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LangGraphサーバー、LangGraphプラットフォームの違い
LangGraphサーバー
LangGraphサーバーは、エージェントベースのアプリケーションを作成・管理するためのAPIサーバーです。主に開発者がエージェントの動作を細かく制御し、柔軟なワークフローを構築するためのツールとして機能します。
主な特徴と機能:
- エージェント管理: 特定のタスクに特化したエージェント(アシスタント)を作成し、バックグラウンド処理やリアルタイムインタラクションをサポート。
- ストリーミングと長時間実行のサポート: 長時間実行されるエージェントやリアルタイムのストリーミング出力を処理可能。
- タスクキューとスケーラビリティ: バースト的なリクエストにも対応するタスクキューと水平スケーリング機能を備えています。
- 状態管理と永続性: 会話履歴やセッションデータを保持し、長期的なコンテキストを維持。
- CronジョブとWebhook: 定期的なタスクのスケジューリングや外部システムとのリアルタイム連携をサポート。
- LangSmithとの統合: アプリケーションのパフォーマンスや状態をリアルタイムで監視可能。
- 自己ホスト型: ローカル環境や独自のインフラでの運用が可能。
用途:
LangGraphサーバーは、開発者がエージェントの動作を細かく制御し、特定のユースケースに合わせたカスタマイズを行う際に適しています。
LangGraphプラットフォーム
LangGraphプラットフォームは、LangGraphサーバーを含む複数のコンポーネントで構成された商用ソリューションで、エージェントアプリケーションを本番環境にデプロイし、スケールさせるための包括的なサービスを提供します。
主な特徴と機能:
- 統合された開発環境: LangGraph Studioを利用して、エージェントのプロトタイピング、デバッグ、共有を簡単に行える。
- デプロイオプション: クラウドSaaS、自己ホスト型、または独自のクラウド環境(BYOC)でのデプロイが可能。
- スケーラブルなインフラ: 大規模なワークロードを処理するための水平スケーリングやタスクキューを提供。
- 動的API: 長期的なメモリAPIや状態管理APIを活用して、パーソナライズされたエージェント体験を構築可能。
- フォールトトレラント設計: 自動リトライやキャッシング機能により、信頼性の高い運用を実現。
- LangSmithとの連携: アプリケーションのパフォーマンス監視やトレース管理をサポート。
- 商用サポート: SLAや専用サポートを含むエンタープライズ向け機能を提供。
用途:
LangGraphプラットフォームは、エージェントアプリケーションを本番環境で運用し、スケールさせる必要がある企業やチームに最適です。特に、インフラ管理の負担を軽減し、迅速にデプロイを行いたい場合に有用です。
主な違い
項目 | LangGraphサーバー | LangGraphプラットフォーム |
---|---|---|
目的 | エージェントの作成・管理に特化したAPIサーバー | 本番環境でのエージェントアプリケーションのデプロイとスケールを支援する商用プラットフォーム |
構成要素 | 単一のAPIサーバー | LangGraphサーバー、LangGraph Studio、CLI、SDKなど複数のコンポーネント |
デプロイオプション | 自己ホスト型 | クラウドSaaS、自己ホスト型、BYOC |
スケーラビリティ | 水平スケーリング対応 | 大規模ワークロードに対応する高度なスケーラビリティ |
対象ユーザー | 開発者向け | 企業やチーム向け |
商用サポート | なし | SLAや専用サポートあり |
結論
LangGraphサーバーは、エージェントの開発やカスタマイズに特化したツールであり、LangGraphプラットフォームはその上に構築された商用ソリューションとして、スケーラブルで本番環境向けの運用を支援します。開発段階ではLangGraphサーバーを利用し、運用やスケールが必要になった際にLangGraphプラットフォームを活用するのが一般的な流れです。
参考
Discussion