🙆

LangGraphサーバー、LangGraphプラットフォームの違い

2025/02/10に公開

LangGraphサーバー

LangGraphサーバーは、エージェントベースのアプリケーションを作成・管理するためのAPIサーバーです。主に開発者がエージェントの動作を細かく制御し、柔軟なワークフローを構築するためのツールとして機能します。

主な特徴と機能:

  • エージェント管理: 特定のタスクに特化したエージェント(アシスタント)を作成し、バックグラウンド処理やリアルタイムインタラクションをサポート。
  • ストリーミングと長時間実行のサポート: 長時間実行されるエージェントやリアルタイムのストリーミング出力を処理可能。
  • タスクキューとスケーラビリティ: バースト的なリクエストにも対応するタスクキューと水平スケーリング機能を備えています。
  • 状態管理と永続性: 会話履歴やセッションデータを保持し、長期的なコンテキストを維持。
  • CronジョブとWebhook: 定期的なタスクのスケジューリングや外部システムとのリアルタイム連携をサポート。
  • LangSmithとの統合: アプリケーションのパフォーマンスや状態をリアルタイムで監視可能。
  • 自己ホスト型: ローカル環境や独自のインフラでの運用が可能。

用途:
LangGraphサーバーは、開発者がエージェントの動作を細かく制御し、特定のユースケースに合わせたカスタマイズを行う際に適しています。


LangGraphプラットフォーム

LangGraphプラットフォームは、LangGraphサーバーを含む複数のコンポーネントで構成された商用ソリューションで、エージェントアプリケーションを本番環境にデプロイし、スケールさせるための包括的なサービスを提供します。

主な特徴と機能:

  • 統合された開発環境: LangGraph Studioを利用して、エージェントのプロトタイピング、デバッグ、共有を簡単に行える。
  • デプロイオプション: クラウドSaaS、自己ホスト型、または独自のクラウド環境(BYOC)でのデプロイが可能。
  • スケーラブルなインフラ: 大規模なワークロードを処理するための水平スケーリングやタスクキューを提供。
  • 動的API: 長期的なメモリAPIや状態管理APIを活用して、パーソナライズされたエージェント体験を構築可能。
  • フォールトトレラント設計: 自動リトライやキャッシング機能により、信頼性の高い運用を実現。
  • LangSmithとの連携: アプリケーションのパフォーマンス監視やトレース管理をサポート。
  • 商用サポート: SLAや専用サポートを含むエンタープライズ向け機能を提供。

用途:
LangGraphプラットフォームは、エージェントアプリケーションを本番環境で運用し、スケールさせる必要がある企業やチームに最適です。特に、インフラ管理の負担を軽減し、迅速にデプロイを行いたい場合に有用です。


主な違い

項目 LangGraphサーバー LangGraphプラットフォーム
目的 エージェントの作成・管理に特化したAPIサーバー 本番環境でのエージェントアプリケーションのデプロイとスケールを支援する商用プラットフォーム
構成要素 単一のAPIサーバー LangGraphサーバー、LangGraph Studio、CLI、SDKなど複数のコンポーネント
デプロイオプション 自己ホスト型 クラウドSaaS、自己ホスト型、BYOC
スケーラビリティ 水平スケーリング対応 大規模ワークロードに対応する高度なスケーラビリティ
対象ユーザー 開発者向け 企業やチーム向け
商用サポート なし SLAや専用サポートあり

結論

LangGraphサーバーは、エージェントの開発やカスタマイズに特化したツールであり、LangGraphプラットフォームはその上に構築された商用ソリューションとして、スケーラブルで本番環境向けの運用を支援します。開発段階ではLangGraphサーバーを利用し、運用やスケールが必要になった際にLangGraphプラットフォームを活用するのが一般的な流れです。

参考

https://www.langchain.com/langgraph
https://zenn.dev/pharmax/articles/7d20bfe258c51b
https://langchain-ai.github.io/langgraph/concepts/langgraph_server/
https://langchain-ai.github.io/langgraph/concepts/langgraph_platform/

Discussion