーごとの非就業者キャリア促進率の箱ひげ図
上記の図は、サブカテゴリーごとに非就業者キャリア促進率を箱ひげ図で記したものです。

前章の箱ひげ図と異なり、専門実践教育訓練の各サブカテゴリーの中央値は一般教育訓練のサブカテゴリーの中央値よりも明らかに低いということはなく、むしろいくつかの一般教育訓練サブカテゴリーに比べて高い場合も見られます。この点においては、非就業者の割合が高い講座が相対的に多い専門実践教育訓練は非就業者にとっての効果が相対的によい傾向にあるといえるかもしれません(因果関係ではありません)。

次に、箱ひげ図に特徴のある2つのサブカテゴリーに着目します。

サブカテゴリーidが6(専門職大学院)【専門実践教育訓練】の場合

図4の箱ひげ図では、このサブカテゴリーにおける非就業者キャリア促進率の中央値が高く、分散も大きくないことが読み取れます。


表3:サブカテゴリーidが6(専門職大学院)の各講座についての(1)から(6)まで、および非就業者キャリア促進率の値
この表は、サブカテゴリーidが16である各講座の「(1)早期に就職できる」と答えた人数("early_2021"列)から「(6)特に効果はない」と答えた人数("nojob_no_2021"列)までの、および非就業者キャリア促進率("nojob_effect"列)が記載されています。なお、"qualification"列には、講座ごとに取得が目指される資格が記載されており、1行目の講座に関しては「専門職学位(臨床心理)」の取得がゴールとなっていることが分かります。

この表から、このサブカテゴリーに含まれる講座については「(2)希望の職種・業界で就職できる」と答えている受講者が多く、このことが非就業者キャリア促進率の中央値を引き上げていることがわかります。

この原因を探ろうとして"qualification"列を確認すると、本サブカテゴリー内の講座で取得が目指される資格の多くが特定の業種や業界の就職に必須であったり、持っていると採用時に優遇されるものが多いと感じられると思います。例えば法科大学院修了者の法曹界や、公衆衛生修了者の医療・保健業界などがこれに該当します。こうした特定の業務との結びつきが強い資格取得を目指す講座が多いことが、このサブカテゴリーの非就業者キャリア促進率を引き上げていると考察します(もちろんそれだけ取得にコストがかかるということも言えると思います)。

サブカテゴリーidが13(社会福祉・保健衛生関係)【一般教育訓練】の場合

対照的に、一般教育訓練のサブカテゴリーid=13(社会福祉・保健衛生関係)の場合は、非就業者キャリア促進率の中央値がサブカテゴリー間で最も低く、かつ値の散らばり度合いも大きいことが図4から見て取れます。


表4:サブカテゴリーidが13(社会福祉・保健衛生関係)の各講座の(1)から(6)まで、および非就業者キャリア促進率の値
この表は、表3と同じ項目をサブカテゴリーidが13である講座について表したものです。

取得が目指される資格を見ると、多くが日本語教員養成研修や日本語以外の語学資格に関連する講座であることが分かります。表3と比較すると、「(4)趣味・教養に役立つ」と答えた人の割合が大きい講座が多いことが分かります。

こうした結果から、このサブカテゴリー内の講座受講は、他の講座と比べて相対的に就業に結びついていない可能性があるといえるかもしれません。

おわりに

本記事ではリ・スキリング受講によって受講者が実感できる労働市場における効果の傾向を明らかにすることを目指し、受講時の就業状態や受講講座が属するサブカテゴリーといった軸を用いて記述的分析を行いました。分析の際には、受講者のうち特定の効果を感じた受講者の割合を算出し、就業者にとっての効果に関しては「キャリア向上率」、非就業者にとっての効果に関しては「非就業者キャリア促進率」として指標化しました。

結果として、就業者にとっての受講効果の大きさを表すキャリア向上率の観点では、就業者割合が大きい傾向にある一般教育訓練に属するサブカテゴリーの方が、専門実践教育訓練のサブカテゴリーよりも中央値が高い傾向にあることが分かりました。一方で非就業者キャリア促進率に関しては、受講者のうち非就業者が占める割合が比較的高い専門実践教育訓練の各サブカテゴリーの中央値が比較的高いということが分かりました。この点において、比較的に専門実践教育訓練は非就業者向け一般教育訓練は就業者向けといえるかもしれません。

さらに専門実践教育訓練のサブカテゴリーid=1について、就業者の成果という観点では、取得が目指される資格ごとにキャリア向上率の分布に顕著な特徴がみられることが分かりました。

一方非就業者の成果に目を移すと、専門実践教育訓練は非就業者にとっての効果が相対的によい傾向にあることが読み取れました。また、専門実践教育訓練のサブカテゴリーid=6(専門職大学院)に関しては、取得が目指される資格の多くが特定の業界・職種で強く求められていたり、採用要件・優遇条件になりやすいケースがあることもあって、受講によって「希望の職種・業界で就職できる」と答える受講者が多く、非就業者キャリア促進率が相対的に高いことが確認できます。一方で語学資格取得に関連する講座が多くを占める一般教育訓練のサブカテゴリー=13(社会福祉・保健衛生関係)に関しては、「趣味・教養に役立つ」などを挙げる受講者が比較的多いために非就業者キャリア促進率が相対的に低い傾向にあることが明らかになりました。

これらの一連の分析によって、専門実践教育訓練と一般教育訓練との間に講座受講によって得られる効果の傾向の一定の違いが観察されました。また、補助金の3つのカテゴリー間以上に、サブカテゴリー間の効果の傾向の違いが目立ったと思います。

おわりに、繰り返しになりますが、本記事の分析に用いたデータは観察データであり、かつ受講者の効果に関する回答件数が11件以上である講座に関するデータに絞っているため、効果が得られると予測している人ほど受講を選択している可能性や、逆因果の可能性を否定できないため、
因果関係ではなくあくまでも相関関係程度が観察可能である
ことに留意したいと思います。

参考文献

厚生労働省「教育訓練給付制度」
厚生労働省「教育訓練講座検索システム」

Discussion