😀

Microsoft AI Tour Tokyo 2024に参加してきました

はじめに

ジェイテックジャパンの大野です。

2024/02/20行われた「Microsoft AI Tour Tokyo 2024」に参加してきました。

僕はConnection Hubの各ミニシアターのセッションを中心に見てきました。

その様子をまとめていきます。

Connection Hubの様子、ランチ行列がすごい

Connection Hubの様子、ランチ行列がすごい

ブレイクアウトセッションやワークショップなどの様子は、弊社川江の記事に掲載されています。

行って良かった Microsoft AI Tour Tokyo

Cloud Microsoft トランスフォーメーションと変革を推進する AI(キーノート)

日本マイクロソフトの津坂美樹さんのお話や、米Microsoftの沼本健さんが本田技研工業の河合泰郎さんやサイバーエージェントの長瀬慶重さんを交えて、AIの活用事例や今後の展望について語ってくださいました。

細々とした作業や非構造化データの解釈の難しさ、汎用的な処理などはCopilotに任せ、人間は意思決定や思考に集中できる事が大事だというお話でした。MicrosoftCopilotがドキュメントを全部見てくれて、良きように人間に提案してくれるというのは、とても魅力的に感じました。ドキュメント整理はやはり面倒ですね。

沼本さん

「Copilotのロゴ、握手をイメージ」

Copilotのロゴ、握手をイメージ

「AutopilotではなくCopilot。人間が中心で、AIがサポートする」

「$1のAI投資で$3.5リターンがある」

「業務の効率化にはもはや必須」

業務の効率化にはもはや必須

「77%のユーザーがCopilotを手放したくない」

77%のユーザーがCopilotを手放したくない

「英語の会議をCopilotで日本語にしてまとめた際の精度は97%でネイティブがまとめた精度より高い」

英語の会議をCopilotで日本語にしてまとめた際の精度は97%でネイティブがまとめた精度より高い

河合さん

「データには一般常識、日常業務の非構造化データの知識(大事で多い)、専門的知識があり、日常的な知識の活用は重要」

沼本さん(河合さんだったかも)

「今までは利用しているパッケージごとにデータが存在していたが、Microsoft365による統合的なデータ管理が可能になる。自分が知っているはずの知識が網羅的に管理できる」

長瀬さん

「サイバーエージェントでは、導入の状態確認をモニタリングしフィードバックを行って効果を検証している」

「3年後には作業量を50%増やせる」

「導入している企業としていない企業の差が明確になる」

デザイン

グラデーションがかかった透明感のあるデザインが綺麗。

グラデーションがかかった透明感のあるデザインが綺麗。

ミニシアターでの各セッション

生成AI活用システム開発手法と最新事例紹介 アイシンが取り組む障碍者の意思疎通支援システムYYSystemの開発と活用事例 12:10 - 12:40(2枠分)

生成AI活用システム開発手法と最新事例紹介 アイシンが取り組む障碍者の意思疎通支援システムYYSystemの開発と活用事例

はじめに生成AIの現状と、マイクロソフトとしての取り組みについてのお話がありました。
包括的なプラットフォームによるサポートがることや、実際の拠点が神戸にあってサポートが受けられるというのは興味深かったです。

続いて生成AIの活用例として、株式会社アイシンの中村正樹さんがYYSystemの開発と活用事例についてお話してくださいました。文字起こしの精度がとても高く、間を埋める発言も適切に無視してくれているようで驚きました。リアルタイムに要約してくれることで、言葉の認識が難しい方でも会話がスムーズに進むというのも素晴らしいと思いました。こういった人間の能力を補ってくれるAI活用は今後期待できると感じました。

YYProbe - 会話の分析・可視化アプリ -

アプリケーション開発の包括的プラットフォーム紹介

アプリケーション開発の包括的プラットフォーム紹介

開発のためのサポート各種紹介、神戸にはAIラボが去年設立された

開発のためのサポート各種紹介、神戸にはAIラボが去年設立された

AIで解決すべき課題を発見する手法の紹介

AIで解決すべき課題を発見する手法の紹介

開発事例 - YYSystemの紹介

開発事例 - YYSystemの紹介

文字起こしアプリの紹介、実際にプレゼンの様子を文字起こしと要約を行っている

文字起こしアプリの紹介、実際にプレゼンの様子を文字起こしと要約を行っている

文字起こしした様子が透明ディスプレイにリアルタイム表示されている

文字起こしした様子が透明ディスプレイにリアルタイム表示されている

オノマトペの視覚化もサポートしている、拍手やどよめきなどが画像で表示される

オノマトペの視覚化もサポートしている、拍手やどよめきなどが画像で表示される

MVC から MVA モデルへ:生成 AI を組み込んだ次世代 AI 駆動アーキテクチャ設計思想 / From MVC to MVA Model

MVC から MVA モデルへ:生成 AI を組み込んだ次世代 AI 駆動アーキテクチャ設計思想 / From MVC to MVA Model

MVC「モデル(計算処理、データ操作)・ビュー(ユーザとのインターフェイス)・コントローラー(全体の制御)」から、MVA「モデル・ビュー・生成AI(目的をタスクへ分解、タスクと実現手段の対応付け)」に変えることで、AIを活用した柔軟なアーキテクチャを実現するというお話でした。

また株式会社デンソーのAOAI✕アームロボットの事例が紹介されました。アームロボットがユーザーと音声でやり取りを行い要求を理解、適切な動作をするというものでした。解釈後の機械への命令はMVCになっていると思われるので、将来的にはそこまで期待したいです。

今までの仕組みでは想定外の事象に対応できなかったり、新しいモデルを適用するルール定義が必要になっていた

今までの仕組みでは想定外の事象に対応できなかったり、新しいモデルを適用するルール定義が必要になっていた

生成AIを使うことで、あらゆる入力に対応できる(ただし同じ入力に対して処理が一意にならない問題がある)

生成AIを使うことで、あらゆる入力に対応できる(ただし同じ入力に対して処理が一意にならない問題がある)

画像認識によってキャプションを生成、マニュアルにしたがって危険検出するシステム

画像認識によってキャプションを生成、マニュアルにしたがって危険検出するシステム

実際に頭上にものが検出されたら検知して警告が出る

実際に頭上にものが検出されたら検知して警告が出る

ノンカスタマイズで実現 ~生成AIの「キャラ付け」で庁外に魅力を発信する方法と実践~ / Implementation without customization

ノンカスタマイズで実現 ~生成AIの「キャラ付け」で庁外に魅力を発信する方法と実践~ / Implementation without customization

(人が多くて写真が撮れなかった)

行政によるAIの活用事例についてのお話でした。AIキャラクターを住民サービスの一環としてすでに導入している自治体があるというお話が聞けて興味深かったです。

生成AIの活用について、自分たちで独自モデルを作成する必要はあまりなくプロンプトによってキャラクター付けされたサポートレベルで十分というのはその通りだと思いました。

GPT-3.5による大規模なテキストデータ変換を200並列のバッチ処理で実施した話 / Implementing Large-Scale Data Transformation with GPT-3.5

GPT-3.5による大規模なテキストデータ変換を200並列のバッチ処理で実施した話 / Implementing Large-Scale Data Transformation with GPT-3.5

あいまいな求人情報を利用しやすい形式のテキストデータへ変換するために、GPT-3.5を利用したというお話でした。

セッションの中でも自分の業務領域に近い事を行われていたので、話を聞いていてとても納得感がありました。

「プロンプト開発時は手元で試行錯誤するので、判断基準をエンジニアが持てるようにすべき」

「最後に人間が品質チェックしてすべて良しと言うことにはならない(人間はあてにならない)」

「無闇にAIや流行のフレームワークを利用しない。我々としては、結局今までと同じことをやるだけ」

あいまいな求人例

あいまいな求人例

おおまかなワークフロー

おおまかなワークフロー

品質評価基準や方法は十分考慮すべき

品質評価基準や方法は十分考慮すべき

AI活用というとチャットを意識する事が多い。システムに組み込むことをもっと考えても良いのでは?

AI活用というとチャットを意識する事が多い。システムに組み込むことをもっと考えても良いのでは?

マイクロソフト社員が実践するAI時代の営業活動 ~ Copilot for Sales ~ / How Microsoft Sellers work with AI ~ Copilot for Sales ~

マイクロソフト社員が実践するAI時代の営業活動 ~ Copilot for Sales ~ / How Microsoft Sellers work with AI ~ Copilot for Sales ~

Microsoft Copilotによって、ツール同士の連携が取れていないことによる作業量を軽減する、顧客とのやり取りがスムーズになるという点を紹介されていました。

「ツール同士が連携を取れていないためのロスが生じている」

「ツール同士が連携を取れていないためのロスが生じている」

実際に、かなりの効率向上が見込めているようです。

実際に、かなりの効率向上が見込めているようです。

Obamaさん
「正直1年前は使い物にならなかった」
「実際に対応できる顧客が3,4人から6人に増えた(効率として60%-100%の増加だ)」

実際に使われている例として、顧客へのメールの返信をAIに任せるという例が紹介されました。
顧客とのやり取りをAIが読み取り、熱量を測定して今後に期待できそうかと言った部分も判断してくれているようです。

また総合的なサポートの一例も紹介がありました。
音声による議事録の作成はもちろんのこと、会議のはじめに今日の参加者は誰と誰がいます。最後に、今日はこんな内容について確認しました。次回までのタスクはこれです、とそれぞれ一言入れることで認識精度を高めることができる。そこからタスクを起こしてくれる、メールの文章を提案してくれるといったお話もありました。

生成AIは学びをどう変えるか?「AI×教育の現在地」/ How AI Revolutionizes Learning

生成AIは学びをどう変えるか?「AI×教育の現在地」/ How AI Revolutionizes Learning

AIを活用した教育の事例についてのお話でした。「生成AIは教師をサポートする優秀な秘書です」とおっしゃっていた通り生成AIを用いた色々な方法で教師の負担を減らすことができる。それによってさらに良い教育を目指すことができると感じました。テストの作成や採点をAIに任せることができるため、教師がより多くの時間生徒と向き合うことができるという点も興味深かったです。

音読のサポートにも活用できる

音読のサポートにも活用できる

作文の添削も行える。あなたは経験豊富な国語の先生です。

作文の添削も行える。あなたは経験豊富な国語の先生です。

ChatGPT を使ったアプリケーション設計とプロトタイプ作成 / How to rapidly and ensure high quality prototyping apps based on ChatGPT

ChatGPT を使ったアプリケーション設計とプロトタイプ作成 / How to rapidly and ensure high quality prototyping apps based on ChatGPT

マイクロソフトの畠山大有さんが登壇されていました。軽快なトークとプレゼンで、とても楽しいセッションでした。「論理モデルさえ管理できていればなんとかなる。設計やパーティショニングは我々の腕の見せ所」というお話が印象的でした。

「畠山さん働いてるとSNSに投稿してください」

\ 畠山さん働いてる! /

立ち見でも見えないくらい人が集まっていました、注目度の高さがうかがえます

立ち見でも見えないくらい人が集まっていました、注目度の高さがうかがえます

ヒアリングからモックで動作確認まで30分でできる!

ヒアリングからモックで動作確認まで30分でできる!

参考資料が公開されています。

dahatake - Qiita

dahatake/ChatGPT-Prompt-Sample-Japanese: ChatGPT の 日本語の Prompt のサンプル

プラットフォームエンジニアリングと開発ツールの進化がもたらす開発者エクスペリエンスの向上 / Improvement of developer experience

プラットフォームエンジニアリングと開発ツールの進化がもたらす開発者エクスペリエンスの向上 / Improvement of developer experience

井上章さんのセッションです。開発環境を整えてデプロイまでとにかく時間がかかりすぎるという点について強力なサポートが得られるというお話でした。「将来的には数秒で環境を整えられるのが理想」という言葉には期待がかかります。AIはあまり関係のない分野でしたが、一介の開発者としてはとても興味深いセッションでした。

開発環境の構築から実行環境構築まで現在は長すぎる、長い会社なら一ヶ月かかる

開発環境の構築から実行環境構築まで現在は長すぎる、長い会社なら一ヶ月かかる

Microsoft Dev BoxとAzure Deployment Enviromentを利用して高速に環境を整える

Microsoft Dev BoxとAzure Deployment Enviromentを利用して高速に環境を整える

ブース

いくつかのブースを回ってきました。

GitHub

GitHubのブースはかなりの人数が集まって説明を聞いていました。人が引いた頃合いを見計らってFORKとCOMMITとFORKのペンと各種ステッカーをいただきました🙇

GitHubのブース、人が多くて近づけなかった

GitHubのブース、人が多くて近づけなかった

ペンとステッカー、Copilotなどの各種ステッカーをいただきました!

ペンとステッカー、Copilotなどの各種ステッカーをいただきました!

Retail

Microsoft Cloud for Retailのブース

小売向けのソリューション。
ブースエリアを回っていたところRetailのブースの方が声をかけてくださいました。

「注文を自然言語で受け取ることによって情報をたくさん持てる。」

「これを1つという従来の注文に対して、4人家族でキャンプへ行くのにテントが1つ欲しいという注文ではその後の対応が大きく異なる。」

と言ったことを説明してくださいました。また従業員と管理者とのやり取りも管理し、サマリー化して要望を伝えやすくなるなどのメリットもあるとのことでした。

直接自分が関わることはあまりないかもしれませんが、提案の幅が広がることで、自分の仕事にも影響があるかもしれないと感じました。

来月イベントがあるみたいです。
リテールテックJAPAN| 小売・流通業をデジタルで変革する

Microsoft Cloud for Retail - クラウド ソリューション | Microsoft Industry

Azure Global Comunity(間違っているかも)

高尾哲朗さんがLLM作成手順について熱く語っておられました。

高尾さんが熱く語っている様子

高尾さんが熱く語っている様子

今度イベントもあるそうです、お土産もいただきました🙇。日本っぽいのは適当に生成AIで作ったステッカーらしい。

2024/03/05にイベントがあるみたいです

2024/03/05にイベントがあるみたいです

お土産にステッカーとメモ帳をいただきました!

お土産にステッカーとメモ帳をいただきました!

ランチ

ランチの提供がありました🍎

キーノート終了直後の時間から提供されたためかなり長蛇の列になっていました。流石に並ぶのは大変そうだったので飲料ブースでりんごとジュースで軽めのランチ。セッションをいくつか見たあとで改めてランチを頂きました。

りんご🍎とオレンジジュース🥤

りんご🍎とオレンジジュース🥤

丼ものとサラダが提供されている様子、丼ものは他にもローストビーフ丼がありました

丼ものとサラダが提供されている様子、丼ものは他にもローストビーフ丼がありました

スパイシーチキン丼とサラダ、おいしくいただきました

スパイシーチキン丼とサラダ、おいしくいただきました

おやつ

3時頃にはおやつ(軽食)の提供もありました🍡

おやつが並んでいる様子

おやつが並んでいる様子

カリフォルニアロールとガトーショコラ。横で見ていたら皆さんほぼ必ずガトーショコラは受け取っていました

カリフォルニアロールとガトーショコラ。横で見ていたら皆さんほぼ必ずガトーショコラは受け取っていました

三色団子といなり寿司

三色団子

いなり寿司

まとめ

キーノートでも語られた「AIを語る時代から導入する時代」という言葉通り、もうAIを利用するしないという話ではなく、どのようにAIを利用するかという点について考えなければならないと改めて感じました。実際、この記事もCopilotの支援を受けて書いています。やはり便利ですね。

利用者としてAIのサポートを受けるかという観点もありますし、開発者としてどのようにAIを利用したサービスを提供するかという観点もあります。キーノートでも語られていた「意思決定や思考に集中できる」というのはありがたいことですし、そうなって欲しいと思います。一方で信頼性が重要な要素に対しては、AIの提案を鵜呑みにすることは避けたいところです。バランスを取りつつ上手に活用していきたいですね。

おまけ

廊下から見えた夕日がいい感じでした(窓にピントが合っていてボケている)

廊下から見えた夕日がいい感じでした(窓にピントが合っていてボケている)

ジェイテックジャパンブログ

Discussion